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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

南アフリカの激闘祭!傷だらけの王座戴冠劇。『EFC 72』大会感想【MVS vs. マザニー】

 

EFC 72

『-Van Staden vs. Mazany-』

■開催 2018年8月11日 

■開催地 グランドウェスト 南アフリカ共和国 ケープタウン

南アフリカ最大のMMAプロモーション、Extreme Fighting Championship(EFC)。

■カイロ・ハワース代表により2009年末に始動。

■ユニファイドMMAによるチャンピオンシップ制で、激しい王座戦線が魅力。

■母国のアフリカ選手の活躍はもちろん、海外選手の活躍も多い。

数あるMMAプロモーションでも最高にお気に入りのプロモーション、EFCの紹介です!

今回のチャンピオンシップは、激闘続きのEFCの中でもかなり名勝負でした(感涙)

というわけで試合の感想です!

 

EFCライト級チャンピオンシップ 5分5ラウンド

マーティン・ファン・スターデン vs. デーヴ・マザニー

前王者ドン・マッジのUFC契約によって行われた王座決定戦で、無敗のギャビン・ヒューズを首相撲からの膝蹴りでKOして新王者となったMVSの初防衛戦が行われました。

挑戦者は前王者マッジとの防衛戦に敗れるも、復活し王座返り咲きを狙うマザニー。

 

1R、レベルチェンジを混ぜた攪乱で金網に詰めてシングルレッグを狙うマザニー。

MVSはアンダーフックでかち上げるも、マザニーは胴グリップから裏投げでTDに成功。

MVSは立ち上がりますが、マザニーはシングルで引き倒して今度は背中をつかせます。

MVSはバックを奪われながらも脱出し首相撲から膝蹴りで反撃。しかしマザニーは尚も組み付いてMVSに打撃の距離を作らせずプレッシャーをかけ続けます。

MVSはウィザー&ライケーンから足払いでマザニーの体勢を崩すと、膝蹴り&リストコントロールからの肘打ちを当てて脱出、1R最後に反撃を見せました。

 

2R、積極的にジャブ&前蹴りを繰り出すMVSは、ボディへのホイールキックやカーフキックで攻勢に出ます。

マザニーは被弾しながらもボディ&ヘッドへのストレートで散らし、フェイントからレベルチェンジで組みつくと、金網の際の攻防が再び展開。

徐々に対応を見せるMVSがウィザー&ダンナーから肘打ちを決めるも、マザニーは決死のドライブでレッグマウントを奪います。

胴組みの捌き合いから離れ際にMVSがフック、距離が離れます。

ガス欠気味のマザニーのジャブにカウンタークロスを合わせてグラつかせるMVS!

ダメージを受けながらもボディストレートで反撃するマザニーですが、MVSはジャブから連撃で再びマザニーをグラつかせて2Rを完璧に取りました。

 

3R、勢いを増すMVSがスーパーマンパンチやリードクロスで何度もグラつかせますが、マザニーは決死の特効でダブルレッグTDに成功します。

MVSはウィザーで立ち上がりパンチを打ち込みますが、マザニーはフェイントを混ぜながら脱出を許しません。

MVSが胴組みから肘打ち!攻勢を得たMVSですが、離れた際にレフェリーが金網を掴んだとして減点を受けてしまいます。

MVSは鋭いジャブを何度もヒット、マザニーもシングルレッグで食らいつき、一進一退のタフファイトで3Rが終了しました。

 

4R、疲れを見せながらもフック連打で攻めるMVS。マザニーのシングルも返します。

マザニーは潜り込んで正対すると、三度勝負は金網の激しい組み合いに。

MVSの首相撲から脱出したマザニーはレベルチェンジを混ぜたロングフックで攻め、MVSも的確なジャブやストレートでヒットを重ねます。

マザニーがフックに潜り込んでシングルクラッチ!MVSの左脛を三角ロックで固め、金網際でプレッシャーをかけ続けたます。

ウィザーから立ち上がるMVS、オーバーアンダーで両者譲らぬ組み合いが展開されました。

 

5R、激闘は遂に最終ラウンドへ突入します。

開幕から一気に攻めるMVS!マザニーの組みを押して捌き、チェックフックでグラつかせてハイキック、フック連打と連続ヒットさせます。

マザニーは脅威のタフネスで執念のシングルレッグを狙い続け、MVSもスイッチで反転してバックライドから裸絞めを狙います!

マザニーは両腕でMVSのリストを掴みんで耐えながら立ち、勝負は打撃戦に。

下がるマザニーを追い込むMVS。マザニーはMVSの前進にカウンターでレベルチェンジTDを合わせ、金網のシングルレッグマウントから押し込みます。

MVSはリストを掴み反転しますが、マザニーはハイクラッチから裸絞めへ!

これを落としたMVSはハーフからダースチョークを狙い、ここで全Rが終了しました。

 

5Rを通して激しい打投極の攻防が繰り広げられた素晴らしい激闘でした!

勝敗はスプリットの判定でマザニー!傷だらけの執念がベルトを引き寄せました。

MVSはかなり強打を打ち込みマザニーにダメージを与えて、組み合いでも拮抗し続けたので、わたしはMVSの防衛かなと思いましたね~。ジャッジ次第の接戦でした。

今年のMMAのなかでもかなりのタフファイトで、素晴らしい大激闘でした!!!!

デーヴ・マザニー 5R DEC(スプリット)

EFCライト級王座戴冠(新王者)

 

EFCミドル級 5分3ラウンド

ヒディアン・ドロツキ― vs. ジェネイド・ユーバンクス

元EFCライトヘビー級王者のドロツキ―と、英国の新鋭ユーバンクスが対戦。

打撃戦からユーバンクスがダブルレッグに繋げてTDを取り、ボディロックからクルースフィックスへと移行してアームロックを狙います。

ドロツキ―はこれを前に落とすと、ノースサウスからアナコンダチョークへ。

ユーバンクスもこれを返すとアナコンダ&吊り上げギロチンチョークで反撃します。

ドロツキ―はギロチンを耐えると金網に押し込み、ユーバンクスの脱出際にバックマウントを奪取。ユーバンクスの体を伸ばしてパウンド連打で攻めるも1R終了。

 

2Rはドロツキ―が蹴りに合わせたストレートから金網際のパウンドで攻めるも、尻もちをついたユーバンクスに顔面膝を打ってしまい中断。

再開後はユーバンクスがミドルから組み付き、金網際のドッグファイトが展開します!

 

3R、ユーバンクスがダートから金網に詰めて、シングルアンダーフックから肘打ち&アッパーを連打し、この攻撃でドロツキ―は額を切り流血。

再開後、一気にユーバンクスがミドル&ロングフックで攻め込みます。

ドロツキ―は首を抱えて崩しつつ膝蹴りで反撃し、これを受けて崩れるユーバンクス!

ドロツキ―は金網際で暴れるユーバンクスを抑えて、パウンド連打で攻めます。

ユーバンクスも起死回生のペルヴィアンネックタイを狙いますが、滑ってしまい不発。

ミドル級へ転向した元王者ドロツキ―が、バックライド&ハーフからパウンドを打ち続けてタフファイトに競り勝ちました。

ヒディアン・ドロツキ― 3R DEC(ユナニマス)

 

EFCバンタム級 5分3ラウンド

ファイーズ・ジェーコブス vs. トゥミサン・マディバ

二転三転する激しいグラップリング勝負が展開しました!

速攻打撃からマディバがダブルレッグTDに成功し、金網際でバックを狙いに行きます。

ジェーコブスはこれを耐えると、胸と足を抱えてスイッチし逆転のバックを奪います。

ジェーコブスのパウンドにマディバはアームバーで反撃するも、ジェーコブスは耐えます。

最後はマディバのヒールフックをかわしてライドを取ったジェーコブスが、バックグラブから裸締めで一本を取りました!

ファイーズ・ジェーコブス 1R SUB(裸絞め)

 

EFCウェルター級 5分3ラウンド

ジャスティン・スミス vs. ジョバンニ・プレトリアス

プロ無敗で勢いに乗る二人が激突!壮絶な打撃戦が展開されました!

プレトリアスが鋭いジャブ&ストレートで一気に攻めますが、上背に勝るスミスは真っ向勝負のカウンターリード&ワンツーの打ち下ろしで猛反撃!

ダメージを受けたプレトリアスはTDを狙いますが、逆にスミスが返してマウントを奪取。

プレトリアスは辛くも脱出するも傷は深く、つい金的の膝蹴りも放ってしまいます。

最後はストレートから返しのリードフックでダウンさせて、スミスがKOで圧勝しました!

ジャスティン・スミス 1R KO(ストレート&リードフック)

 

EFCヘビー級 5分3ラウンド

ウィレム・スミス vs. マトゥンガ・ジカサ
プロデビュー戦となるスミスと、プロ2戦目となるジカサによるヘビー級戦。

開幕から強振を振り、ダブルレッグを狙い金網へと押し込むスミス。

ジカサは金網でディフェンスしながら首をアナコンダチョークの形に捉えると、胸でスミスの後頭部を圧迫しながらスプロールで引き倒してギロチンチョーク!スミスは失神!

「HHH(トリプルエイチ)」ジカサが豪快な秒殺一本でプロ初勝利を挙げました!

マトゥンガ・ジカサ 1R SUB(ギロチンチョーク)

 

というわけで、南アフリカMMA『EFC 72』の紹介でした

EFCの体制は本当に好きで、MMAプロモーションの一つの理想だと感じますね~

試合もパワー溢れる豪快な試合から王座戦線はかなりハイレベルな攻防が観られるので、いろんな人に観てもらいたいです!

 

 

Silence Silence
250円