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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【UFC日本人】「灼熱の天才」徳留一樹がベガス見参!!『火の玉の継承者』となれるか。

UFC 162  (シウヴァ vs. ワイドマン)
日時 7月6日 7時(日本時間 同日24時)
開催国 $『ケージ』と『本棚』と『音楽』と ~Cage &Books &Music~-アメリカ合衆国 ネバダ州 ラスベガス
会場 MGM・グランドガーデン・アリーナ (約17,000席)

UFCライト級(70kg級)
ノーマン・パーク(北アイルランド) vs. 徳留一樹(日本)

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徳留一樹 (とくどめ かずき)
Kazuki Tokudome
国籍 『ケージ』と『本棚』と『音楽』と ~Cage &Books &Music~-日本 日本人
出身 東京都 八王子
生年月日 1987年3月4日
年齢 26歳
身長 180cm
階級 70kg
所属 パラエストラ八王子(リンク
構え サウスポー
格闘技歴 柔道二段 , 柔術紫帯
特技 ボディクリンチからのテイクダウン
好きな技 ストレートパンチ アームバー
主な経歴 パンクラス ライト級GP準優勝(2011年)
紹介
柔道経験を経て専門学校に通う中、五味隆典vs.桜井速人戦(2005年)に魅せられ木口道場ラスカルからMMAデビューを果たした。
パンクラスではライト級2位まで浮上し、ライト級王座挑戦権を懸けた「ライト級GP」トーナメントでは決勝進出するも、現王者ISAO(日本 , 坂口道場一族)にKOで敗れ優勝を逃した(2011年)。
現在は八王子で金原正徳高橋良明らと研鑽を積む。
2013年の「UFC on Fuel TV 8(日本大会)」にてUFCデビュー。
クリスチャーノ・マルセロ(ブラジル , CMシステム)に判定勝利し白星デビューを飾った。

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ノーマン・パーク 
Norman Parke
ミドルネーム Stormin (ストーミン)
国籍 $『ケージ』と『本棚』と『音楽』と ~Cage &Books &Music~-イギリス 北アイルランド
出身 北アイルランド ブッシュミルズ
生年月日 1986年12月22日
年齢 26歳
身長 178cm
階級 70kg
リーチ 178cm
所属 ネクストジェネレーション・NI(リンク) , R・ドライズデール柔術 , アライアンスMMA(渡米時)
構え サウスポー
格闘技歴 柔道黒帯(4歳から) , フリースタイル・レスリンアイルランド大会優勝
特技 グラウンド&パウンド , テイクダウン , 優れたテイクダウン・ディフェンス
好きな技 左ストレート & 右アッパー & 左ストレート , チョーク技全般
主な経歴
TUF The Smashes ライト級トーナメント優勝(2012年)
Cage Contender ヨーロッパ王者(2011年)
紹介
幼少から柔道を経験。海兵隊を目指し学校を早期中退するも断念、様々な職を転々としながらI.M.M.A.からMMAデビューを果たす。
マチュア時代には柔道、フリースタイル・レスリングのアイルランド大会で優勝している。
英国大会で戦績を重ね、Cage Contenderでマルコス・ナルディーニ(ブラジル)に勝利し王者となる(2011年)。その後Cage Warriorsと契約するも大きな負傷で欠場する。
2012年末に行われたUFC国際リアリティーショー「TUF The Smashes(豪州vs.英国)」に出場し、ライト級トーナメントで決勝戦に進出。
UFC on FX 6(オーストラリア大会)」の決勝戦コリン・フレッチャー(イングランド)
判定勝利し見事優勝を果たした。
現在は柔術ロバート・ドライズデール(アメリカ & ブラジル)に寝技を師事。
渡米時はアライアンスMMAに出稽古をしている。
尊敬する人物はスーパーマン。少年時代からの大ファンらしい。


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「五味を追う男」徳留の大挑戦!17,000人の前で試される「地金」。
徳留はパンクラス王者ISAOやLegend FC現王者の安藤晃司(日本 , 和術慧舟會 東京道場)、ROAD FC準優勝の久米鷹介(日本 , ALIVE)ら「ライト級新世代」の一角を担う選手です。
大型化が進むMMAの中で、徳留は180cmという外国人にも当たり負けない長身を持ち、組み際の上手さと打撃の荒々しさを兼ね備えたパワフルなスタイルが魅力的です。
パンクラスでもAB(日本 , 和術慧舟會 駿河道場)URAKEN(日本 , チームURAKEN)らに勝利していて、国内で抜けた実力者であることは間違いないでしょう。
まさに「爆発」といった感じの若々しい試合をする選手です。
心配どころとしては打撃戦で劣勢になると脆さが出てしまうところですね。
決して打たれ強いタイプの選手では無いと思うのですが、結構足を止めてガーッと打ち合う場面も多く、一級戦線ではここを突かれる可能性は高いと思います。
でも、裏を返せば弱点らしい弱点はそこのみですね。
日本選手の大きな課題である「フィジカル差と身長差」や「寝技でのトップ取り力の差」を意外と克服していると思いますし、打撃戦を制すれば勝てる選手もけっこういる気がします。
ただし今回の大きな課題として「初の海外メジャー大会」での試合で起こりうる調整失敗や緊張による不完全燃焼があげられます。
おまけに今回はUFC大本山、ラスベガス大会であり、ここに抜擢されたことは徳留の評価の高さの裏返しです。
ここで勝つことは相当の利益をもたらすでしょう。
しかし一番大切なのは「冷静に爆発すること」です。
慣れない環境、隙なくレベルの底上げされた強い大戦相手、メジャーの圧力。
萎縮するのも当然ですし、だからこそメジャーでは「冷静さ」を保つようにフォローしてあげる人の力がなにより大切で(デイヴ・ハーマンみたいな怪物級の心臓があれば別ですがw)、
相手の隙をあらかじめ知り徹底的に突く「見極め」をしっかりできることも必要になってきます。
まずは1Rをしっかり取ることができれば、勝てる可能性はかなり高くなると思います!

同い年、似た経歴とスタイルの二人によるフレッシュなマッチメイク!
対戦相手のパークはアグレッシブなThe Smashesファイターの一人で、的確で強力な寝技を持つ選手です。
基本的には打撃戦はガンガン突っ込みながら本命はテイクダウンで、ポジショニングで支配して極めに移行するのがとても上手いですね。
打撃では荒い物のとにかく回転が早いパンチと蹴り、何よりトップを取った時のパウンドと肘打ちは凶悪です。
そんなパークと徳留は共通点が多く、2人とも26歳で少年時代から柔道を学び、地元の大会で実力をつけてアグレッシブさと組み技を得意としています。
マッチメイカーのジョー・シルバの狙いはズバリ「フレッシュさ」であり「爆発力」であると思います。
同タイプの若手同士をぶつける事で、拮抗した熱い試合で会場を沸かせることが期待されていると思います。
基本的にベガス大会は「ハズレ試合」を無くす為に「一発のある選手」が多く登用されると思っているんですが、この試合はどちらかというと寝業師対決なのもスイングしたゲームになることを期待されてのことだと思います。
勿論両者KOを狙う可能性もありますが…;

ほぼ互角のステータス、勝敗を決めるのは「体格差」と「アグレッシブさ」?
ほぼ拮抗している(と思われる)両者。徳留のアドバンテージはまず体格でしょう。
パークは決して体格的に勝るタイプの選手では無く、前戦のコリン・フレッチャー戦でもかなりの体格差が見られました。
もちろん実際に並んでみたら意外と体格差はないかもしれませんが(笑)
現時点では徳留がガンガン行けばペースを握れるのではと思っています。
逆にパークのアドバンテージは打撃の豊富さです。
パークはMMAで強く荒々しい打撃が発展している英国で闘った来ただけあって、打撃戦を「凌ぐ」強さがあり、更
に上を取ったときの「肘打ち」は徳留にとって最大の脅威といえると思っています。
徳留にとってはトップを取られないことが至上命題であり(全ての試合でそうなのですが)、立ち技でもパークに距離を作らせないことが大事だと思います。
またパークはスタミナが多い選手では無いので、徳留のプレッシャーと組み技で攻めることで消耗を早めることができるかもしれません。
この試合を超えることができれば徳留は「UFCファイター」として大きな支柱が立つ気がしています。
どちらがより「確実に」しかし「捨て身」で挑めるかが勝敗を分けるのはないでしょうか。
徳留のような「新世代」が活躍することはJMMAで一番大事なことです。
厳しい道ですが、何とか道を切り拓いてほしいと願っています。

がんばれ徳留!!!!