Bellator MMA(ベラトールMMA)が初のアジア進出となる日本大会を開催しました。
ヨーロッパとハワイへの進出も着々と進めているBellator MMAですが、日本大会からアジア進出も始まるのか…2020年の動向も注目して行きたいですね~。
今回はざっくり三試合のレビューです!
マイケル・ペイジ vs. 安西信昌
Bellator MMA ウェルター級 5分3ラウンド
英国式カンフー「ラウガル」をルーツに持つ『英国の毒蛇』ペイジがアジア初上陸。
Bellatorの未来を背負うエース候補の一角がまさかのリージョン大会に緊急参戦ということで、カード発表時は正直ビックリしました。
レスリングスタイルの安西にとっては、短期オファーで屈指のカウンター使いと闘うキツいアンダードッグ戦でしたが、Bellatorとの複数契約を結べた事がとても嬉しいです。
ペイジは安西のように突進してTD&パンチを狙い懐に潜り込む相手を斬って落とすことを最も得意としており、今回もそのカウンタースタイルの脅威を如何なく発揮し、最後はカウンターのクロスでKOする素晴らしい完勝でした。
しかし、安西もカウンターの膝蹴りを被弾しても食らいついて喧嘩四つに組み、ケージファイトへ持って行った踏ん張りは素晴らしかったです。
ペイジはハンドファイト(組み手の取り合い)の名手でもあり、安西の右手首を掴んでパンチやボディロックを完封したことで勝負はほぼ決したわけですけれども、安西がペイジ相手にあの体勢へ持って行けた事は今後のBellator MMAの試合への期待感を感じさせてくれました。
ペイジは今年Bellator MMAで5戦4勝1敗。
キャリア唯一の敗戦となった現ウェルター級王者ダグラス・リマとの再戦を懸け、2020年は是非とも王座奪還を狙って欲しいです。
安西もBellator MMAファイターとして、ネイマン・グレイシーやエド・ルースらプロスペクト達からの勝利を掴んで欲しいです。
来年のBellator MMAへの楽しみが増す一戦でした!
マイケル・チャンドラー vs. シドニー・アウトロー
Bellator MMA 160lbsキャッチウェイト 5分3ラウンド
Bellator MMAライト級のエース、チャンドラーが初の海外戦へ挑んだ一戦です。
対戦相手だったベンソン・ヘンダーソンが負傷欠場し、11月のイスラエル大会でロジャー・ウェルタに競り勝ったアウトローが代役として参戦しました。
アウトローもRing of Combat時代から好きな選手だったので、この一戦はアウトローのジャイアントキリングの可能性も含めて楽しみな一戦でした。
チャンドラーはレスリングをルーツとし、TD(テイクダウン)の推進力をダイレクトにパンチ力へと繋げる完成度の高いMMAストライキングの使い手です。
チャンドラーが最も得意とするのが遠距離からジャブ&ボディショットを散らしてから一気にギアを上げて内角のストレートを叩き込むという戦法で、かつてはこの戦法でパトリッキー・"ピットブル"・フレイリを一撃KOしてライト級王座を手にしています。
今回のアウトロー戦もこの必勝パターンを見事に完遂し、鮮やかなKO勝ちとバク宙を披露しました。
アウトローもローキックで牽制しつつ、潜り込んできた際をパンチで狙う戦法がジャイアントキリングをガンガン狙っていて熱かったです。
成り上がろうとする者と、それをさせまいとするエースとの一戦はシンプルに熱かったですし、この試合が最も『Bellator MMA』を感じさせてくれる一戦でした。
チャンドラーは自身の保持していたライト級王座を現王者パトリシオ・"ピットブル"・フレイリに奪われ、2020年は王座奪還を狙う年になると感じます。
現王者パトリシオはジャブにクロスを完璧に合わせた一撃でチャンドラーの必勝スタイルを見事に攻略しており、チャンドラーにとって天敵ともいえるパトリシオとの再戦という、避けられない試練に立ち向かう勇姿を観たいです!
ロレンツ・ラーキン vs. 中村K太郎
Bellator MMA 173.5キャッチウェイト 5分3ラウンド
Strikeforce、UFC、Bellator MMAとメジャーMMAプロモーションを渡り歩いてきたレジェンドファイターであるラーキン。
MMAの生き字引であるラーキンが日本に上陸するというだけで感慨が深かったです。(狂信者目線)
『裸絞め十段』K太郎というワンチャンスを狙えるカードを持つジョーカーとの一戦は、ピリッとした緊張感を生む良いカードでしたね~。
ラーキンが如何にK太郎の組みのプレッシャーをジャブで制せるかという試合になると予想していましたけれども、K太郎が打撃戦に徹した事とラーキンの蹴りが予想以上に序盤からヒットしたことで、ラーキンの完封勝ちとなりました。
K太郎はストレートを主武器とした長期戦を組み立てるルーラーとしての強さが光る一方で、裸絞めという必殺のカードに繋げきれない側面はUFC時代から歯がゆく感じてしまっています。
Strikeforce時代から大好きなラーキンが持ち味を活かして勝てて嬉しい反面、K太郎の『ジョーカー』としての寝技の脅威をもう少し観たかった部分もありました。
今年のラーキンはコレシュコフとK太郎に勝利し、作年から続けてBellator MMA4連勝と白星を重ねています。
現ウェルター級王者リマにはラーキン自身も2017年の王座戦で敗れており、2020年にはリベンジを狙って大勝負に期待したいです!
2019年はONE ChampionshipとBellator MMAといった海外プロモーションが日本で初開催されましたね~。
来年以降がどうなるかは誰にも分かりませんけれども、UFCも中国を中心としてアジアへのMMAの普及を進めていますし、2020年はアジアMMAの更なる活性化に期待していきたいです!