クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【日本MMA】1~3位 ザ・グレーテストファイト・オブ・ジャパン2016【名勝負】

 

 

2017年も残すところ1ヶ月となりましたね~(早いなぁ)

と、いうわけで!(どういうわけだ)

2016年に日本MMAで最高に燃えさせて貰った試合の数々…

ザ・グレーテストファイトファイト・オブ・ジャパン2016 (The Greatest Fight of Japan 2016)

の、感想ランキングです!

2017年ではなく2016年です。去年です。

 

2016年は、UFC日本大会が開催されず結果的に「間隙の年」となりましたね~。

そのぶん日本MMAをしっかり観直してみたいな~と思い立ったので、書いてみた感じです。(一年かかってしまいました…)

 

このランキングは2013年に作った以来、毎年作り途中で断念してきたわけですけども(´;ω;`)

今回やっと書けたのでわたしは満足です!(まんぞく~)

まぁ今回も10試合に絞れてないんですけども!⊂⌒~⊃。Д。)⊃ムリジャー

よかったら読んでいって下さいね~ノシ

 

ホントは1~10位を1ページにまとめるつもりだったんですけども…

文字制限でどーにもならなかったので、泣く泣く分けました(もったいぶってるみたいだなぁ泣)

 

1~3位本ページに。

 

4~6位こちらのページに。

 

8~10位こちらのページに。

 

それぞれ分けて書きました!!

面倒な方式ですみません(泣)

 

 

それでは、1位、2位、3位です!!

いろいろ試合以外の事も長く書いちゃってますけれども、これでも削りました…;;;

よろしくお願いします!!!!

 

 

1位

 

伊藤盛一郎vs.内藤頌貴

Seiichiro Ito vs. Nobutaka Naito

[MMAフライ級 5分3ラウンド]

2016年11月3日(日)  「Grandslum 5 -Ito vs. Naito-」ディファ有明(東京都)

「証明の一戦」に挑み、限界点を突破!若き「原石」同士による、日本MMA試金石の一戦。

MMAにおいて、自らの戦術・規格・精神性を試される「証明の一戦」は、キャリアを左右する転機となりうる試合です。

「証明の一戦」で競り合い、限界点を超える事ができた選手は「筋金入り」の強さとなり、飛躍的に上昇する事があります。

この一戦、まずZSTという「箱庭」から出て「大海」に挑んだ伊藤、そして「大海」として「未知の強さ」を迎え撃った内藤に拍手です。

その上で、この両者は限界点を超え、素晴らしい競り合いの末に無二の輝きを魅せてくれました!!!

 

試合序盤、内藤のバックステップからのストレート&ロングフックが次々とヒットし、ダウンを奪われる伊藤。

伊藤は圧力をかけるもTDを切られ、戦闘経験の差を見せる内容で内藤がリードします。

しかし、この危機を耐えきった伊藤は2Rになると被弾覚悟の接近からフックを放ち、タフさとフィジカルを盾に巻き返していきます。

逆に内藤は的確に打撃を当てるもダメージを与えきれず消耗し、伊藤が連打で逆転のダウンを取り返します。

しかし、今度は内藤がこれを凌ぎ、力を振り絞り反撃。これを被弾した伊藤も足元がおぼつかなくなる泥沼の様相を見せます。

最後は右ので撃ち合いで崩れた内藤に、伊藤の渾身のニンジャチョークが極まり2R終了ブザー。

終了と共に力尽きていた内藤を見て、レフェリーストップで伊藤が「証明」の勝利を挙げました。

 

この試合、伊藤は多様な戦闘経験の足りなさからくる大きな隙や危機をたくさん見せました。

同時に、内藤も技術だけでない、フィニッシュしきる力の差によりあと一歩の勝利を掴み切れませんでした。

しかし、MMAの試合ではどれだけ強くなろうとも、必ずいつか「規格外」「意識外」「常識外」の危機と直面します。

そこに立ち向かえない、そこに対処できないという事は、即ち「格上に勝てない」という事実に直結するのだと思います。

だからこそ、この「証明の一戦」に立ち向かい、限界点を打ち破った両者に、わたしは万雷の感動を禁じ得ません。

 

伊藤はこの試合ののち、尊敬する所英男と共に戦い、更にそれを超える試合を魅せています。

内藤も負傷により長期欠場となるも、復帰戦では見事なストライキングの向上を魅せKO勝利を飾りました。

これからも両者が「未知」に立ち向かい、その限界点を乗り越えて行く試合を観れる事を願っています!

 

同時に、二人に「証明の場」を用意してくれたプロモーションのGrandslumにも感謝です。

この大会はZST…伊藤が明確なホームでしたが、だからこそホームの選手を信じて、厳しい戦いに送り出してくれた事は英断でした。

試合においても、内藤がアイポーク&金的を受けてしまう二度の事故がありましたが、平等な試合運営をしてくれていました。

加藤や柏崎、関といったZST王者たちが「大海」を臨み出したのは、この伊藤の勝利の余波もあるのかもしれませんね

プロモーションの「懸け橋」となってくれたGrandslumにも拍手です!!!

 

グレーテストファイト!!!!

 

 

2位

 

中村優作vs.ローレンス・ディジュリオ

Yusaku Nakamura vs. Lawrence Diguilio

[MMAフライ級 5分3ラウンド]

2016年2月7日(日) 「WSOF-GC 2 Japan -Erokhin vs. Cash-」 TDCホール(東京都)

[WSOF-GC MMAフライ級チャンピオンシップ 5分5ラウンド]

2016年12月17日(土) 「Deep Cage Impact 2016 & WSOF-GC 4 -Nagakura vs. Imanari-」 ディファ有明(東京都)

合計8ラウンド、計40分間の死闘。二度のデッドヒートで火花散る、ハイグレードな異種ストライカー神経戦。

海外選手を招集し行われる日本vs.世界の「国際戦」にて、最も勝負の妙を感じさせてくれた一戦、いや「二戦」です。

WSOF-GC日本大会にて、アメリカ中西部MMAから生粋の強打者ディジュリオが来日。

メジャー進出を狙う"日拳大蛇"中村との試合は、お互いの強打がヒットし合う激しい打撃戦となりました。

試合は僅差で中村の勝利となったものの、WSOF-GCで開催されたフライ級4人制王座決定トーナメントで両者は共に勝利。

年末のWSOF-GC&Deepの共同開催大会にて、王座を懸けたトーナメント決勝戦として再び両者は相まみえたのでした。

 

近中距離からのフックを狙うディジュリオに対し、遠距離からのカウンターストレート&フックの大砲を放つ中村。

得意なレンジを奪い合う緊張感のある両者の戦いは、一戦目は5分3R(15分)、二戦目は5分5R(25分)として行われました。

合計すると5分8R(40分)!現在の日本MMAにて、一年内にこれほど同じ選手と打撃戦を続けた国際戦は少ないと感じます。

 

一戦目は中村の日本拳法をルーツとする長打がディジュリオを翻弄する所から始まりました。

ミドルレンジに踏み込みワンツーで打撃戦に持ち込もうとするディジュリオを、中村は多様なカウンターを被せて近寄らせません。

対してディジュリオは徐々に軌道を読み、中村のカウンターに合わせさらに潜り込み高回転のフックで対抗します。

猛打戦は序盤を中村、後半をディジュリオがリードする形になり、拮抗した試合でした。

中村は跳び膝蹴りやローも効果的に散らし、それが判定勝利につながったように感じました。

 

一戦目に対し、二戦目は中村がパンチをあまり撃たず蹴りを放ち、ディジュリオがケージに詰め追撃する展開でした。

一戦目と二戦目、大きく違うのはディジュリオの遠距離からの踏み込みを変化させた「日拳カウンター封じ」です。

ディジュリオは、一戦目は遠距離からフックでミドルレンジに「入ろう」としていました。

対して二戦目は一戦目より距離を離し、ミドルレンジに「入ると同時」に中村のカウンターを迎撃するリアロングフックを仕掛けています。

その結果、中村は「カウンターのカウンター」を警戒し、遠距離の射程で当てられる蹴りで圧力を離す事を強いられていました。

 

後半にかけてガス欠していく中村に対し、ディジュリオは徐々に強振で顎を捉え、3Rにはギロチンチョークを深く極めます。

脱出した中村ですが消耗は激しく、その後は反撃を放ちつつもディジュリオの強打に大きく体を揺らしていく場面が増えました。

一方でディジュリオは遠距離で蹴りのカットを殆どせず、ほぼ「撃たせて、撃つ」を徹底していました。

その結果、ローやミドルの被弾が多く、結果的にここが判定に響く形で中村が判定で支持を受けました。

ちなみにわたしは離れ際の当たりだったものの顎を捉えた打撃だったので、1R中村、2345Rディジュリオのラウンドだと思いました。

一戦目も二戦目も、ジャッジ次第で勝敗が変わり得る僅差の試合だったと感じますね~。(まぁユニファイドじゃないかもですけど;)

 

惜しくも敗れてしまったディジュリオですが、素晴らしいインファイトボックスを魅せてくれました。

ディジュリオだけでなく、日本に来てくれて、試合をしてくれる海外選手の方々には、いつも感謝ですb

 

その後二人は活躍を続けるも、中村はPXC王者ライリー・ドゥトゥロに、ディジュリオは元CFFC王者ショーン・サンテラに完敗。

共に厳しい敗戦になりましたが、素晴らしいテクニックとハートをもった両者の復帰に期待したいです!!

 

 

3位

 

井上直樹vs.南出剛

Naoki Inoue vs. Go Minamide

[MMAフライ級 5分2ラウンド]

8月27日(土) 「Deep 77 Impact & Deep Jewels 13 -Nakanishi vs. Hasegawa-」 ディファ有明(東京都)

三河vs.紀州の新鋭ストライカーが激突!更なる成長を経た二人の「決着戦」に期待大。

本試合はDeepのプレリムで行われましたが、2016年の日本MMAでも有数のストライカー戦だったと感じます。

井上(姉はInvicta FCで活躍する井上瑞樹)は空手ルーツの長身ストライカーで、寝技も長い手足を使った立体的な攻めを魅せます。

南出はGladiatorのエースであり、多彩な蹴り技と優れたMMAキックボクシングを持ち、より純正のストライカーです。

 

試合は井上弟がリードする形で始まります。

井上は上体を揺らしフェイントで圧力をかけつつ鋭く長いロー&膝蹴りを放ち、警戒すればワンツーを放つ二択で攻めていきます。

対する南出もアウトステップからハイ&ローを打ち、井上のTDを挿して切りディフェンスしてます。

序盤を蹴りの間合いで測り合った両者は、1R後半にかけて徐々に距離を詰めたボクシング戦へとフィールドを変化させます。

南出がストレートから繋げるリードフックを放てば、井上はそのストレートにカウンターチョップを被せ、激しく拳が交差します。

2Rに突入すると、井上はヘッドスリップで南出を下がらせつつ、追撃のジャブ&ストレート&ミドルの連撃で圧力をかけ続けます。

対する南出も井上の長打を読み、ダックインしてリード&リアクロスカウンターで強打をヒットさせ、反撃していきます。

最後はカウンターで前のめりに倒れた南出を井上が捕まえ寝技に行った状態で、試合終了のブザーが鳴りました。

 

優れたフィジカルとリーチ、そして全体を通して徹底してブレのない完成度でレンジを支配し続けた井上。

対して、素早いディフェンスで決定打を避け、優れた観察眼と爆発力のある強打で反撃し続けた南出。

拮抗した試合であったと感じますし、両者ともに決定打をディフェンスしつつ、打撃を交差し続ける攻防は観ごたえがありました。

惜しむらくは、南出がカウンターを合わせ、井上も寝技の引き出しを出しかけた2Rで試合が終わってしまった事ですね~;

勝敗を決定づけたかもしれない3Rが観たかったというのも、正直な感想です。

 

井上はその後UFCと契約し一勝するも、現在は負傷欠場からの回復を待つ状況です。

南出は計量時に脱水症状を起こすアクシデントもあり、バンタム級に階級を上げ試合を行いました。

これからの日本MMAを担う新鋭たちの一角である二人には、じっくりとキャリアを積んで行って欲しいですね~。

そしてその上で、願わくばより高い舞台での、二人の「完全決着戦」を観たいと思っています!!

 

 

というわけで、1、2、3位でした!!

以下のランクインは、次のような感じになりました!↓

 

※4~7位については、こちらのページに書きましたb

 

4位

石橋佳大vs.岡田遼

Kita Ishibashi vs. Ryo Okada

[修斗 環太平洋MMAバンタム級チャンピオンシップ 5分3ラウンド]

2016年11月12日(土) 「修斗 Vol. 5, 2016 -Ishibashi vs. Okada-」 後楽園ホール(東京都)

 

5位

※ダブルランクイン!

 

ハファエウ・シウヴァvs.ヴィクター・ヘンリー

Rafael Silva vs. Vitor Henry

[Pancrase MMAバンタム級次期挑戦者決定戦 5分3ラウンド]

2016年11月13日(日) 「Pancrase 282 -Henry vs. Silva-」 ディファ有明(東京都)(東京都)

 

奥野泰舗vs.桜井隆多

Taisuke Okuno vs. Ryuta Sakurai

[Deep MMAウェルター級トーナメント準々決勝 5分3ラウンド]

2016年10月18日(火) 「Deep Cage Impact 2016 -Hata vs. Motoya-」 後楽園ホール(東京都)

 

6位

村山暁洋vs.鈴木槙吾

Akihiro Murayama vs. Shingo Suzuki

[Pancrase MMAウェルター級チャンピオンシップ 5分5ラウンド]

2016年3月13日(日) 「Pancrase 276 -Suzuki vs. Murayama-」 ディファ有明(東京都)

 

7位

黒澤亮平vs.澤田龍人

Ryohei Kurosawa vs. Ryuto Sawada

[修斗 MMAストロー級チャンピオンシップ 5分5ラウンド]

2016年7月17日(日) 「修斗 Vol. 4, 2016 -Kurosawa vs. Sawada-」 後楽園ホール(東京都)

 

※8~10位については、こちらのページに書きましたb

 

8位

※トリプルランクイン!

 

征矢貴vs.藤田寿大

Takaki Soya vs. Kazuki Fujita

[MMAフライ級 修斗インフィニティリーグ戦 5分2ラウンド]

2016年12月18日(日) 「修斗 Infinity League 2016 Final」 新宿フェイス(東京都)

 

釜谷真vs.高野優樹

Makoto Kamaya vs. Yuki Takano

[MMAバンタム級 5分2ラウンド]

2016年6月26日(日) 「Deep 76 Impact -Kitaoka vs. Shimoishi-」 後楽園ホール(東京都)

 

越智晴雄vs.村元友太郎

Haruo Ochi vs. Yutaro Muramoto

[MMAストロー級 5分2ラウンド]

2016年12月17日(土) 「Deep Cage Impact 2016 & WSOF-GC 4 -Nagakura vs. Imanari-」 ディファ有明(東京都)

 

9位

※トリプルランクイン!

 

萩原幸太郎vs.六本木洋

Kotaro Hagiwara vs. Hiroshi Roppongi

[MMAフライ級 5分3ラウンド]

2016年12月18日(日) 「修斗 Infinity League 2016 Final」 新宿フェイス(東京都)

 

前澤智vs.富松恵美

Tomo Maesawa vs. Emi Tomimatsu

[MMA女子アトム級 5分3ラウンド]
2016年
11月3日(日) 「Deep Jewels 14 -Ishioka vs. Kurobe-」 新宿フェイス(東京都)

 

吉村友菊vs.浦真吾

Yuki Yoshimura vs. Shingo Ura

[Gladiator MMAライトフライ級(120lbs)チャンピオンシップ 5分3ラウンド]

2016年11月23日(水) 「Gladiator 2 -Yamashita vs. Moon-」 阿倍野区民センター(大阪府

 

10位

※ダブルランクイン!

 

宮崎直人vs.林完

Naoto Miyazaki vs. Tamotsu Hayashi

[MMAライト級 5分2ラウンド]

4月23日(土) 「Deep Cage Impact 2016 -Nagakura vs. Uesako-」 ディファ有明

 

 

キム・ギュソンvs.加納亮祐

Kyu Sung Kim vs. Ryosuke Kano

[MMAフライ級 5分3ラウンド]

2016年3月6日(日) 「Heat 37 -Tezuka vs. Kasugai-」 名古屋国際会議場(愛知県)

 

 

 

 

 

以上、素晴らしい試合の数々でした!

このランキングの為に観た2016年の日本MMAの試合数は、数えたところ500戦弱くらいでした!

ホントはまだまだ観たかった試合もあったのですけれども、とりあえずはここで一区切りにして、形にしたいな~と思いました。

ランキングに入れられなかった試合もあって、そこは「紹介したい、書きたい!」という気持ちの強かった試合を選びましたb

 

楽しかったですけれども、正直観るのはなかなか大変でした(汗)

というのも、やはり良い試合・選手が分散し過ぎているからで、その為に素晴らしい試合が観逃されているな、とも感じました。

例えば、もしこのランキングにある試合が一大会に、一つのプロモーションに纏まっていたとしたら。

より多くの人達にハイグレードな試合や選手の活躍を観てもらえるような気がします。

 

もちろんシンプルな話だけでは無いですが、そういった「証明の場」は、日本MMAの成長の為に必ず必要になってくると感じます。

願わくば、MMAの力を信じ、MMAと共に歩み、MMA「真髄」を伝えられる。

そんな組織化が図られる事を、「どこかでMMAを観ている一人」は願っています!!!

 

 

去年と今年は日本MMAを知る為に注力したので、来年はまた世界のMMAをもっと観ていきたいです。

年内にも、何か書けたらな~と思っていますノシ