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【最強vs.天才】ヘビー級「二強」頂上激突!『UFC 166』おさらい【堀口見参】

2013年10月19日(土)
=UFC 166=, -Velasquez vs. Dos Santos 3-, ZUFFA主催, トヨタセンター大会(テキサス州ヒューストン)



PPVメインカード

現王者 ヘビー級チャンピオンシップ
5分5ラウンド
挑戦者(1位)
ケイン・ヴェラスケス
Cain Velasquez
名前 ジュニオール・ドス・サントス
Junior Dos Santos
  ミドルネーム シガーノ
Cigano
USA(カリフォルニア) 出身 ブラジル(バイーア
アメリカン・キックボクシングアカデミー 所属 チーム・ノゲイラ
31歳 年齢 29歳
186cm 身長 193cm
バランスの良さ、テイクダウン&パワー スタイル ボクシング&KOパワー、筋力
12-1-0 戦績 16-2-0


現王者前王者との三度目のMMA頂上決戦です。
「メキシコの最強血統」現王者ヴェラスケス。ヘビー級トップスピードの機動力とトップフィジカルのプレッシャーを併せ持つ現MMAにおける最強の男です。精神的な脆さも克服したヴェラスケスに弱点は見当たりません。
南米が誇る「闘争の天才」"シガーノ"ドス・サントス。巨体から圧倒的な機動力を生む抜群の強心臓と一撃で相手を刈り取る必殺の拳を持つ最強のストライカーです。ボクシングに偏ったスタイルからより多彩な打撃と寝技をミックスさせた新スタイルの兆しが見えていますね。
一戦目はシガーノ必殺の一撃が炸裂し、二戦目はヴェラスケスが勇気ある踏み込みとスピードで勝利を勝ち取りました。「二強時代」と呼ばれる現ヘビー級において、決着戦となるこの試合はMMAの頂点を決める試合といっても過言ではなく、この試合に立ち合えることこそが幸せであると思います。「二強」がついに「一強」となるその瞬間まで、あとわずかです!

2位 ヘビー級
5分3ラウンド
9位
ダニエル・コーミアー
Daniel Cormier
名前 ロイ・ネルソン
Roy Nelson
ディーシー
DC
ミドルネーム ビッグ・カントリー
Big Country
USA(カリフォルニア) 出身 USA(ネバダ
アメリカン・キックボクシングアカデミー 所属 カントリークラブ
34歳 年齢 37歳
181cm 身長 183cm
レスリング&ボクシング、スピード スタイル グラップリング、世界レベルの経験
KOパワー
12-0-0 戦績 19-8-0


ヴェラスケスの盟友「竜巻(トルネード)」コーミアーUFC二戦目に挑みます。輝かしいカレッジ・レスリングの実績に裏付けされた素早いテイクダウン&スプロールと高速回転連射のフックにより相手を暴風域に巻き込み、いまだ危険なシーンを見せたことが無い必勝戦術を持つ選手です。
「ビッグ・カントリー(大国)」の異名を持つネルソン。飄々とした割腹のある風貌の裏に強かな戦術を隠し持つ稀代のトリックスターであり、ドンピシャのタイミングで放たれる超ド級の鉄槌と不死身のタフネスを武器に真っ向から相手を叩きのめしにいく頭脳派の激闘派といえるでしょう。
コーミアーの暴風域を突破した選手はいまだいませんが、逆に言えばコーミアーは自分の危険粋を冒される恐怖を未だ知らないということです。ネルソンさんの戦術によってはビッグアップセットが起きる可能性も否定できないでしょう。実に見事な組み合わせだと思います。

2位 ライト級
5分3ラウンド
青コーナー
ギルバート・メレンデス
Gilbert Melendez
名前 ディエゴ・サンチェズ
Diego Sanchez
エル・ニーニョ
El Nino
ミドルネーム ザ・ドリーム
The Dream
USA(カリフォルニア) 出身 USA(ニューメキシコ
スクラップ・パンク 所属 ジャクソンズMMA
31歳 年齢 31歳
176cm 身長 178cm
グラウンド&パウンド、強心臓、技の移行 スタイル グラップリング、調整、侵略的攻撃性
21-3-0 戦績 24-5-0


スペイン語「神の子」を意味するエル・ニーニョを二つ名とするメレンデス。強力なフィジカル、フィニッシュを狙い続ける意志の強さを持つストライカーで、台風のような拳のラッシュはライト級随一の破壊力を持ちます。
かつては「ザ・ナイトメア(悪夢)」の異名で恐れられた「ザ・ドリーム」サンチェズ。脅威の集中力と生存能力で対戦相手に恐怖を与えるMMA屈指のイレギュラーファイターであり、強力なグラップラーでもあります。
打撃とテイクダウン能力でややメレンデス、精神力と経験でややサンチェズが上回りますがほぼ互角。共に驚異的な前進で勝利を勝ち取ってきたファイターであり、また全方位隙の無い技術を持つ事から全身全霊の闘いとなるでしょう。

赤コーナー ヘビー級
5分3ラウンド
青コーナー
ガブリエル・ゴンザーガ
Gabriel Gonzaga
名前 ショーン・ジョーダン
Shawn Jordan
ナパオン(大きな鼻)
Napão
ミドルネーム ザ・サベージ(野蛮)
The Savage
ブラジル(リオデジャネイロ 出身 USA(テキサス)
チーム・リンク 所属 ジャクソンズMMA
34歳 年齢 28歳
186cm 身長 183cm
打撃、関節技、柔術黒帯 スタイル 激しい攻撃、パワー、タフネス
15-7-0 戦績 15-4-0


柔術黒帯のサブミッションスペシャリストであるナパオン。ヘビー級離れしたスピードは健在で、今年は3試合して1勝2敗と上り調子です。一方で追い詰められたとき相手の圧力に弱いところはいまだ残っていて、ジョーダンの圧力を捌ききれるかが焦点となります。
大学フットボール名門LSUタイガース出身の「殴り虎」ジョーダンは、レスリング仕込みの幹のような身体から型破りなパンチを打ちまくるKOファイターです。横薙ぎのフックと縦の軌道のアッパー&ニーの波状攻撃に捉えられたらゴンザーガもKOされてしまうでしょう。

2位 フライ級
5分3ラウンド
青コーナー
ジョン・ドッドソン
John Dodson
名前 ダレル・モンタギュー
Darrell Montague
ザ・マジシャン
The Magician
ミドルネーム ザ・マングース
The Mongoose
USA(ニューメキシコ 出身 USA(カリフォルニア)
ジャクソンズMMA 所属 ミレニアMMA
29歳 年齢 25歳
161cm 身長 168cm
スピード、拳足の初速、爆発力 スタイル 精密度、スピード
14-6-0 戦績 13-2-0


往年のKID山本を訪仏させる爆発力を持つ「魔術師」ドッドソンUFCフライ級最速のスピードスターであり、一撃でフィニッシュを狙えるフィジカル・モンスターでもあります。
UFC紀元前のフライ級で一時代を築いた「スピードスター」モンタギュー。高速ステップで距離を支配し左ストレートとミドルキックで相手を仕留めるスマートなストライカーです。
イアン・マッコール、ジュシエル・フォルミーガと紀元前フライ級戦士が次々と敗れていくなか満を持しての登場となるモンタギュー。これは新世代vs.紀元前のフライ級最後の激突であり、同時に現フライ級スピードスター決定戦です。

FOX S1プレリミナリーカード

9位 ミドル級
5分3ラウンド
青コーナー
ティム・ボーチ
Tim Boetsch
名前 CB・ダラウェー
CB Dollaway
ザ・バーバリアン(野蛮人)
The Barbarian
ミドルネーム ザ・ドーベルマン
The Doberman
USA(ペンシルバニア 出身 USA(アリゾナ
バーバリアン・ファイトチーム 所属 パワー・MMA&フィットネス
32歳 年齢 30歳
183cm 身長 188cm
レスリング、精神力、強い顎 スタイル レスリング、関節技
16-6-0 戦績 13-4-0


「バーバリアン(野蛮人)」ボーチレスリング仕込みの割腹の良い肉体から繰り出すフック&アッパーと強い精神力で攻めるパンチャー。トップ戦線に上がるも2連敗し中堅に降格、今回も突き上げを喰らうことになります。
ドーベルマン(猟犬)」の異名をとるCBことクラレンス・バイロン・ダラウェー。テイクダウンからのパウンド&肘打ちで泥臭い「潰し」をする寝技師です。泥臭いながらもそこ一筋に攻め続ける姿勢が魅力で、その執念で2連勝し這い上がってきました。
勝った方が上位陣に入れるかは分かりませんが、UFCならではの質の高い泥臭い中堅戦になると思います。

赤コーナー ウェルター
5分3ラウンド
青コーナー
ネイト・マーコート
Nate Marquardt
名前 ヘクター・ロンバード
Hector Lombard
ザ・グレート
The Great
ミドルネーム ライトニング(稲妻)
Lightning
USA(カンザス 出身 キューバ(マタンサス)
ジャクソンズMMA 所属 アメリカン・トップチーム
34歳 年齢 35歳
183cm 身長 176cm
非常に高い経験値、パワー スタイル 柔道、パワー、経験
32-12-2 戦績 32-4-1


ネイサン・マーコートとして三度のキング・オブ・パンクラシストに輝いた「ザ・グレート(偉大なる)」ネイト。時代に合わせてあらゆる格闘技を吸収し強くなってきた生粋のMMAファイターであり、ケージワークからの打撃の切れ味はいまだ一級品です。
キューバの天才「シャンゴ(雷神)」ロンバードウェルター級転向。柔道のスペシャリストから鬼気迫るパワーストライカーへと変貌を遂げたロンバード。BELLATOR無敗の看板を引っ提げUFCに参戦するも、1勝2敗で階級転向を決意しました。

2位 女子バンタム級
5分3ラウンド
青コーナー
サラ・カフマン
Sarah Kaufman
名前 ジェシカ・アイ
Jessica Eye
  ミドルネーム イーヴル(邪悪)
Evil
カナダ(ブリティッシュコロンビア 出身 USA(オハイオ
ズジェック・アルティメットMA 所属 ストロングスタイル・ファイトチーム
28歳 年齢 27歳
166cm 身長 166cm
良い調整、全場面で狙える打撃 スタイル グラップリング、一途さ
16-2-0 戦績 10-1-0


北米女子MMAの先駆者の一人で女子最高峰の「クラッシャー(壊し屋)」であるカフマン。完成されたテイクダウン&パウンドスタイルとフィジカルの高さを武器とし、熱い試合を展開する女子屈指の名勝負ファイターです。
「強力型戦闘隊」の刺青を背負う若き女傑「イーヴル」アイ(悪魔の瞳)。純度100%の闘争心を剥き出しにして襲い掛かるグラップラーで、常にアグレッシブな姿勢で優位なポジションを奪いに行く清々しい試合をする選手です。フィジカルに勝るカフマンの懐に入るのは容易ではありませんが、波乱を起こしてくれるアイの意外性に期待しています。

赤コーナー ライト級
5分3ラウンド
青コーナー
ジョージ・ソティロポロス
George Sotiropoulos
名前 KJ・ヌーンズ
KJ Noons
  ミドルネーム キング・カール
King Karl
オーストラリア(ビクトリア) 出身 USA(ハワイ)
アメリカン・トップチーム 所属 シティ・ボクシング
36歳 年齢 30歳
178cm 身長 178cm
バランスの良さ、強心臓、関節技 スタイル ボクシング、スタミナ
14-5-0 戦績 11-7-0


豪州が誇る「寝技乱気流(サブミッション・タービュレンス)」ソティロポロス。スラリと伸びた四肢から強力な関節技を繰り出す寝業師であり、ポジション獲りの速さも魅力です。
現在ソティロポロスは3連敗であり、その全てが打撃技術で差をつけられてのもの。トップ戦線浮上の為に求められているのは打撃で競り負けない力です。
キックボクサーの父カールの背中を見て育った「拳闘王」カール・ジェームズ・ヌーンズは空手、ボクシング、散打など数々の打撃系競技で華々しい実績を持つストライキング・マシーンです。打撃に偏ったスタイルであるが故に総合的な能力は高いとはいえず、距離感を掴めず負けることが最近は増えてきました。一級寝業師ソティロポロスとの闘いは彼のスタイルひいては生き様を証明する一戦でもあります。

オンライン・プレリミナリーカード

赤コーナー ウェルター
5分3ラウンド
青コーナー
TJ・ワルドバーガー
TJ Waldburger
名前 アドラン・アマゴフ
Adlan Amagov
  ミドルネーム ボルス(アナグマ
Borz
USA(テキサス) 出身 ロシア(チェチェン
グラップラーズ・レアー・ファイトチーム 所属 ジャクソンズMMA
25歳 年齢 27歳
180cm 身長 183cm
均等性、柔術茶帯 スタイル 打撃、パワー
16-7-0 戦績 12-2-1


「隠れ家の蛇」ワルドバーガー。彼の本拠地グラップラーズ・レアー(格闘家達の隠れ家)のコーチであるジョン・ムーアの娘シェイラと結婚し一児を授かったワルドバーガーは、一度組み付いたら離さない蛇のようにジリジリと相手を追い詰める寝技を身上とする寝技師です。
16の勝利のうち13が一本勝ちで、極めの強さは自他共に認める一級品。地元テキサスの声援を浴び万全の闘いを見せてくれるでしょう。
対するはアナグマの異名を持つアマゴフ。Borzは地域によっては「狼」の意味もあるのでこちらかも。
手数の多い打撃がメイン。MMAと並行してグラップリングにも参加し、NAGAで金メダルを獲得するなど寝技も上手い選手。なんでもそつなくこなしますが逆に言えば一点集中型に弱いともいえます。

赤コーナー ライト級
5分3ラウンド
青コーナー
トニー・ファーガソン
Tony Ferguson
名前 マイク・リオ
Mike Rio
エル・ククイ(伝統的なお化け)
El Cucuy
ミドルネーム ザ・ウルヴァリン(クズリ)
The Wolverine
USA(バージニア 出身 USA(ミシガン)
ナックルヘッズ・ボクシング 所属 ゼン柔術
29歳 年齢 32歳
183cm 身長 176cm
レスリング、ボクシング
グラウンド&パウンド、心身の調整
スタイル グラップリングレスリン
13-3-0 戦績 9-2-0


メキシコ伝統の子供さらいのお化け(ナマハゲに近い?)「エル・ククイの異名を取るファーガソンは、好戦的な打撃で相手を侵略する「壊し屋」。レスラー出身であり寝技でのパウンドや肘打ちも強烈です。
その風貌からマーヴルヒーローウルヴァリンの異名を受けるリオもまたレスラー出身であり、高速テイクダウンからのパウンドラッシュと関節技で攻めるグラップラーです。
共に高い実績を持つレスラーである二人(ファーガソンNCAAで二度のオールアメリカン選出、リオはNAIAで二度の優勝)ですが、「倒されず殴る」ファーガソンと「倒して潰す」リオという正反対のスタイルの激突となります。

赤コーナー フェザー級
5分3ラウンド
青コーナー
ジェレミー・ラーセン
Jeremy Larsen
名前 アンドレ・フィリ
Andre Fili
 
 
ミドルネーム タッチー(短気)
Touchy
USA(アリゾナ 出身 USA(カリフォルニア)
アリゾナ・コンバットスポーツ 所属 チーム・アルファメール
27歳 年齢 23歳
177cm 身長 176cm
打撃、強心臓、ケージワーク スタイル バランスの良さ、全てにおいて危険
8-4-0, 1NC 戦績 12-1-0


「殴り合い」という言葉が相応しい突進ファイトを展開するラーセン。爆発力がある分隙もあるスタイルが裏目に出てUFCでは0勝2敗と崖っぷち。試合内容は決して悪くないだけにもうひと踏ん張りしてほしいところです。
「タッチー(短期)」「フューリー(憤怒)」などのデンジャラスな異名を持つフィリ。ド髪天のモヒカンヘアーにピアスをつけ、異名の如く怒りを叩きつけるかのような激しい打撃を打ち込むファイターです。

赤コーナー バンタム級
5分3ラウンド
青コーナー
ダスティン・ペイグ
Dustin Pague
名前 堀口恭司
Kyoji Horiguchi
ザ・ディサイプル(信徒)
The Disciple
ミドルネーム  
 
USA(バージニア 出身 日本(群馬県
ディサイプル・MMAアカデミー 所属 クレイジー・ビー
26歳 年齢 22歳
175cm 身長 163cm
打撃、関節技 スタイル 激しい打ち合い、TDディフェンス
11-8-0 戦績 11-1-0


破天荒な言動の裏に敬虔なクリスチャンの一面も併せ持つ「ザ・ディサイプル(信徒)」ペイグ。戦闘モード全開の激しい打撃戦を好むグラップラーであり、得意の関節技のスピードと正確さも高いレベルにあります。長期戦になっても粘り強い精神力も魅力的。
才能溢れる日本の新世代「狂蜂(クレイジー・ビー)」堀口。小刻みなステップで飛び廻りパンチを突き刺していく姿はまさしく蜂のようで、伝統派空手のバックボーンを活かした戦法は異色のスタイルといえます。
堀口のスタイルが北米の正当スタイルであるペイグとどう噛み合うかが注目です。堀口のスタイルを支えている根幹に日本人離れしたリーチの長さとフィジカルの強さが上げられますが、そのどちらも上位にいるペイグにどう攻めていくのかが楽しみです。



赤コーナー 階級
5分3ラウンド
青コーナー
本名
Name
名前 本名
Name

Name
ミドルネーム
Name
出身
所属
年齢
cm 身長 cm
スタイル
0-0-0 戦績 0-0-0