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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【JFC57】新星ホドリゴ・トラトール登場。ソウダードはギロチンで3連続一本勝ち。【南米総合】

=Jungle Fight 57=, JFC主催, ベレン大会
ブラジル北部パラー州ベレンで開催されたJFC大会。
UFC契約中のため欠場中の前フェザー級王者エジミウソン・"ケヴィン"・ソウザ
今回は同階級の暫定チャンピオンシップが行われました。

○ハファエル・"ゴゴー"・ミランダ(ブラジル) vs. ファビアーノ・"ジャカレジーニョ"・シウヴァ(ブラジル)×
フェザー級/66kg級, 5分×3ラウンド, 暫定チャンピオンシップ, 2試合目)


25歳ジャカレジーニョ(JZ)と26歳のゴゴーによる暫定王座決定試合。
1R。パンチを振り回しタックルしたゴゴーをJZがスプロール。JZが潜りダブルレッグで豪快にリフトしスラム。サイドを取るJZだが片足を掴み暴れるゴゴが立ちあがる。ゴゴーフルスイングパンチからクリンチで押し込む。JZも膝を返す。閂からJZ大外刈りでサイドを取る。隙間をつくり上手くスイープしたゴゴー立つ。
残り3分。組み合い離れパンチを打ち合う。カウンタータックルでサイドを取るJZだがすぐ立つゴゴー。再びパンチの打ち合い。JZのジャブとゴゴーのストレート気味フックがなんども相打つ。JZのタックルをスプロールで完全に切るゴゴー。
残り1分。息が切れてきたJZはオーバーハンドフックを打ちこむがゴゴのカウンタージャブを被弾しタックル。しかしゴゴーはスプロールで切る。ダースチョ-クに捉えるゴゴ。JZ技を解きハーフ上からストレート・アームバーをかけるが不発。パウンドを打って終了。JZのラウンドだが消耗が激しい。少し大雑把に攻めすぎた感が見られます。

2R。いきなりお互いにワンツーがヒット。頭を揺らし懐に入ったゴゴーのパンチを被弾するJZ。逃げのタックルもスプロールで切るゴゴー。閂から押し込むゴゴ。離れて打ち合いに。ゴゴーのアッパーを受け後退するJZ。タックルもまたゴゴーが切る。JZの足払い蹴りでこけるゴゴーだがすぐ立つ。金網につめパンチを打ち込むゴゴ。またも逃げタックル→ゴゴ切る。チョークのプレッシャーをかけ立つゴゴー。クリンチからJZの膝蹴りがヒット。ゴゴーはJZを押込み右フックを顎に連続ヒット。またタックルを切られるJZ。バック・スプロールからパンチを打ち、バックで抑え込む。アームロック逃げで立つJZだがゴゴー体重を浴びせて崩す。後ろからパンチを打っていったゴゴー。終了。
後半動きが落ち試合を支配されたJZだがあまり差がない。

3R。ゴゴーの右フックが顔面にヒット。JZ逃げタックルも切られ、閂からゴゴーの膝蹴りがJZの腹にヒット。JZも膝を返す。ブレイク。ゴゴー左フックでJZを下がらせる。ゴゴータックルもJZ切る。ゴゴ膝蹴り。ダメージがみられるJZは下がりながらジャブを放つもパンチを合わせていくゴゴー。タックルを切るゴゴーだが今度はJZがバックを取る。JZタックルから首相撲に取り膝蹴りとパンチをヒット。ブレイク。
残り2分。ゴゴー右フックが顔面をとらえる。タックルを切るゴゴ。互いにオーバー&アンダーで組み合う。ブレイク。JZ右フックをヒット。ゴゴー前進しながらパンチを連続ヒット。タックルも切る。ブレイク。ゴゴー左フックがタックルに動いたJZの側頭部にヒット。タックルを切るゴゴー。終了。
試合終了。3Rは完全にゴゴが奪取。あとは微妙な2R判定がどうなるか。

判定は3-0で全員がゴゴーを支持し、ゴゴーが暫定王者になりました。
JZはしっかりと対策をしてきていましたが1Rで体力が尽きてしまったのが痛かった。打撃で劣勢になるとタックルに逃げてしまうのもつけ入るスキを見せてしまっていました。ゴゴーはアグレッシブさに攻めましたがJZのカウンタージャブを受け入りきれず。徐々に試合を支配できましたが粗も多く見える結果となりました。

○ホドリゴ・トラトール(ブラジル) vs. エデルソン・"ライオン"・マシド(ブラジル)×
(ミドル級/84kg級, 5分×3ラウンド)


1R。タックルに失敗したトラトール。マシドがマウントからパンチを打つがトラトールはマシドの足に絡み付き左脛と腰に体重をかけスイープ。マウントを取ると反転して逃れようとしたマシドを裸締めで見事に極めて53秒タップアウト勝利を飾りました。
トラトールはこれが総合プロデビュー戦。"トラトール"はトラクターの事なのでおそらくニックネームでしょうが現在はまだフルネームは不明です。

○フアン・"フェニックス"・プッチ(メキシコ) vs. アラン・"エル・デメンテ"・バロース(アルゼンチン)×
ウェルター級/77kg級, 5分×3ラウンド)


1R7.テイクダウンを決めサイドをとるフェニックス。いい感じに上を取り削っていくがパンチは出せず攻め切れない。バロースの顔面に肘打ちが入るととスタンドに戻されフェニックスにイエローカードが出される…寝技での顔面肘は反則のよう。その後再びフェニックスがサイドを取り足関節合戦やらキムラやらを見せながら最後はバックから裸締めに捉えたフェニックスが4分弱でしっかり一本勝ち。金網に登りメキシコ国旗を掲げるフェニックス。ちなみにバロースのニックネーム"エル・デメンテ"とはスペイン語で「非常識」の意味です。

○ミシェウ・ペドロ・"プシコパタ"(ブラジル) vs. ユーリ・"アナオン"・シウヴァ(ブラジル)×
バンタム級/60kg級, 5分×3ラウンド)


1R。豪快なダブルレッグ・スラムでサイドを取ったアナオンがヒールを狙うが失敗。再びシングルリフトで落としたアナオンが上を取るが、立ち上がったプシコパタがギロチンを仕掛ける。ギロチンをかわしダブルレッグから再びヒールにいくアナウンだが今度はプシコパタも踵を極め反撃。やや深くプシコパタの極めが入ったがいったん離れ、上からパウンドを落とす。アンクルで攻めるプシコパタだが失敗し立たれる。閂からアナオンが押込みテイクダウン。ガード上を取るが攻め切れず立たれる。再び組んで正対したところでプシコパタが小外を刈り見事ハーフを奪取。サイドを取ると右フックと鉄槌を連打しレフェリーストップ。雄叫びを上げたプシコパタが4分半でTKO勝利。レスリング能力の高さで攻め続けたアナオンでしたが、攻め切れずにプシコパタの柔道技で返され敗北。途中のヒール合戦で足を痛めたのか、後半は勢いが感じられませんでした。プシコパタは喜びのカポエラダンスを見せましたがベルトを狙うにはまだまだ引き出しが足りないか。

○ジョヴァニ・"ソウダード"・シウヴァ(ブラジル) vs. ヒウデスィ・"エスコルピオン"・ジアス(ブラジル)×
(フライ級/57kg級, 5分×3ラウンド)


1R。180cmを超える長身のジアスが"エスコルピオン(蠍)"の異名通りの鋭い蹴りで距離をとる。膝蹴りをくぐりシングルレッグでダイブした"ソウダード(兵士)"がハーフからノースサウス・チョークに取る。一度外れるも今度はギロチンで完璧に捉える。エスコルピオンが完全に落ちて圧巻の極めを見せたソウダードが2分半で快勝。これで3連続チョークアウトとなった"首刈り兵隊"ソウダード。TUFでは敗退しましたがCEFやDemo Fightで王者となっている実力はやはり本物です。スタンドでも10cm以上の身長差に手を焼きながらも金網蹴りパンチやバックハンドでトリッキーに動きエスコルピオンにペースを渡さなかったのが良かったです。