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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【6月スタート】「MMAプロスポーツ・リーグ」PFL始動。イスラム・マメドフ×川名雄生!!!

 

PFL #2 - 2018 Regular Season -

月21日(木) シカゴセンター(イリノイ州 シカゴ)

 

PFLライト級レギュラーシーズン戦 5分3ラウンド

イスラム・マメドフ vs. 川名雄生

Islam Mamedov vs. Yuki Kawana

 

PFL(Professional Fighters League)の100万ドル優勝賞金リーグのレギュラーシーズンが、6月からいよいよ始まります!

レギュラーシーズン(選抜戦)→プレーオフ(トーナメント)という流れで、1年をかけて7階級の優勝者を決めるPFLリーグ戦

ライト級12名の選抜戦から、リーグ唯一の日本選手である川名とPFLの有望選手マメドフとの試合を紹介します

 

PFLの前身WSOF(World Series of fighting)で4連勝しているのがイスラム・マメドフです。

マメドフはサンボ出身の長身ファイターで、静穏な風貌から放つトリッキーな攻撃が魅力です。

対して川名雄生(かわな ゆうき)は日本の修斗(しゅうと)で4連勝中で、今回が初の海外挑戦となります。

柔道出身の投げ技とレスリングを組み合わせた、常に前に出続ける突貫ファイトが魅力です。

 

両者ともに試合のたびに成長を続けるファイターで、このカードにも楽しみな要素がたくさんあります。

身長やリーチではマメドフがかなり有利であり、川名は初の海外遠征ということもあり不安要素も多いですね。

川名のアドバンテージは昨年の試合でマメドフと同じ長身選手のジン・テホ戦を経験していることでしょう。

ジン戦の経験値でテークダウン(以下TD)のプレッシャーを与えることができれば、勝敗は分からなくなると思います。

 

以下はもうちょっと細かいポイントの紹介です。読み難かったら下のまとめへ飛んでください(笑)

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立ち技においてはリーチアドバンテージを持つマメドフが有利であることは動かないでしょう。

マメドフはオーソドックス(左手が前、右手が奥)の縦構えで小刻みにステップして、慎重に距離を測って攻めます。

スティッフジャブやローキックなど距離を守る攻撃のほか、相手の突進を迎え撃つクロスや飛び膝蹴りも使います。

特に飛び膝蹴りは抜群のタイミングで繰り出されるカウンターで、観る者へのインパクトも強い技ですね。

 

 

川名が得意とするTDもマメドフに届かせるのは容易ではないでしょうが、対抗策はあると思います。

それは川名のTDと並ぶ代名詞、左リードハンド(前手)で放つオーバーハンドフックです。

川名はTDをフェイントにして打ち込むパンチの名手であり、特にリードフックのタイミングが抜群に上手です。

単発気味なのがやや不安ですが、緩急をつけた強打は完全ヒットさせずともマメドフを下がらせる武器となるでしょう。

 

 

 

 

組み技において、二人は今までの試合でほとんどボトムポジション(背中をつけた状態)になったことがありません。

トップポジションを取る力を持つもの同士、この試合で投げ合いや上の取り合いは最もスリリングな要素であるといえるでしょう。

マメドフは立った状態からの投げ技が得意で、ハンガーやボディロックから引きずり込んでトップポジションを取ります。

フィジカルでアドバンテージを持つと思いますが、足払いや蹴りを掴まれるのが苦手なのは不安要素であると感じます。

 

 

対して川名はダブルレッグでケージに押し込んでから、立ち際をコントロールしてトップキープする強さがあります。

正直ここで組み勝てないと川名は厳しい展開になると思います。組み合いに持ち込んで、足払いや後ろ投げを狙って欲しいですね~。

初手の組みの攻防でどちらの「投げ力」が勝るのか、そこに注目です!

 

 

寝技ではマメドフの凶悪なパウンドと鮮やかなアームバーは川名にとって脅威となるでしょう。

マメドフは相手を固めにいくタイプではありませんが、クルースフィックスなどで動きに合わせて抑え込むのが得意です。

動きに合わせてトップキープしてパウンドでノックアウトor反撃に合わせアームバー、というのが必勝パターンです。

 

 

 

逆にマメドフにとっては川名のケージ際の抑え込みで持ち味を封じられることが一番辛い展開であると思います。

川名のケージを使ったトップキープの強さ、とりわけボディロックの引きの強さは長身の相手にも有効でしょう。

トップキープの上手い川名は、下から展開を作られるよりも腕を取りながらのスウィープされることが怖いかもしれません

 

 

その他には、やはり遠征による名のガス欠は不安要素ではあります。

川名はもともと激しいスクランブルを制するスタイルのため消耗は激しく、後半ラウンドに動きが落ちるシーンもあります。

マメドフはホームに近い環境であり、消耗戦の場合のアドバンテージも持っていますね。

しかし自身がケージに押し込まれるシーンは少ないため、そこを川名は狙って行って欲しいです。

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だらだらと語りましたが、まとめです。

 

初の海外遠征として強敵であり、川名にとって厳しい対戦相手であることは間違いないでしょう。

マメドフにとっても、自分の良さを消す可能性のある川名は嫌な相手であると思います。

川名にとって組みは生命線であり、マメドフの長打とスウィープをいかに封じれるかに注目していきたいです。

マメドフは川名のオーバーハンドとシングルレッグをどう防御するかを観たいですね~。

 

トップポジションの巧者同士の、タフな試合になることを願っています!!!

そしてPFLリーグが上手く進行して欲しいです!;(若干の不安)