クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【YoutubeでMMA①】イチオシMMA動画とか語りとか。地域に根差したMMAスタイルのコントラスト。

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YoutubeのイチオシMMA動画を紹介しつつ、だらだらと語る感じのシリーズです。

とりとめもない感じで、わりと適当な事も言っていますがご容赦ください;

 

今回はロシア(東ヨーロッパ)とブラジルの試合動画と、その感想とかです。

f:id:paky21:20200120233119p:plainティムル・ナギービン vs. f:id:paky21:20200305115531p:plainミハイル・オディンツォフ

RCC』 PFLライト級国際予選シリーズ トーナメント決勝戦 5分×3ラウンド

 

ロシアでは大会社が独自にプロモーションを立ち上げている事があり、その際に自分の会社名をそのままプロモーション名につけちゃう事があります。(Tech-KREPもこのパターン)

f:id:paky21:20200120233119p:plainRCC(ロシアン・カッパー・カンパニー)』もそんなプロモーションの一つ。銅を加工する会社の社長さんが設立したボクシング・プロモーションで、2017年からMMAも並行して開催するようになりました。

2月22日開催の『RCC -Road to PFL-』では、アメリカのメジャープロモーションf:id:paky21:20191212123816p:plainPFL(プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)』と協力。PFLが今年から始めた「国際予選シリーズ」の先陣を切る4人制1dayトーナメントが開催されました!

 

勝戦に勝ち進んだのはストライカーのナギービンとグラップラーのオディンツォフ。とはいえ二人とも全局面に対応できるMMAの持ち主で、まさに総力戦となりました。

ロシアを含む東ヨーロッパでは現在レベルチェンジTDを意識した奥足を平行にした縦構えが主流で、東ヨーロッパ選手特有の多角的なフックと前腕の捌きで打撃戦に対応するパワーを前面に押し出したファイトが魅力的です。

ナギービンとオディンツォフもご多分に漏れず「東ヨーロッパらしい」レスリングの攻防に強打が混ざる試合ができる選手であり、ある意味タフガイ&強打者同士である故に判定にもつれ込む試合が多いのも最近の東ヨーロッパMMAの特徴ですね~。

MMAの進化はその時々のトップ選手のスタイルに引っ張られるものですが、東ヨーロッパの散打やサンボを根幹としたスタイルもヌルマゴ達カフカス戦士の活躍に起因する事であろうと思いますし、今後はここから独自のスタイルに昇華できた選手がトップ戦線に食い込んでくるであろうと感じますね~!

 

f:id:paky21:20191212124047p:plainジベルソン・バチスタ vs. f:id:paky21:20191212124047p:plainウィリアム・”コロラド”・ソウザ

『Jungle Fight 101』 JFフェザー級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

 一方で1月31日に開催された『Jungle Fight 101』では、「ブラジリアン・キックボクシング」ともいえるムエタイベースの長身ストライカー達の打撃戦がメインイベントで展開されました。

f:id:paky21:20191212124047p:plainJungle Fight(ジャングル・ファイト)』MMA観るマンなら知らない人はいないブラジルの老舗MMAプロモーション。時代の激しい荒波に晒されながらも現在まで続いて開催してくれいているのは嬉しいです。近年は「DAZN(ダ・ゾーン)」と契約してブラジル地区限定でライブ配信をしており、とても羨ましいです(笑)

バチスタとソウザはJFで良い勝ち方を重ねて来た選手で、そんな二人がフェザー級の王座決定戦に臨みました。JFフェザー級チャンピオンシップは前王者フェリピ・コラリスがUFC契約に伴い王座を返上して以来でしたが、王座戦に相応しい激しい攻防が繰り広げられました。

 

ムエタイのアップライトのまま、ステップワークを駆使して強打を打ち込むキックボクシングはブラジル選手の特徴的なスタイル傾向のひとつ。フレーム(体格、骨格)の長さを活かした躍動感あふれる動きは、空手やカポエイラが混ざり合った「ブラジリアンらしい」独自の魅力に溢れています。

素晴らしいのはタイ・クリンチの強さであり、TDにも対応する事で最大の武器であるレッグリーチを存分に使った蹴り技を放つ事ができます。そして蹴り技を放つ事でステップインからのパンチへと繋げて…という流れがハマると美しいですね~。

 

現在のMMAは「クリンチ最盛期」であり、ステップワークやカウンターの技術が発達した事で組み際のブレイクスルーはより激化しています。

そんな中で東ヨーロッパとブラジルを交互に観ると、グレコローマン的な強さの東ヨーロッパMMAからタイクリンチの強さのブラジルMMAへと一気にスタイルとの対比がはっきりと見え、シックなロシアと明るいブラジルの文化の違いも含めて、コントラストの違いにクラクラしますね~;

 

厳密には東ヨーロッパMMAもブラジルMMAもスタイルは多様ですし、MMAは個人のスタイルを突き詰める「究極の一子相伝」であると思っていますが、それでもお国柄のイメージというのはあるもので、地域に根差したスタイルを感じられることもまた魅力的だな~と感じるのでした。