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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

堀江圭功UFC参戦!『獰猛なる』カナダのムエタイ使いハキーム・ダワドゥとカナダ大会で激突!!

 

ハキーム・ダワドゥ Hakeem Dawodu

『ミーン・ハキーム("Mean Hakeem")』

国籍 出身地: カナダ カルガリー

ルーツ: ナイジェリア(母) ジャマイカ(父)

所属: チャンピオンズクリードマーシャルアーツ 他

階級: フェザー級(145)

スキルツリー :ムエタイ - キックボクシング - MMA

得意技: スティッフジャブ、フック - ローキック、リバーショット

獲得タイトル: なし(MMA) WSOFで8連勝

 

獰猛なるムエタイ使い

ダワドゥはムエタイを基盤にした強打とコンビネーションを持つ立ち技出身の選手です。

少年時代にカウンセリングの一環としてムエタイに出会ったダワドゥは、その才能を開花させてムエタイで多くのタイトルを獲得しました。

マチュア時代には圧倒的な強さで短期決着KOを重ねたことで『ミーン・ハキーム(獰猛なハキーム)』の異名をとるようになりました。

強烈な左右フックの連打と、そこから繋げるリバーショット(肝臓打ち)や裏腿へのローキックのコンビネーションがメイン武器であり、その瞬発力とKOパワーはダワドゥの強さの根幹となっています。

 

WSOFカナダ大会でMMAプロデビュー

ダワドゥがMMAファイターに転向したのは、第三のメジャープロモーションWSOF(現PFL)がカナダ進出を目的とした『WSOF Canada』を設立した2014年です。

『WSOF Canada』は残念ながら二大会で終了してしまいましたが、ダワドゥはその後もWSOF期待のプロスペクトの一人として、アメリカで活躍し無敗のまま引き分けを挟んで7連勝を重ねました。

 

UFC初参戦で初の敗戦、そこからの二連勝

ダワドゥは2018年にWSOFからUFCに移籍しますが、初参戦となったロンドン大会にてスコットランド出身で南アフリカEFC王者のダニー・ヘンリーMMAキャリア初の敗戦を喫してしまいます。

この試合ではヘンリーの遠距離から放たれたオーバーハンドを迎撃しようとした結果カウンターを被弾してダウンしており、今まで強打で圧倒して連勝街道を進んできたダワドゥが、同格以上のストライキングを誇る相手という『壁』にぶつかった瞬間でした。

しかし、その後はオースティン・アーネットカイル・ボクニャクとのストライカー対決に競り勝ち二連勝。

特に直近のカイル・ボクニャク戦では従来の圧力で押し込んでいく試合展開から、バックステップで危険を慎重に摘み取っていくクレバーさを見せており、プロスペクトの生き残りを懸けたステージで凌ぎ合いを続けている段階にいると感じます。

 

次戦は今月末のカルガリー大会、日本の新鋭ストライカ堀江圭功と対戦

ダワドゥの次戦は、今月末の7月27日(土)『UFC 240』カルガリー大会です。

地元カナダ大会で三連勝目を狙うダワドゥは、UFC初参戦の日本人ファイター堀江圭功(ほりえ よしのり)とプロスペクト対決に挑みます。

堀江は剛柔流空手を基盤にした立ち技出身の選手で、相手のパンチに正面衝突させるように強打を打ち込む攻撃性の高いスタイルでKO勝ちを重ねるストライカーです。

ダワドゥにとって真っ直ぐ踏み込む素早いカウンターが得意な堀江は相性が良いとはいえず、逆に堀江にとっては相性の良さを活かしてヘンリー戦の再来を狙いたいところです。

一方で堀江は田村一聖戦で見られた劣勢時に下がらされた時の経験不足が課題であり、ダワドゥは中・下段へのコンビネーションから削り込み、堀江を徐々に揺さぶって主導権を取りに行けるかに注目しています。

 

お互いにトップ戦線に食い込むための進化が求められる試合だと感じますし、オーソドックス同士のストライカー対決ということで、ハイスピードの打撃戦に期待したいです!

 

・・・・

ダワドゥはWSOF時代から好きな選手で、今はUFCのトップ戦線に上がる選手になれるか、厳しいながらも期待に満ちたブラッシュアップの時期だな~と思います

この時期の選手を観るのがいちばん熱くて応援したくなるので、今回の試合でも新たな成長を魅せて欲しいな~と思っています!

 

一方で堀江も、UFCとの契約日本選手が佐藤天ただ一人になっちゃったという話も出ちゃってるな~(悲)というなかでの契約は嬉しいですね~

日本MMAはスキルが一つ突出した『原石』の選手がそのままメジャーと契約→しかし経験の不足によりタフネス勝負で崩されて結果が出せない…という『飛び級』ゆえの悪循環が生まれちゃっているのを感じます

そんな過酷な状況のなかで、多様なスタイルとの試合経験や想定外の戦況への対応力を如何に身につけて、選手としてノード(枝)を伸ばして行けるのか

堀江も『原石』であると感じますし、厳しい世界への入門を果たすこの一戦に注目していきたいですb

そして、『飛び級』にならず経験を段階的に詰んで挑戦していける環境が、より日本MMAに整地されていって欲しいな~、とも改めて感じます(祈)

 

WSOF 18 ハキーム・ダワドゥ vs. トリスタン・ジョンソン (2015年)