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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

修斗インフィニティリーグ2016 選手紹介&歴代選手一覧【5つの個性、∞の未来。】



修斗インフィニティシリーズは2012年より修斗で継続導入されている制度です。
修斗の次期コンテンダー候補決定戦の意味合いがあり、同時にコンテンダーとしての実力を持ちながらも中々チャンスに恵まれない選手に光を当てる意味合いもあると感じます。
初期は8人制トーナメントでしたが、現在は参加選手を5人に絞り、年間を通して総当たりをしてポイントを競い合いうリーグ制で行われています。

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修斗インフィニティリーグ2016
制度:5人制リーグ
階級:MMAフライ級(修斗バンタム級
形式:総当たり戦(全10試合)
ルール:5分2ラウンド(延長戦無し)
ポイント:最大16ポイント
1Rフィニッシュ(KO or SUB)...4ポイント、2Rフィニッシュ...3ポイント、
判定その他(不戦勝、反則勝ち等)...2ポイント、ドロー...1ポイント、敗戦...全て0ポイント
年間を通して総当たり戦を行い、最終ポイントの一番高い者が優勝となる。
最高得点が同点であった場合は、直接対決で勝っている者を優勝者とする。

今年のインフィニティリーグは出場ファイター中4人がストライカーで、残る1人がグラップラーというなかなか面白い構図になっています!
ストライカー4人も「パワー」「突貫力」「制空権」「俊敏さ」というそれぞれの個性があり、そこに残る1人の「粘り強い」グラップラーがどう絡むかという勝負論のあるメンバーが揃ったと感じます。
歴代インフィニティリーグでも一番面白い顔合わせになったのではないでしょうか!
これも2012年から継続してこのシリーズを続けて来た、積み重ねの成果だと思いますね~。
以下は、出場選手について紹介です!!

梶川卓 かじかわ たく
出身:日本(JPN)青森県 青森市
所属:Scar Fist(スカーフィスト)
スタンス:オーソドックス
主な特徴:攻撃性、独特のプレッシャー
得意技:右フック、ミドルキック

青森県出身のパワーファイター。リーグでは「パワー」に秀でる。
試合内外に関わらず絶叫する激情家で、絶え間なく圧力をかける乱打戦を得意とする。
尻上がりに回転数が上がるフックと、恐れ知らずの独特の踏み込みで試合を支配する。
やや後半戦にガス欠が見られがちだが、全局面で試合を引っ繰り返せるフィジカルと攻撃性の持ち主。
昨年は猿田"飛猿"洋祐にテイクダウンで光を消されており、リーグでは戦術面での選択肢の進化に注目したい。

北原史寛 きたはら ふみひろ
出身:日本(JPN)北海道 常呂郡
所属:Paraestra Sapporo(パラエストラ札幌)
スタンス:サウスポー
競技経験:柔道
主な特徴:粘り強い寝技、ポジショニング
得意技:裸締め、アームバー

北海道出身のグラップラー。リーグでは「粘り強さ」に秀でる。
カウンターのテイクダウンから、相手の動きに合わせて抑え込む寝技に長ける。
テイクダウンへ繋ぐ四つ組みも力強く、粘り強いテイクダウンへのプレッシャーで相手の光を消し、試合を支配する。
昨年は鈴木"ランボー"宏輔に得意のテイクダウンを防がれ、打撃戦で優勢を許す。
ストライカーが揃った今回のリーグでは唯一人のグラップラー
リーグ戦では寝技の強さ、そしてテイクダウンが出来ない場面での打撃面での成長にも注目したい。

征矢貴 そや たかき
出身:日本(JPN)千葉県松戸市
所属:Paraestra Matsudo(パラエストラ松戸)
スタンス:オーソドックス
競技経験:ボクシング
主な特徴:純性の突貫力、KOパワー
得意技:右ストレート、アッパー

千葉県出身のハードストライカー。リーグでは「突貫力」に秀でる。
フィジカルの強さとボクシング技術が組み合わさった、突貫力の強さを最大の武器とする。
ウェービング&ダッキングでグイグイとにじり寄り、至近距離からの強打でKOを狙う。
ディフェンスの反応も早く、やや崩れた体勢からでも強打を放てるのも特徴的。
戦略面の柔軟さにやや課題があるものの、純粋な突貫力で相手を突き崩せる力を持つ。
昨年は前田吉朗を相手に光る場面を作るものの、総合力で上回られ抑え込まれる。
リーグ戦では戦略面の進化は勿論の事、多様なストライカーの中で、ハードパンチャーとしてのスタイルを貫き通せるかにも期待したい。

藤田寿大 ふじた かずき
ニックネーム:Keon(ケオン)
出身:日本(JPN)東京都 品川区
所属:Abe Ani Combat Club(アベ・アニ・コンバットクラブ)
スタンス:オーソドックス
競技経験:空手
主な特徴:痩身と長い手足から繰り出す打撃技
得意技:前蹴り、膝蹴り

東京都出身のストライカー。リーグでは「制空権」に秀でる。
スラリと伸びた痩身と手足を活かした、空手仕込みの遠距離打撃の持ち主。
縦構えからの前蹴り&右ロングフックを遠距離から打ち込み、相手を下がらせ制空権を維持して試合を支配する。
やや懐に入られると打撃戦で脆さを見せるものの、飛び膝蹴りなどトリッキーな技でも相手を突き放せるアドバンテージの持ち主。
昨年は渡辺明伸に懐に詰め込まれて右フックでKOされる。
リーグでは制空権を活かす打撃戦だけでなく、懐に入られた時の進化に期待したい。
ニックネームの由来は不明だが○○○に由来するらしい。もしかしてアニm

山本忠昭 やまもと ただあき
ニックネーム:Onibozu(オニボウズ)
出身:日本(JPN)高知県 高知市
所属:Gonzui's Gym(ゴンズジム)
スタンス:オーソドックス
主な特徴:素早いステップワークからの強打、打撃のディフェンス
得意技:右オーバーハンドフック

高知県出身のストライカー。リーグでは「俊敏さ」に秀でる。
鮮やかなステップ&ディフェンスワークと、そこから間隙を縫って叩き込む強打が持ち味。
ナチュラルボディが生み出す俊敏さで攪乱し、確実な攻撃で機先を制して試合を支配する。
ディフェンシブなスタイル故に後半のポイント勝負で伸び悩むものの、最後まで真っ向勝負を貫くファイトスピリッツの持ち主。
2013年までは一階級下のMMAストロー級修斗フライ級)で闘い、階級を上げたものの本リーグまで勝ち星は無し。
リーグではフィジカルに勝るであろう他の4人に対し、持ち前のスピードで攪乱するのは勿論、後半戦で圧し込まれた時の進化にも期待したい。
ニックネームは自分より大きな魚を一飲みにする深海魚「オニボウズギス」に由来する。

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…以上、5人の個性溢れるインフィニティ(∞=無限大)ファイター達の紹介でした!!
リーグ優勝者や好成績を収めた選手は、王座を競う菅原雅顕(すがわら まさあき、現王者)や扇久保博正(おうぎくぼ ひろまさ、次期挑戦者)たちとの対戦が待っているでしょう。
それぞれの個性を最大限に発揮し、今までの壁を越えるアツい試合を期待しています!

ちなみに、本リーグは試合が2Rしかないという唯一のネックがあります。
連戦する選手の健康を考えれば仕方ないと思いますが、それでもこのメンバーなら3Rでの凌ぎ合いを観たい!というのが正直なところです。
事実すでに行われた初戦の征矢vs.山本では、「俊敏さ」の山本が試合をリードしながらも、徐々に「突貫力」の征矢が流れを掴み始めるという一番良い所で試合が終了しました。
結果は山本が確かな判定勝利を手にしましたが、征矢のプレッシャーが効いてきていた為3Rがあればまた違った展開が起こったかもしれない試合でした。
でも、それはコンテンダーになってからのお預けという事なのかもしれませんね。
もっと上の舞台で、二人の3Rでの再戦を観たいと思います。

次戦は3月21日後楽園、「パワー」の梶川と「粘り強さ」の北原の打撃vs.寝技戦。
「制空権」の藤田は4月23日舞浜で「俊敏さ」の山本と対戦します。
「突貫力」の征矢は5月28日新宿で「粘り強さ」の北原との削り合いが予定されています。
あちこちの地方、合計8会場で分散して行われる為、全ての試合をチェックするというのはかなり難しいですが、公式サイトには対戦予定が網羅されているので、興味のある「個性」対決を狙って観戦に行くというのもアリな気がします!
修斗の今後を占うであろう本リーグが良い結果を生む事を期待しています!!!

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以下は簡単ながら過去のインフィニティ・シリーズの紹介です。
現在修斗のコンテンダーとして活躍している選手もチラホラいますね~!

修斗インフィニティリーグ2015
制度:5人制リーグ
階級:MMAバンタム級修斗フェザー級
形式:総当たり戦(全10試合)


優勝:小蒼卓也 おぐら たくや 12ポイント
準優勝:岡田遼 おかだ りょう 11ポイント
3位:大橋誠 おおはし まこと 8ポイント
4位:前田貴史 まえだ たかし 1ポイント
4位:金海裕輝 かなうみ ゆうき 1ポイント
小倉が2012年に続くインフィニティ再挑戦で見事優勝。
現コンテンダー竹中大地との王座戦へ挑みます。
岡田は大橋戦のドローにより準優勝となりましたが、安定した強さを見せました。
次戦はレジェンド鈴木"徹肌ィ郎"の復帰戦の相手を務めます。
大橋は3位になりましたが、要所要所で強さを見せてリーグを盛り上げました。
前田&金海のストライカー組はアグレッシブに攻めたものの、他3人との総合力の差が出た印象でした。この結果を経ての進化にも期待したいですね。

修斗インフィニティリーグ2014
制度:5人制リーグ
階級:MMAフェザー級修斗ライト級)、MMAストロー級修斗フライ級)
形式:総当たり戦(全10試合)
※当年から8人制トーナメントから5人制リーグへと変更になった。


MMAフェザー級修斗ライト級)部門
優勝:斎藤裕 さいとう ゆたか 9ポイント
準優勝:太田拓巳 おおた たくみ 8ポイント
3位:城田和秀 しろた かずひで 5ポイント
4位:藤田博晃 ふじた ひろあき 3ポイント
5位:地浜敏郎 ちはま としろう 0ポイント
※地浜は頸椎の負傷により途中棄権。城田、斎藤、藤田の3名が不戦勝(2ポイント)。
伝統派空手ベースのヒット&アウェイ戦法を用いる斎藤が優勝。
斎藤は中村"Jr."好史との二度の接戦を制して一気に世界王者になりました。
初防衛戦は負傷により流れた大澤茂樹戦でしょうか。
グラップラーの太田は後半に伸び悩み、惜しくも準優勝。城田と藤田"ブロディ"も頑張りを見せました。地浜は本領を発揮する前での離脱となり、その後も試合をしていない為心配ですね…。

MMAストロー級修斗フライ級)部門
優勝:黒澤亮平 くろさわ りょうへい  9ポイント
準優勝:澤田龍人 さわだ りゅうと 9ポイント
3位:加藤昌良 かとう まさよし 4ポイント
4位:竹内篤志 たけうち あつし 2ポイント
5位:飯野健夫 いいの たてお 1ポイント
※黒澤と澤田がポイント同数、直接対決で黒澤が勝利しているため優勝者に。
※加藤vs.飯野は飯野が目の負傷により欠場し、加藤が不戦勝(2ポイント)。
"飛鳥拳"のニックネームをとる黒澤&当時18歳の澤田が同数ゴールイン。
優勝者の黒澤は"猿丸"伊藤淳二の対戦を希望したものの、猿丸戦でKO負けしコンテンダーから後退。
澤田も正城悠樹にKO勝利し内藤"のび太"禎貴の王座へ挑戦するも、無念の一本負け。
共にトップコンテンダーの壁に跳ね返される形になりました。再挑戦に期待です。
"マッチョ・ザ・バタフライ"加藤&"ジェット"飯野は地道に勝利を重ね、直接対決が決定。
40歳越えのレジェンド、"ATCHアナーキー"竹内は戦線離脱中。動向が気になりますね~。

修斗インフィニティトーナメント2013
制度:8人制トーナメント
階級:MMAライト級(修斗ウェルター級)
形式:勝ち残り戦(全7試合)


優勝:大澤伸光 おおさわ のぶみつ
準優勝:西岡耕治 にしおか こうじ
3位:上田裕 うえだ ゆたか
3位;藤巻優 ふじまき ゆう
5位:鈴木貴裕 すずき たかひろ
5位:鈴木淑徳 すずき よしのり
5位:小林孝至 こばやし たかゆき
5位:高橋圭典 たかはし よしのり
強打で優勝した大澤"大尊"伸光は、佐々木信治への王座挑戦でKO勝ちし王座を戴冠。
初防衛戦で松本光史に判定負けするも、フェザー級へ転向し活躍しています。
昨年はリアリティ番組「Road to UFC:Japan」にも出演し、激しい試合&明るいキャラクターで同番組を盛り上げました。
大澤と一回戦で好勝負を繰り広げたのは鈴木"ジャイアン"貴裕。
現在も内藤"のび太"禎貴とのコンビ芸&熱い試合で会場を沸かせています。
藤巻は戦場をZSTに移して活躍中です。

修斗インフィニティトーナメント2012
制度:8人制トーナメント
階級:MMAフライ級(修斗バンタム級)、MMAバンタム級修斗フェザー級
形式:勝ち残り戦(全7試合)


MMAフライ級(修斗バンタム級
優勝:猿田洋祐 さるた ようすけ
準優勝:戸澤真澄美 とざわ ますみ
3位:西後祐樹 にしご ゆうき
3位:鈴木宏輔 すずき こうすけ
5位:大里洋志 おおさと ひろし
5位:渡辺明伸 わたなべ あきのぶ
5位:村田一着 むらた いっちゃく
5位:高野祥之 たかの よしゆき
※戸澤vs.渡辺の一回戦はドロー、優勢で戸澤が準決勝進出。
優勝した猿田...(当時は「飛猿☆No.2(とびざる)」というニックネームでした)は、世界王座挑戦や他団体への出場等を経て、現在も修斗コンテンダーの一角として活躍しています。
ベスト3の鈴木"ランボー"宏輔は新鋭の壁として活躍し、次戦は前田吉朗との大一番です。
大里洋志や"のぶ"渡辺明伸も修斗現役で活躍していますね。

MMAバンタム級修斗フェザー級
優勝:山本賢治 やまもと けんじ
準優勝:小野島恒太 おのじま こうた
3位:江田皓哉 えだ こうすけ
3位:根津優太 ねづ ゆうた
5位:細井鷹飛呂 ほそい たかひろ
5位:Won Seok Jung ジョン・ウォンソク
5位:大道翔貴 おおみち しょうき
5位:小蒼卓也 おぐら たくや
優勝者の山本は佐々木憂流迦との王座戦に挑むも無念のKO負け。現在は戦線離脱中。
小野島&根津は後に王座を懸けて再戦し、激しい打撃戦を根津が制して王座戴冠。
リベンジを果たした根津は、韓国MMAのRoad FCにも出場し活躍しています。
江田や大道は苦戦が続くものの、諦めずにMMAファイターとしての活躍を続けています。