Titan FC 60 -Cavalcante vs. Manfio-
UFCファイトパスにて配信された今年2回目のTitan FC大会。
Titan FCは元々フロリダ州で活動しているプロモーションなので、早めの再開がしやすかったのかな~と思いますね。
UFC等と比べると感染対策はわりとざっくりしていた印象ですが、これくらいがメジャー以外の基準になるのかもしれません。
公式のInstagramより。まさかのグラップリング王座戦にビックリしました!
解説ゲストにはホセ・トーレスが出ていました。
トーレスは現在Brave CFで活躍中ですが、Brave CFとTitan FCは選手の行き来も多いので、関係はけっこう良好なのかもしれないですね。
あとフロリダ州という事でATT(アメリカン・トップ・チーム)の選手が多い印象もありますね。
それでは試合のレビューです!
目次
メインイベント Titan FCウェルター級王座戦 グラップリング8分×1ラウンド戦
ジェシアス・カヴァウカンチ vs. ハウシ・マンフィオ
Titan FCウェルター級でグラップリング部門の王座戦が行われました。
「コンバット・グラップリング・ルール」と銘打たれた掌底が使えるグラップリング(パンチ、蹴り等は禁止)で、8分間で決着がつかない場合は「シュートアウト」という延長戦が行われます。
「シュートアウト」は交互に優位なポジションから極め合い勝敗を決めるPK戦のようなルールです。EBIやSUGなどの「オーバータイム」に近いグラップリングでは定番のルールですね。
掌底のみ打撃が使える立ち技というのはMMAとも通常のグラップリングとも違う独特の間合いが生まれます。MMAほど間合いをピリピリ管理しなくても良いので多少強引に組みに行けますし、通常のグラップリングほど首四つの取り合いにはなりません。
より実践的なグラップリングを目指す「コンバット柔術」は寝技状態の掌底が解禁されていますが、立ち技の掌底ありはまた一味違います。
しかしアレコレと思考錯誤を繰り返した結果、巡り巡ってVTやシュートレスリングの時代に先祖返りしたような印象もありますね~。
JZ(カヴァウカンチの異名)とマンフィオは二人とも元Titan FCライト級王者。
階級を上げてナチュラル体型で掌底を飛ばし合う姿は、もはや完全にシュートレスリングへ先祖返りしています(笑)
試合は8分間の通常ラウンドで決着がつかず、シュートアウト(延長戦)が行われました。EBIやSUGのオーバータイムは制限時間制で一本勝ちがあるまで3ターンほど繰り返されますが、シュートアウトは最初からポジション脱出の時間が計算されるルールでした。
その為、先行のJZが後攻のマンフィオから素早く脱出した時点でJZの勝利となる面白い結果が出ましたね~。
バックから脱出したら勝利!となった決着ははじめて観たかもしれません。ちょっとフフッとなってしまいましたね~(笑)
JZは最近グラップリングの試合にたくさん出ていたので、その成果がホームであるTitan FCのベルト戴冠につながったと思うと嬉しいです!
マンフィオも久しぶりのTitan FC復帰戦だったので、MMAの試合もまた観たいですね~。
JZのInstagramより。試合前に整体治療を受けるJZです。
コ・メインイベント Titan FCウェルター級 5分×3ラウンド戦
ラミー・ハメド vs. フランク・カリーロ
レバノン人ストライカーのハメドがBrave CFからTitan FCへ凱旋。
ハメドについては以前にBrave CFの記事でも紹介しましたね~⇩
ハメドはワイドスタンスで遠い間合いから打撃を突いていくスタイルの選手。
今回もパンチャーのカリーロに前蹴り、右ローキックを当てて間合いを作り、カリーロを引きつけてアッパーで迎撃する等の強みを出して判定勝ちしました。
レバノンは空手かテコンドーか、ワイドスタンスの打撃が上手い選手が多い印象ですね~。
ハメドはなんとなくテコンドーな気もしますが、どうなのかな~?(こういうのを考えるのが楽しいですねw)
ハメドのInstagramより。攻防の緊張感が伝わるカッコいい写真ですね~!
Titan FCウェルター級 5分×3ラウンド戦
ケネディ・セントルイス vs. マイク・リリー
地元フロリダ出身のセントルイスとリリーが対戦。
1ラウンドから強振の右パンチを次々と放って攻めるリリー。
セントルイスも距離を作ろうと蹴りを出しますが、ここにリリーの右オーバーハンドがカウンターでヒットし、リリーが見事な一撃KOで勝利しました!
リリーのFacebookより。うつ病や不安に苛まれながら闘った事を告白しています。
同じくリリーのFacebookより。右オーバーハンドによるKOシーンです!
二人ともキャリアを積んでおり、このレベルの闘いになると迷いのない動きが多いのが魅力的になりますね~。
ちょうど岡田vs.倉本の記事で紹介した「段階」でいうと第2段階から第3段階に移りかけているくらいです。
※「段階」はMMAを観る上でのわたしの個人的な見立てです。下の記事で軽く触れています⇩
この段階で大きく飛躍できると、最近はメジャーと契約しやすくなる印象ですね~。
Titan FCバンタム級 5分×3ラウンド戦
サル・ゲレーロ vs. ダニー・ゴンザレス
本大会のベストバウトだったな~と思います!ぜひ観て欲しい!!
両者この試合がプロ2戦目とは思えない、素晴らしいグラップリングの応酬が繰り広げられました!
改めて昨今のMMAの技術普及&進化スピードの速さを感じますね~💦ヒェー
1ラウンドはゲレーロのレッグダイブが決まり、ゲレーロがバックから何度もネッククランクで攻めました。
2ラウンドになるとゴンザレスがスプロールでTDに対抗できるようになり、拮抗した寝技の攻防が展開されます。
ゲレーロはボトムからシングルXガード&スイープでトップを取りますが、ゴンザレスは即座にオモプラータでトップを取り返します。この辺りの攻防は特に素晴らしかったですね~。
3ラウンドになり消耗しても果敢な攻めを続けるゲレーロと、それを切り返し続けるゴンザレスとで試合は大いに白熱。
ゴンザレスはレッグダイブを耐えながらパンケーキ(腕を差して引っ繰り返す)と小外刈りの連携技のような投げを次々と仕掛けます。
それに即座に反応して脱出しトップを取らせなかったゲレーロの対応力も素晴らしかったです!
3ラウンドを闘い終えた両者。判定はゴンザレスがスプリットで勝ち名乗りを受けました。
しかし私はゲレーロの勝ちかな?と思ったほど拮抗した勝負でした!
こういう試合がやっぱり一番好きだな~と思います🥰
ゴンザレスのFacebookより。なんと試合を全部アップしています!自由だな~(笑)
ゲレーロのInstagramより。再起を誓っていますね~。両者とも頑張って欲しいです!
というわけで、Titan FC 60の大会レビューでした!
再開一発目でグラップリング部門の王座戦という新しい試みに挑戦したTitan FC。
今大会もよい試合がたくさん観れました!感謝です✨