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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

2012年MMA総まとめ 四月のベストファイト選出!【史上最高峰の兄弟弟子対決】

『Bellator 64』 4月6日 USA、オンタリオ州ウィンザー
 /シーズン6第五大会。メインイベントはウェルター級シーズン5トーナメント優勝者リマが王者アスクレンに挑むウェルター級タイトルマッチでした。本シーズン最後の階級であるバンタム級トーナメント準々決勝二試合が行われた他、フェザー級トーナメント準決勝戦も一試合行われました。日本人ファイターが初めてBFCトーナメントに参戦した事でも話題になりました。

Bellator 64 ウェルター級タイトルマッチ
○ベン・アスクレンvs.ダグラス・リマ×
 /満足度:☆☆
 /「殴られずフォール」を徹底するウェルターディフェンディングチャンピオン「ファンキー」アスクレンが強いフィジカルと穴の無いしなやかな技術を持つ驚異の若手「フィノム」リマを迎え撃ちました。MFCから続くリマの盤石の強さに注目が行きましたが、1R以降はアスクレンの独壇場に。リマのボトムからの柔術を掻い潜ったアスクレンが盤石の判定勝利で防衛に成功しました。北京オリンピックFsレスリング74kg級代表であり、NCAA全米大学体育協会)フォータイムD(ディヴィジョン)1オールアメリンカン(全米最優秀選手)レスラーのアスクレンのテイクダウンに対し、リマは引き込みやスプロールのみでディフェンスを試みるなど墓穴を掘った場面も多かったと感じています。
Bellator 64 シーズン6フェザー級トーナメント準決勝
マルロン・サンドロvs.アレシャンドリ・ベゼッハ×
 /満足度:☆☆☆
 /ブラジル人同士の潰し合いとなった準決勝戦。パワーパンチ×柔術テクニックという似たスタイルを持つ一級ブラジリアン柔術ファイターな二人による、緊迫感のある打撃戦が繰り広げられました。一瞬の隙をついてテイクダウンを仕掛け、ダウンや強烈なヒットを獲ったベゼッハが1Rと3R優勢で勝利…と思ったのですが結果はサンドロのスプリット判定勝利。サンドロも的確なローキックや膝蹴り、ポジショニングを取っていたので難しい判定であったと思います。一挙で戦局が大きく傾く素晴らしい試合でした。
Bellator 64 シーズン6バンタム級トーナメント準々決勝
○トラヴィス・マークスvs.上田将勝×
 /満足度:☆☆
 /日本人オールラウンドレスラーとしてケージマッチでの強さが期待された上田でしたが、スピードとフィジカルで翻弄するマークスを捉えきれずにパンチやテイクダウンを奪われ無念の一回戦敗退となりました。上田の戦略は日本MMAの現状ベターなものであり、それが平均的実力者であるマークスを抑え込めないという厳しい現実が突き付けられた試合でもありました。
Bellator 64 シーズン6バンタム級トーナメント準々決勝
○中村"アイアン"浩士vs.ホドリゴ・リマ×
 /満足度:☆☆
 /上田とは正反対に純柔術系ファイターのリマを終始テイクダウンで抑え込み続けた中村が堅実に一回戦を突破。リマの下からの攻めを集中力を切らさずに耐えきった試合でした。
Bellator 64 フェザー級
○マイク・リッチマンvs.クリス・ホロデッキー×
 /満足度:☆☆☆
 /フェザー級から初転向した「ポーリッシュハンマー」ホロデッキーのコンビネーションを尽くいなし、重いジャブ&フックを何発もヒットさせたリッチマンが圧巻のワンサイドゲームでKO勝利しました。ホロデッキーは階級転向直後の苦しい敗戦となりました。
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『EFC Africa 13』 4月13日 南アフリカ、西ケープ州ケープタウン
Extreme Fighting Championship Africa (EFCA)』は、2009年に設立したアフリカ大陸最大のMMA団体で、南アフリカ共和国を拠点としてアフリカンMMAシーンの発展に貢献してきました。USAユニファイドルールを適用し、現在ヘビーからフェザーまでの6階級でタイトルマッチを中心にアフリカンファイター達が優れた身体能力でド派手な試合を展開しており、独自の世界観を築き上げています。今大会では最も王座交代が頻繁に行われる波乱のウェルター級タイトルマッチが行われました。HPやイベントごとのPVにも力が入っていて、とてもシンプルで格好いいのでオススメです。

EFC Africa 13 ウェルター級タイトルマッチ
○ジャディソン・コスタvs.ダラス・ジャコビ×
 /満足度:☆☆
 /厚い肉体と突進力を持つアフリカーナ王者ジャコビをフットワークと多彩なストライキングで圧倒したブラジリアン「リトルヴァンド」コスタが、3、4Rに一気呵成に攻め込んだジャコビを鋭いパンチで切って落とし劇的なKO勝利。激戦区ウェルター級の新王者になりました。ジャコビには打撃に固執せずがむしゃらにテイクダウンを狙ってほしかったのでそこは少し残念でした。
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『Bellator 65』 4月13日 USA、ニュージャージー州アトランティックシティ
 /シーズン6第六大会。BFC初のバンタム級タイトルマッチをメインイベントとして、フェザー級トーナメント準決勝一試合とバンタム級トーナメント準々決勝二試合が行われました。当初はヘビー級タイトルマッチがメインイベントの予定でしたが後に『Bellator 70』へ延期されました。

Bellator 65 バンタム級タイトルマッチ
エドゥアルド・ダンタスvs.ザック・マコウスキー×
 /満足度:☆☆☆
 /NCAAD1レスラーで、足払いなどのコカし技が得意なバンタム級王者マコウスキーが戴冠後2年の月日を経て初防衛戦に挑みました。シーズン5優勝者の挑戦者「ドゥドゥ」ダンタスの強力なローキックに苦しみながらもテイクダウンを奪うなど果敢に攻めたマコウスキーでしたが、2Rにドゥドゥのテイクダウン・リバースからの肩固めが極まり新王者が誕生しました。若き王者として堂々と迎え撃ったマコウスキーの再起にも期待したいです。
Bellator 65 シーズン6フェザー級トーナメント準決勝
○ダニエル・ストラウスvs.マイク・コーリー×
 /満足度:☆☆☆
 /序盤を得意の左フックで優勢に進めたストラウスに対し、ラウンドを重ねる毎に回転数を増すボクシングで怒涛の追い上げを見せたコーリーと両者譲らぬ好勝負でした。敗れてなお爽やかな笑顔のコーリーの印象がかなりアップした試合でした。この試合を持ってフェザー級決勝はサンドロvs.ストラウスの過去トーナメントのファイナリスト対決となりました。
Bellator 65 シーズン6バンタム級トーナメント準々決勝
○ルイス・ノゲイラvs.アレクシス・ヴィラ×
 /満足度:☆☆
 /シーズン5準優勝者ヴィラ(41歳!)のフルスイングパンチとテイクダウンを小刻みなステップワークでかわし、コンパクトなパンチを当てプレッシャーをかけ続けた「ビタォン」ノゲイラが盤石の判定勝利をあげました。
Bellator 65 シーズン6バンタム級トーナメント準々決勝
○マルコス・ガウヴァォンvs.エド・ウェスト×
 /満足度:☆☆☆
 /シーズン6ベストバウト候補です。縦構えの独特のスイッチ&コンビネーションで攻める変則アウトボクサー「ワイルド」ウェストに対し、分厚い筋肉から繰り出すパンチとテイクダウンで押しまくる柔術系「ロウロ」ガウヴァォンという明確なインvs.アウトの激闘が繰り広げられました。互いにビッグヒットを奪い合った熱戦は、明確なダウンを奪ったロウロが押しきり判定勝利をものにしました。
Bellator 65 ウェルター
○ライマン・グッドvs.リヴォン・メイナード×
 /満足度:☆☆☆
 /シーズン7ウェルター級トーナメント予選と銘打たれた試合。シーズン4以来の復帰戦となった鉄人「サイボーグ」グッドが強烈なパンチでメイナードに会心の13秒殺KO勝利をあげ復活を果たしました。
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UFC on Fuel TV 2』 4月14日 スウェーデンストックホルム
 /UFC初の北欧地方での開催となったスウェーデン大会です。ヨーロッパでは2011年11月開催の『UFC 138』イングランド大会以来。スウェーデンは欧州開催国としてイギリス(イングランド北アイルランド)とドイツに次ぐ3番目の国となりました。母国スウェーデンの選手を筆頭に、多くの欧州ファイターが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた大会でした。

UFC on Fuel TV 2 ライトヘビー級
アレキサンダー・グスタフソンvs.チアゴ・シウバ×
 /満足度:☆☆☆
 /北欧MMA重量級のエース、若き才能溢れるスウェードモーラー」グスタフソンが初のUFCメインに登場。偽尿の提出により1年間の出場停止処分を受けていたシウバと出入りの激しい打撃戦を展開。持ち前のボクシングスキルをフルに使ったフットワーク&コンビネーションでシウバの射程外からロー、パンチ、アッパーとヒットを奪ったグスタがコンプリートゲームで凱旋試合を制しました。シウバは1Rにダウンを奪われたアッパーを最後まで対策できませんでした。
UFC on Fuel TV 2 ミドル級
ブライアン・スタンvs.アレッシオ・サカラ×
 /満足度:☆☆☆
 /横田基地出身の元米国海兵隊将校で、イラク戦争時に42人の部下を全員生還させた功績でシルバースター勲章を授与された英雄「オールアメリカン」スタンの復帰戦。イタリアンボクサーの「レギオーナーリウス」サカラをクリンチニーでダウンさせ、肘打ち→パウンドで完全KO勝利をあげました。
UFC on Fuel TV 2 ウェルター
○シアー・バハドゥルザダvs.パウロ・チアゴ×
 /満足度:☆☆☆
 /戦火の地で生まれたアフガンファイター「グレート」バハドゥルザダのUFCデビュー戦です。BOPE(特殊警察作戦大隊)所属で多彩な首関節を持つ柔術ファイターのチアゴのステップインに右のカウンターストレートを合わせ、衝撃の42秒KO勝利を収めました。
UFC on Fuel TV 2 ウェルター
○ジョン・マグワイアvs.ダマルケス・ジョンソン×
 /満足度:☆☆☆
 /英国UCMMA王者で高い極め力を持つ「ワン」マグワイアUFCデビュー。ジョンソンのコンビネーションを掻い潜りテイクダウンを決めると、2R終盤にキムラを仕掛けたジョンソンをくぐり体制を利用してカウンターのアームバーで鮮やかな一本勝利を手にしました。
UFC on Fuel TV 2 バンタム級
○ブラッド・ピケットvs.ダマッシオ・ペイジ×
 /満足度:☆☆☆
 /英国軽量級MMAのパイオニア、ブラピこと「ワンパンチ」ピケットとアグレッシブに攻めるペイジが乱打戦を展開、徐々にテイクダウン&ヒットで圧していったブラピが強烈なフックからのリアネイキッドチョークを極め完勝。欧州大会で改めて存在感をアピールしました。
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『Bellator 66』 4月20日 USA、オハイオ州クリーヴランド
 /シーズン6第七大会。メインイベントに前ライト級王者アルバレスの復帰戦を据えて、ミドル級&ライト級トーナメント準決勝四試合が行われる豪華な大会となりました。またプレリミナリーカードには地元オハイオ州の老舗団体NAAFSの王座統一戦も同時に行われました。

Bellator 66 ライト級
エディ・アルバレスvs.青木真也×
 /満足度:☆☆
 /マイケル・チャンドラーとの防衛戦に敗れ王座陥落したBFCトップスター「サイレントアサシン」アルバレスの復帰戦でした。過去に唯一一本負けした青木をフットワークとヘッド&ボディショットで翻弄し、ケージに追い詰めてのパンチでダウンを奪いそのままパウンドアウト。リベンジを果たすと共に復活を果たしました。
Bellator 66 シーズン6ミドル級トーナメント準決勝
○アンドリアス・スパンvs.ブライアン・ロジャース×
 /満足度:☆☆☆
 /ブルーノ・サントスの負傷欠場によりBFC初参戦でトーナメント代役出場を果たした「スウィートスウェード」スパンが、一撃必殺の左フックでロジャースを完全KOする大逆転アップセット勝利を手にしました。試合は序盤から荒々しくも豪快な両者の打撃が冴えわたる熱戦であり、シーズン6の立役者ロジャースはホームタウンで八割方勝利を手にしながらも伏兵スパンの一撃に沈みました。
Bellator 66 シーズン6ミドル級トーナメント準決勝
○マイケル・ファウカォンvs.ヴィアチェスラフ・ヴァシレフスキー×
 /満足度:☆☆☆
 /フィジカル&リーチで勝るヴァシーの足技からのテイクダウンが冴えましたが、冷静にチャンスを持ち続けたファウカォンが3Rにワンツーをヒット。まさにダーティーなクリンチからの打撃で優勢を取り接戦を凌ぎました。2Rはどちらもテイクダウンを取っていますし、ヴァシーの正攻法をファウカォンのダーティーさが覆い隠したような試合でした。
Bellator 66 シーズン6ライト級トーナメント準決勝
○リック・ホーンvs.ロイド・ウッダード×
 /満足度:☆☆☆
 /試合開始から出入りの激しい打撃戦が展開。ウッダードはパワーを活かした突進やジャンピングキックで攻め、ホーンもハートの強さとボクシングでガンガン攻めるヒリヒリした展開になりました。決着は2RのファーストコンタクトでウッダードをKOしたホーンがチル戦に続く二試合完全勝利でトーナメント決勝進出を決めました。勇猛果敢に攻めたウッダードにも拍手を送りたい名勝負でした!
Bellator 66 シーズン6ライト級トーナメント準決勝
○ブレント・ウィードマンvs.チアゴミシェウ×
 /満足度:☆☆☆
 /大きな円を描く鋭い肘打ちや素早い蹴り技で空手家ウィードマンを翻弄したミシェウの打撃が冴える試合でした。試合は1、2Rにテイクダウンを効果的に取ったウィードマンがスプリットで接戦を制しましたが、ミシェウが勝っても何らおかしくない見事に互角な試合を見せてくれました。
Bellator 66 ライトヘビー級
○ジョン・ホークvs.マルクス・ヴァンティネン×
 /満足度:☆☆☆
 /北欧期待の新星、フィニッシュファイターのヴァンティネンがBFCデビュー。持ち味の強烈な肘打ち等積極的に攻めていきましたが、対戦相手の強力型戦闘隊、「ビッグ」ジョン・ホークも重いパンチを果敢にヒットさせていく熱い展開に。試合は大きなヒットを奪ったホークがスプリット判定で接戦を制し下馬評を覆しました。ホークはトランクスにUSAと韓国の国旗をあしらっていて、風貌も少しアジアンの面影があるので韓国ハーフなのかな?とか思っています。
Bellator 66 ライトヘビー級
アッティラ・ヴェーグvs.ダン・スポーン×
 /満足度:☆☆
 /スロバキア出生のハンガリアンで中欧MMAトップファイターの「プムキリ」ヴェーグがBFC初参戦。マチダスタイルから放たれる「ドラゴン」スポーンの独特の打撃を受けながらも、持ち前のフィジカルと組みの強さで圧し続けたヴェーグが徐々にスポーンの動きを止めて判定勝利しました。
Bellator 66 フェザー級 NAAFS王座統一戦
○フランク・キャラバーロvs.ドニー・ウォーカー×
 /満足度:☆☆☆
 /北米MMAイオニア団体のひとつ『North American Allied Fight Series (NAAFS)』現王者で元UFCファイターの「イーグルアイ」ウォーカーが暫定王者「タンク」キャラバーロと王座統一を懸けた再起戦に挑みましたが、キャラバーロがリーチ差を覆すスピードの打撃でウォーカーを消耗させ、チャンピオンシップラウンドに飛び膝蹴り一発で完全KO勝利しNAAFS新王者になりました。
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UFC 145』 4月21日 USA、ジョージア州アトランタ
 /UFC史上最年少王者のジョーンズと元同門で兄弟子であるエヴァンスとの確執により注目を集めたライトヘビー級タイトルマッチをメインイベントに、若いファイター達の活躍が目についた熱い大会でした。メインイベントは北米MMAの発展に多大な影響を与えたジャクソンズMMAの戦い方を最も習得した者と最も体現した男との試合であり、心技体をフルに使った大激戦が繰り広げられました。

UFC 145 ライトヘビー級タイトルマッチ
ジョン・ジョーンズvs.ラシャド・エヴァンス×
 /満足度:☆☆☆
 /ジャクソンズ・システムの新旧代名詞である両者による、ボクシング&テイクダウンの凄まじい攻防が繰り広げられました。手の内が分かっている者同士による、合わせ鏡のような攻撃の交差が幾度も繰り返される凄まじい神経戦は、フィストキャッチからのエルボーというアドバンテージで攻めたジョーンズが徐々に試合を制して判定勝利で防衛に成功しました。同時にエヴァンスの反応速度とボクシングの上手さも実感できた試合でした。
UFC 145 ウェルター
○ローリー・マクドナルドvs.チェ・ミルズ×
 /満足度:☆☆☆
 /ミルズの筋肉質な身体から繰り出されるエルボー&アッパーを顔面に被弾したロリマックですが、片足を取ってからの捨て身投げでテイクダウンを取ると猛烈にパウンドを乱射。ミルズの顔面を尽く捉え深刻なダメージを与えミルズの精神を折ったマックが貫禄の一本勝利を収めました。
UFC 145 バンタム級
マイケル・マクドナルドvs.ミゲル・トーレス
 /満足度:☆☆☆
 /バンタム級随一のキックボクシングテクを持つ「メーデーマクドナルドが北米MMAバンタム級のパイオニアアンヘルトーレスのジャブを潜り、アッパーを炸裂させダウンを奪い二試合連続KO勝利を収めました。トーレスは果敢に打撃戦を仕掛けましたが、マイク・マックの目の良さで動きを予測されての苦しい敗戦となりました。
UFC 145 フェザー級
○エディ・ヤギンvs.マーク・ホーミニック×
 /満足度:☆☆☆
 /連敗からの脱出を図るカナディアンストライカー「マシーン」ホーミニックとフィリピン系ハワイアンのオールラウンダー「フィリピノフェノム」ヤギンによる一進一退の打撃戦が繰り広げられました。リーチに勝るホーミニックのパンチを顔面に何発もヒットさせながらも前進を止めないヤギンが、巧みに距離をつめアッパーでダウンを奪うなど印象的な場面を作りスプリット判定勝利で激戦を凌ぎ切りました。
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Invicta FC 1』  4月28日 USA、カンザスカンザスシティ
 /『Invicta Fighting Championships (Invicta FC)』は2012年にジャネット・マーティンとシャノン・ナップという二人の女性により設立された北米初の女性による女性のためのMMA団体です。女子MMAの拡大に伴いバラバラである現状から明確化と統制化を目的に作られた団体であり、階級別王座の設立と様々な女子MMA団体との提携など、女子MMAに一つの強靭なネットワークを作ろうと活動を続けています。その初開催イベントが4月に行われ、元ストライクフォース女子バンタム級王者のマーロス・クーネンを初めとした実力者が熱い試合を展開しました。

Invicta FC 1 アトム級
ジェシカ・ペネvs.リサ・エリス×
 /満足度:☆☆
 /現MMA最軽量級であるアトム級(-約48kg)で行われた実力者同士の対戦です。BFCシーズン3女子115lb級トーナメントベスト8のペネがフィジカルでプレッシャーをかけ、同トーナメントベスト4のエリス(旧姓ワード)が打撃をかわしつつテイクダウンを取る互角の攻防が繰り広げられましたが、3Rにバッティングで鼻を骨折したエリスが消耗しペネがパウンドアウト。消化不良で残念な結末ではありましたが、互いに素晴らしいハートとパフォーマンスを見せてくれた好試合でした。
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ベストファイト・オブ・ザ・マンス
UFC 145 ライトヘビー級タイトルマッチ
ジョン・ジョーンズvs.ラシャド・エヴァンス×
 /北米MMA最先端の技術と互いに絶対に負けないという強い意志と意地がぶつかり合ったこの試合を選出しました。息もつかせぬ展開の連続で、ここまで画面越しに緊張感と圧力がビリビリ伝わる鍔迫り合いもなかなか観れないです。遺恨試合の様相を呈していた本試合ですが、皮肉にも二人の素晴らしいパフォーマンスで「兄弟弟子対決」の良い部分が存分に披露された内容であったと思います。

ベストノックアウト・オブ・ザ・マンス
Bellator 66 シーズン6ライト級トーナメント準決勝
○リック・ホーンvs.ロイド・ウッダード×
 /スパンvs.ロジャースとどちらを選出するか悩んだのですが、スピーディーで激しく、高いスキル同士のぶつかり合いを見せてくれたこちらの試合を選出しました。ホーンは他分野のトップアスリートがMMAに転向するお手本のような闘いをしますが(競技外の能力を鍛え上げ、尚且つ自分のアドバンテージを最大限に組み入れるということです)、ウッダードのような気持ちの強い選手に気迫で負けず打ち勝ったことは非常に大きなステップであったと思います。

ベストサブミッション・オブ・ザ・マンス
UFC on Fuel TV 2 ウェルター
○ジョン・マグワイアvs.ダマルケス・ジョンソン×
 /欧州大会で最高のデビュー戦を飾ったマグワイアの見事な関節技にリスペクトを込めて選出です。ジョンソンも自身のポテンシャルを上手く発揮しきれていない感があるので、来年の再起に最も注目している選手のひとりであります。

ベストイベント・オブ・ザ・マンス
『Bellator 66』 4月20日 USA、オハイオ州クリーヴランド

UFC 145』 4月21日 USA、ジョージア州アトランタ
イベント初のダブル選出となりました。どちらの大会も劇的な決着や試合が多く、それぞれの団体の醍醐味を堪能できるイベントであったと思います。UFCには選手一人一人の抜群のパフォーマンスを、BFCには技術以上に湧き上がる闘争本能の激突をそれぞれ望んでいます。
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この時期は正直ちょっと記憶が薄れかけていて、まとめるのに今まで以上に時間がかかってしまいましたが、その分はっきりとグッドファイトの数々を堪能できたことが嬉しかったです。次回はいよいよシーズン6決勝戦が迫ってきました。今からまとめるのが楽しみです!!

『イベント名』 月日、会場

階級
赤コーナーvs.青コーナー
 /満足度:☆☆☆
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