2020年のUFCで飛躍を願うシリーズ第2弾!
情熱の大陸、南アメリカから10人の選手を選んで紹介していきます。
南アメリカで最もMMAが盛んな国ブラジルは、アメリカ合衆国に次いでUFCで2番目に契約選手が多い国です。選手のなかには親からの二世代選手もみられ、ブラジルMMAの歴史の長さを感じさせられますね~。
昨年はアルゼンチン出身のエミリアーノ・ソルディがPFLライトヘビー級で優勝する等、南アメリカのMMA選手の活躍は広がりを見せており、UFCにおいても個性豊かな選手が活躍しています!
というわけで紹介です!今回も興味を持って貰えたらとても嬉しいです✨
- #1 ジャイルジーニョ・ホージェンストラウク
- #2 パウロ・コスタ
- #3 アマンダ・ヒバス
- #4 クロン・グレイシー
- #5 ハオニ・バルセロス
- #6 マルロン・ヴェラ
- #7 サビーナ・マーゾ
- #8 ヒカルド・ハモス
- #9 マリナ・ホドリゲス
- #10 ホドウフォ・ヴィエイラ
"ビギーボーイ(Bigi Boy)"
#1 ジャイルジーニョ・ホージェンストラウク
出身: パラマリボ スリナム
年齢: 31歳
所属: チーム・ビギーボーイ
階級: UFCヘビー級
南米北東の国スリナム初のUFC王者を目指すホージェンストラウクは、昨年にUFCで4連続KO勝ちという驚異のレコードを叩き出したストライカーです。
鮮やかなチェックフックでアンドレイ・アルロフスキーを秒殺KOし、一ヶ月後のショートノーティスでアリスター・オーフレイムをもKOしてみせた強打は、新たなストライカーの台頭を強く印象付けました。
アリスター戦でついに明かされたスタイルの全貌は非常に面白く、パンチの打ち合いを避けTDとオーバーハンドを狙うアリスターに対し、頭部へのブロックの隙間を抜いてアッパーや膝蹴り、ボディ打ちを仕掛け消耗させると、試合終了数秒前にアリスターのブロックが緩んだ一瞬に下段からのジャブ&ルーピングフックを叩き込んでフィニッシュを奪いました。
アップライト(直立)の姿勢のままトラッピングやフレーミング(枠組み)で打撃を裁いて強打を当てて行けるのも魅力的ですね~。グラップリングにまだまだ弱点があるホージェンストラウクですが、今後の試合でその弱点をどうカバーしていけるかも気になるところですね。
怒濤のKO勝ちにより次戦はコンテンダー筆頭の強打者フォンシス・エンゲヌーとの大一番が決定しているホージェンストラウク。事実上の挑戦者決定戦ともいえるこの一戦で、最短距離でベルトを捉えることができるのでしょうか!
"ジ・イレイサー(The Eraser)"
#2 パウロ・コスタ
出身: ベロオリゾンテ ブラジル
年齢: 25歳
所属: チーム・ボハシーニャ
階級: UFCミドル級
「ボハシーニャ」の異名でも知られるミドル級の怪獣コスタは怪我の治療で長期欠場中ではありますが、復帰戦を待望している選手です。
コスタは強靭な肉体から繰り出される強打で波状攻撃を仕掛けるストライカーであり、金網際で炸裂する怒涛のラッシュでKO勝ちを狙います。
左右からのフックの連打は相手の脱出を遮断する効果もあり、相手が頭をブロックする隙を狙ってアッパーやボディショット、ヘッドキック等の追撃を仕掛けます。パワーと技巧を兼ね備えたコンビネーションはUFCでも衝撃的なフィニッシュシーンを生んできました。
昨年のヨエル・ロメロとの壮絶な「怪獣決戦」はディフェンスと戦術の幅に課題を残した試合ではありましたが、ロメロの強打を浴びても尚攻め続けるタフネスと闘志の強さを証明しました。相手を瞬時に捉えるリードフックはコスタの必殺技の一つであり、この技でロメロから先制ダウンを奪ったシーンは印象的でした。
トップ層との闘いには経験不足も目立つコスタですが、昨年のUFCミドル級戦に衝撃を与えた選手として、今後の成長を願わずにはいられませんね~。
コスタの復帰は早くても半年後になってしまいますが、期待して待ちたいです!
#3 アマンダ・ヒバス
出身: バルジニャ ブラジル
年齢: 26歳
所属: アメリカン・トップチーム
階級: UFC女子ストロー級
ヒバスは強力な右ストレートと柔道ベースの刈り技で魅せる野性味あふれる女子ストロー級の新星です。2年前にUFCと契約するもUSADAのサスペンションにより試合出場を禁じられていましたが、昨年に念願のUFCデビューを果たしました。
初戦のエミリー・ウィットマイア戦ではケージ際のクリンチで自由を奪うとバックテイクからの裸絞めで圧勝、続く寝技師マッケンジー・ダーンとの一戦ではダーンのTDを悉く遮断し、打撃戦でもカウンターのストレートを打ち込み全局面で圧倒してみせました。
グラップリングの強さと打撃戦での素早いカウンター、そしてチャンスを逃さず一気に攻める獰猛さを兼ね備えたヒバスのスタイルは完成度が高く、2年間のフラストレーションを爆発させるような見事な勝利には強いインパクトを受けました。
次戦はいよいよトップ層の一角であるPVZとの対戦が決まり、新たなる南米の野獣ヒバスの実力が試される一戦となりそうです!!
#4 クロン・グレイシー
出身: リオデジャネイロ ブラジル
年齢: 31歳
所属: クロン・グレイシー柔術
階級: UFCフェザー級
ヒクソン・グレイシーの四人目の子として知られるクロンは、ピットストップからの関節技の波状攻撃やブルームスティックからの鮮やかなバックテイクで相手を捕獲するグラップラーです。
昨年のアレックス・カセレス戦にてUFCデビューを果たしたクロンは、カセレスのジャブに合わせてレベルチェンジで潜り込みバックを奪うと、鮮やかなグリップ捌きでカセレスをチョークで捉えて裸絞めで一本勝ち。UFCの初戦を見事に突破しました。
次戦のカブ・スワンソン戦では巧みなフットワークとボディ&頭部へのパンチの打ち分けで突き放され、クリンチに持ち込めず完封負けを喫しました。しかし、スワンソンの強打を喰らいながらも逆転を狙い続けたクロンの気迫は素晴らしかったですね~。
スワンソン戦でTDへの課題を見せながらも、卓越したグラップリングの全貌は見せていないクロン。グレイシー・ファミリーの超新星として、今年はクロンの更なる進化に期待したいです!
#5 ハオニ・バルセロス
出身: リオデジャネイロ ブラジル
年齢: 34歳
所属: ラエルチ・バルセロス・チーム
階級: UFCバンタム級
バルセロスは柔術とレスリングをベースとする強靭な足腰から強烈なパンチを放ち、TDを切りながら接近戦に持ち込んで打ち勝つスタイルを得意とします。
接近時に放つアッパーや離れ際に突き刺すフックはバルセロスの最大の武器であり、大外刈りや内股等の鮮やかな刈り技からTD&パウンドで攻める寝技の強さも魅力です。
昨年はリーチの長さを活かして遠距離から攻めるサイード・ヌルマガメドフに対し、ロー&ミドルキックから徐々に接近戦へと持ち込んで勝利しました。サイードの足払いを耐えて逆にバックを奪う等、バルセロスの地力の強さを感じた一戦でした。
バルセロスはMMAデビューが27歳という遅咲きの選手で、年齢的にもここ数年がキャリアの最盛期であると感じます。今年はトップクラスへの挑戦をぜひ観たいですね~!
"チート(Chito)"
#6 マルロン・ヴェラ
出身: チョネ エクアドル
年齢: 27歳
所属: チーム・オーヤマ
階級: UFCバンタム級
21歳でエクアドル初のUFC選手となったヴェラは、5年間に渡りUFCで経験を積んできた早熟の激闘派です。
強靭な脚力を活かして遠い間合いから飛び膝蹴りやヘッドキックを放つヴェラは、遠距離からの狙撃とステップインからの至近距離での連打という二種類の間合いを使い分けて競り勝つ強さを持ちます。キーロックによるスイープやアームバー等のカウンターの関節技も特徴的です。
昨年は3連勝の好成績を残したヴェラ。アンドレ・ユウェル戦ではローキックとボディへの膝蹴りで徐々に機動力を奪い、ステップイン&ボディショットからの連打で熱戦を制しました。
今年は強豪ジミー・リヴェラとの試合が決定しており、若き熟練者ヴェラがトップ戦線で勝ちきれるかを試される一戦になりそうです!
"コロンビアン・クイーン(Colombian Queen)"
#7 サビーナ・マーゾ
出身: メデリン コロンビア
年齢: 22歳
所属: キングスMMA
階級: UFC女子フライ級
コロンビアからアメリカ合衆国へ移住し鍛錬を積むマーゾは、鋭い蹴りの遠距離砲で相手を狙撃する新星ストライカーです。
前脚から放つミドルキックは相手を突き放し、奥脚で放つヘッドキックは一撃必殺の威力を誇ります。マーゾは長い腕を使ったフレーミングで隙間を作り蹴りを叩き込むのを最も得意とします。
昨年にUFCデビューしたマーゾはマリーナ・モロズのグラップリングに対応しきれず苦戦し、後半に盛り返すも苦い初敗北を喫しました。次戦のシェイナ・ドブソンでは得意の遠距離からの蹴り&TDからのパウンドで攻めて勝利しています。
戦績をイーブンに戻したマーゾは、今月にJJ・アルドリッチとの対戦が決定。鋭いパンチで接近戦を挑むアルドリッチとの一戦は、マーゾの遠距離砲の威力が試されるカードです!
#8 ヒカルド・ハモス
出身: カンピナス ブラジル
年齢: 24歳
所属: ハモス・チーム
階級: UFCバンタム級
ハモスは軽やかなフットワークからの蹴りや小外刈り、三角絞めを得意とする足技使いで、懐に入った相手を撃ち落とすカウンターの打撃を併せ持つトリッキーな選手です。
カポエイラキックやラボーナ(奥足をクロスさせる蹴り)等の多彩な蹴り技により広い制空権を生み出し、近距離戦では鋭い肘打ちや膝蹴りで相手を迎撃します。特にスピニングエルボー(裏肘)はUFCでもパンチに合わせたカウンターとして印象的なハモスの得意技です。
昨年はサイード・ヌルマガメドフとの長身対決に完敗してしまったハモスですが、その後はジャーニー・ニューソンとエドゥアルド・ガラゴリに連勝しています。ガラゴリ戦でも見せたボディロックからのリフトアップTDもハモスの得意技の一つですね。
トップ層を目指す上では真っ向勝負の強さに磨きをかけることは避けられないと思いますし、長身の選手も増えてきているフェザー級戦線でハモスの進化が観れることを期待しています!
#9 マリナ・ホドリゲス
出身: バジェ ブラジル
年齢: 32歳
所属: タイ・ブラジル/ASチーム
階級: UFC女子ストロー級
ホドリゲスはムエタイをベースにした打撃で真っ向勝負を仕掛けるストライカーで、多彩な蹴り技で制空権をコントロールしながら打ち合いを仕掛けるディフェンシブな強さが特徴です。
相手の腹や脛を正確に射貫くティープ(前蹴り)や相手の前脚を内外から蹴り込むローキックで突き放しつつ、ミドルキックやスーパーマンパンチで強打を当てて行く制圧力の強さで、昨年はジェシカ・アギラーとティシャ・トーレスに完勝しています。
近距離戦ではタイクリンチによる膝蹴りが得意技で、リーチを活かして決定打を与えない強さを持っています。一方でカーディオに弱点があり、シンティア・カルヴィーヨ戦では序盤に圧倒するもガス欠を起こして反撃を許してしまった事でドローとなっています。
今年は強豪との顔合わせが期待されるホドリゲス。まさに戦国時代を迎えている女子ストロー級で、技巧派のムエタイ使いが勝ち上がれるかに注目しています!
"ザ・ブラックベルト・ハンター(The Black Belt Hunter)"
#10 ホドウフォ・ヴィエイラ
出身: リオデジャネイロ ブラジル
年齢: 30歳
所属: フージョン・エクセル
階級: UFCミドル級
「黒帯狩り」ヴィエイラは破壊力のあるパウンドとガードを破壊するプレッシャーパスで相手を制圧する強靭なグラップラーです。
ダブルレッグや小外刈りでTDを奪うと、マットリターン(立ち際を逃さず何度もTDを奪うこと)で相手の体力と戦意を砕く攻撃性の高いグラップリングは魅力的ですね~。
昨年のUFC初戦ではオスカル・ピエホタのパンチを被弾しながら何度もTDを仕掛け、見事に肩固めを極めきって一本勝ちしました。ヴィエイラのカーディオの強さを見ることのできた試合でもありましたね。
次戦はサパルベク・サファロフ戦が決定しているヴィエイラ。ライトヘビー級から転向するサファロフに対し、再びグラップリングの制圧力を魅せることができるのでしょうか!
というわけで、南アメリカ編でした!
第二段ということで前回より書くペースを速められるかと思ったのですが、何度も調べ直していくと時間がかかってしまいますね~(´TωT`)
そのぶん選手の事を更に深く知ることが出来たのは、とても楽しかったです。
2020年のUFCもそろそろ始まってしまいますが、じっくり書いていきたいです!
⇩第1弾の北アメリカ編です!⇩