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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

UFC選手紹介'14①「今週の無敗」続々登場!地元じゃ負け知らずなニューフェイス3人。


画像元(左):© 2014 COMBATE | MMAニュース より
画像元(中央):© 2014 TATAME | MMAニュース より
画像元(右):© 2014 UFC | UFC 175:イベントフォトギャラリー より

年はUFCの海外開催が増え、UFNシリーズ=海外開催シリーズなんじゃないかと思うくらいです。
同日開催or連日開催などもあり、今後もますます大会数は増えていきそう。
そんな中で各大会ごとに集まっていたUFC選手たちも散り散りになってしまい、10試合ほどを埋める為にどうしても新しい選手の契約をたくさんする必要があるようです。
そんなこんなで大収穫時代を迎えそうなUFC、毎大会のごとくプレリムに「戦績(ほぼ)無敗」の看板を引っ提げた選手が現れては、衝撃の勝利または散りっぷりをみせていく様はまさに「今週の無敗」といった感じで、「さぁ今週の無敗はどんな奴だろ?」みたいな視点で楽しんでいます(笑)
彼らの魅力はなんといっても全身からほとばしる「俺、最強!!」感につきます。自信の塊の
ような選手が思いっきり力を出しているのは爽快で、負けても「俺より強い奴がいたのか・・・」という感じで思いっきり落ち込むのでそれもまた魅力的だったりします。
今回はそんな魅力的な「今週の無敗」な選手たちから、お気にな3人をピックアップしました。
この3人がこれから連勝街道を登るか、はたまた派手に散ってしまうのか。それも楽しみですね。
上の画像の左から順番に紹介しています。

アレックス・ホワイト 〔チーム・デストラクション〕
アメリカ国籍(25歳 '88年10月22日生) "ザ・スパルタン"
タスカンビア(ミズーリ アメリカ)→ファーミントン(ミズーリ アメリカ)出身
H.182cm-W.145lb(フェザー級)-R.182cm
UFC契約までの戦績…7勝0敗(3KO,5SUB,1DEC)
UFCでの戦績…1勝1敗(1KO,0SUB,0DEC)
メリカ中西部のミズーリ州産まれのホワイトは、若さ溢れるフィジカルとボクシングベースの強力な打撃を持ち、ストレートパンチのラッシュ×変則回転打撃の波状攻撃で相手を粉砕する超攻撃型ストライカです。
相手を威嚇しながら0距離に踏み込み、双方ダメージ必至の大乱闘を繰り広げる非常にスリリングな選手です。それを笑顔でこなす非常にタフな闘争心も魅力です。
ホワイトは吃音症を患っています。幼児期に不幸な事故でガソリンを飲んでしまい、声帯を焼いてしまったからです。そのために思春期は辛い思いをする事も多々あったそうです。
しかし、高校卒業後にマクドナルドでアルバイトをはじめた頃、近隣にあったトレーニングセンターを見つけます。ブルース・リージャッキー・チェンに憧れを持っていたホワイトは、19歳で初めて格闘スポーツに足を踏み入れました。
そこから一気に才能を開花させたホワイトは、アマチュアボクシング&ノーギ&ムエタイMMAで連勝街道を突き進みます。'10年にはついにMMAプロデビュー。新人離れしたボクシングテクニックとフィジカルを爆発させ、一気に9連勝。特にTitan FC26('13,8,30)でのロイ・バブコックとの壮絶な打撃戦では、鮮烈なパウンドアウトでTKO勝利しています。プロボクシングでも1勝を上げた時、UFCから負傷したマイク・ブラウンの代役として白羽の矢が当たります。
ホワイトはFOX11(4,19)エステヴァン・パーヤンと対戦。パーヤンの長いリーチから繰り出されるフックを何度か被弾するも、左ストレートを打ち下がらせてからバックブロー→左ストレートでダウンを奪いパウンドアウト。UFCデビュー戦で衝撃を与えました。
続くUFN45(7,14)ではルーカス・マルチンスと対戦。互角以上のフィジカル&得意の踏み込みに正確にカウンターを合わせるマルチンスのムエタイスタイルに苦戦を強いられるホワイトは1Rを取られますが、2Rには距離を取り戻すと、またもやバックブローからのストレートでダウンを取り、ラウンドを取り返します。3Rにも持ち前の気質で果敢に踏み込みますが、カウンターのワンツーを喰らいダウン。初のKO負けを喫していましました。
敗れはしたものの、ラウンドを取り返した強い精神力は魅力的です。踏み込みを読まれてカウンターを何度も合わせられてしまったことがKO負けに繋がりましたし、次戦はよりリーチを活かした狙撃&踏み込み時のディフェンスを強化してカムバックをしてほしいです。マルチンスの打撃をダッキングで掻い潜り、強烈なボディを打ち込んだシーンは非常に格好良かったです。
ホワイトの左胸には「HEADSTRONG(ヘッドストロング)」という刺青が彫られています。「頑固者」という意味にも取られますが、現在では「誰にも踏みにじられず、信じるものの為に立ち上がる」精神力の強さを表す言葉なのだそうです。「スパルタン(勇敢)」である彼にピッタリな言葉ですね!

カルロス・ディエゴ・フェヘイラ 〔ジェームズ・クーパーMMA/チーム・フェヘイラ〕
ブラジル国籍(29歳 '85年月1日18生) ""
マナウス(アマゾナス ブラジル)→マッカレン(テキサス アメリカ)出身
H.175cm-W.155lb(ライト級)-R.187cm
UFC契約までの戦績…9勝0敗(0KO,5SUB,4DEC)
UFCでの戦績…1勝0敗(0KO,1SUB,0DEC)
文字から「CDF」の愛称でも呼ばれるカルロスは、カポエイラ仕込みの鮮やかな回転蹴りと、ファウスティーノ・ピニャに師事した極めの強い速攻の寝技を組み合わせて戦う可変型グラップラーです。
あくまでも関節技によるフィニッシュをベースとしながら、長い脚を自在に動かし広い制空権で冷静に戦い、また時には真っ向パンチの打ち合いにも応じるなど、状況に応じてスタイルを変化させつつ戦えるのが強みです。
マナウスでサッカーとカポエイラに明け暮れていたカルロスは、10歳の時にブラジリアン柔術の世界に足を踏み入れます。18歳の時にはすでに黒帯を腰に巻き、より広い舞台をめざし2008年にカリフォルニアへ渡米。テキサスに移住すると2011年までに数々のアマチュア柔術大会で好成績を収めます。
その後MMAに情熱を移したカルロスは、MMAプロデビューを果たします。2012年までに無敗の6連勝を重ね、アメリカ南部有数のMMA団体、Legacy FCと契約。Legacy FC20('13,5,31)ではカルロ・プレイターの攻撃をいなし裸締め→腕十字→ヒールフックの波状攻撃や払い腰投げで翻弄し堂々とした判定勝利。Legacy FC25('13,11,15)にはLFCライト級王者ジョルジュ・"マカコ"・パチーノに挑戦し、距離を詰めて打ち合いを挑むマカコに圧されかけながらも、カポエイラ仕込みの回転蹴りで距離を取り戻し、膝蹴りとフックでダウンを奪うなど徐々に逆転して5ラウンドを戦い切り判定勝利。LFCライト級のベルトを腰に巻いた所でUFCから白羽の矢が当たります。
第二の故郷テキサス開催のUFN44(6,28)にてコルトン・スミスと対戦したカルロスは、ここでも払い腰投げで豪快にテイクダウンし、即座に裸締めを極めて一本勝ちし、完勝でUFCデビューを果たしました。
相手に呼応しつつ自分の有利なスタイルを選んで戦うカルロスは、相手を翻弄し徐々にコントロールすることに長けています。また5ラウンドを通して自分から動き続ける運動量も、スクランブルの強みに活きていると感じます。
但し今後は逆にその器用さがスペシャリストの世界でマイナスになる可能性がある気がします。とくにパンチの打ち合いに置いては基本スウェーorクリンチで凌いでいる現状からディフェンスを高めなければ、プレッシャーで圧し負ける可能性はありそうです。フィジカルで動きを固められた時の対処法も気になりますね。
次戦の相手はラムジー・ニジェム。いよいよUFCらしい強い相手との戦いが迫り、その可変スタイルの真価が問われようとしています。

ロブ・フォント 〔チーム・シットヨートン〕
アメリカ国籍(27歳 '87年1月25日生) ""
タンパ(フロリダ アメリカ)→サマービルマサチューセッツ アメリカ)出身
H.172cm-W.135lb(バンタム級)-R.181cm
UFC契約までの戦績…10勝1敗(3KO,3SUB,4DEC)
UFCでの戦績…1勝0敗(1KO,0SUB,0DEC)
大なムエタイ指導者である故ヨートン・セナナーンの創設した名門ジムに所属するロバート・フォントは、相手を翻弄する細かなステップワークから一撃必殺のロングフックを放つ速攻型ストライカです。その構えはムエタイを訪仏させるアップライトながら、細かな体重移動と柔軟なディフェンスにより完全にMMAにアジャストされているといえます。
フォントは彼を献身的にサポートしてくれた彼女と共に、アメリカの南端フロリダ州から北東部ニューイングランド地方のマサチューセッツ州へと移住しました。その移住先で現在のチームに出会い、MMAキャリアをスタートさせます。幼少期からスポーツ選手になる夢を持っていたフォントは、移住と共にMMAファイターとなる決心をしたのだそうです。
'11年にMMAプロデビューしたフォントは、1敗を挟んで10勝をマークします。CES 18('13,8,9)ではクリス・フォスターのテイクダウンを堪え切り踏み込みからアッパーを効かせると、膝蹴りとパンチのラッシュでケージに磔にして壮絶なTKO勝利でCESフェザー級王者になります。CES23(4,25)でのトリスタン・ジョンソン戦では、長身のジョンソンの激しいプレッシャーとラッシュを掻い潜ると、踏み込みからの右ストレートを炸裂させてKO勝利。この勝利でUFCへの切符を手に入れました。
UFCではフェザー級からバンタム級に転向、UFC175(7,5)にてジョージ・ループと対戦します。長身のループが放つローキックとジャブを掻い潜りながら、伝家の宝刀の踏み込みからの右フックを炸裂。ループを粉砕し完全KO勝利で鮮烈なデビューを飾りました。
安定したディフェンスから必殺の一撃を繰り出すフォント。その秘密はやはり身長より10cm長いリーチではないでしょうか。被弾したどの選手も完全に意識の外からパンチを喰らっているように見え、対峙するとかなり目算が狂ってしまうのかもしれません。ディフェンシブで無駄打ちをしないのも、鮮やかなKO勝利に一役買っているのだと思います。
ネックとしてはグラップリングでしょうか。打撃戦では安定したディフェンスを見せるフォントも、ループに組み付かれたときはフィジカルの差を感じさせました。ループは長身といえどそこまでテイクダウンを得意とする選手ではないことも考えると、今後テイクダウンを狙われる可能性は高いでしょう。次戦はクリス・ビールとの新鋭ストライカー対決ですが、ここを凌いだ先にグラップリングの展開も観れることを期待しています。
ちなみにフロリダ州時代はピザ屋のアルバイトをしていて、彼女ともその時に出会ったとか。MMAファイターにならなければ消防士になりたかったそうです。爽やかなナイスガイの活躍に期待したいです!

る意味玉石混交な時代になっているUFCですが、上記の3人以外にも魅力的な選手が集まってきているように感じます。
とくにプレリムは戦国時代。
TUFを卒業した「TUFエリート組」
無敗街道まっしぐらで契約した「俺、最強!組」
粘りに粘って残留し続ける「プレリム・ベテラン組」
新たなスタイルと共に返り咲いてきた「カムバック組」
といったメンバーによる熾烈な生き残りが繰り広げられており、メインへの出場権争いはますます熾烈なものになりそうです。
新しい国からの参戦選手も増えており、UFC海外進出計画によるごちゃまぜ感を楽しんでいきたいです。





本名 〔チーム〕
国籍(歳 '年月日生) ""
( )→( )出身
H.cm-W.lb(級)-R.cm
UFC契約までの戦績…0勝0敗(0KO,0SUB,0DEC)
UFCでの戦績…0勝0敗(0KO,0SUB,0DEC)