クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

2021年 飛躍を願う10人のUFC選手たち 【#5 アフリカ編】

 

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新年、あけましておめでとうございます🌅

2021年もMMAについて色々と語っていきたいと思います!🗻🦅🍆

 

 飛躍シリーズ第5段は、アフリカ諸国のUFC選手を紹介していきます。

アフリカMMAは世界中から注目を集める「大いなる鉱脈」です。ヘビー級のハードパンチャー、フランシス・ンガヌーがUFCで台頭し、2019年にはカマル・ウスマンとイズラエル・アデサンヤが史上初のUFCアフリカ王者になる快挙を達成しました。

アフリカのルーツを色濃く掲げながら、移民として欧米圏のMMA練習環境で力を磨いてきた屈強なアフリカ移民戦士たち。彼らは文化的ギャップや経済的ハンデを唯一無二の個性へと昇華させた少数精鋭であり、本土アフリカの新たな才能を目覚めさせる存在です。

本土アフリカにおけるMMAの発展は南部と北西部で活発化しています。世界有数の都市を持つ南アフリカ共和国と、アラブ世界と深い繋がりを持つマグリブ(北西アフリカ)諸国からは、生え抜きのアフリカ人UFC選手も誕生し始めています。

本土と海外で影響し合い、力強く芽生え始めている「大いなる鉱脈」アフリカMMA。MMAの価値観を更なる高みへと押し上げるであろう精鋭達の活躍を願っています!

それではアフリカ選手たちの紹介です!

 

🌲同シリーズの過去記事🌲

 

 

"スーパー"

#1 f:id:paky21:20191216181757p:plainf:id:paky21:20191212123816p:plain ソディック・ユスフ

Sodiq Yusuff

出生 ナイジェリア ラゴス州 イコロドゥ

出身 アメリカ合衆国 メリーランド州 キャンプスプリングス

年齢 27歳

所属 チーム・ロイド・アーヴィン

階級 UFCフェザー級

ユスフは西アフリカのナイジェリアに生まれ、アメリカ合衆国に移住したナイジェリア移民です。ウスマンやアデサンヤ達と同じヨルバ人の血統で、ナイジェリア国旗を模したヘアバンドをトレードマークにしています。

ユスフは一夫多妻制の大家族で15人の兄弟と共に生まれ育ち、9歳の時にお母さんと弟の3人でアメリカ合衆国へ移住しました。名将ロイド・アーヴィンのチームで働きながら、ファイトマネーを祖国の家族へ仕送りし続けています。若き大黒柱として家族を支える「スーパー・ソディック」は、大きな飛躍が期待される西アフリカMMAの新鋭です。

ユスフは抜群のパンチ力を誇るストライカーであり、真っ向勝負の近接打撃戦を得意とします。左ジャブ&左リードフックで牽制し、ブロッキング(相手の打撃の遮断)で懐に潜り込んで右オーバーハンド(ショートクロス)で一撃KOを狙うフィニッシャーです。

「スピードの左リードハンド(前拳)、パワーの右リアハンド(後拳)」という両拳のコンビネーションで対戦相手を粉砕する様はパワーに溢れており、パワーファイトを終盤まで続けられるタフさも魅力です。グラップリングでもキムラスイープによるTD(テイクダウン)のカウンターや、四つ組みから小外掛けを狙います。

ユスフはUFCで無傷の4連勝中です。アンドレ・フィリでも激闘にパワーパンチで競り勝ってみせました。トップコンテンダーを相手どるには不安要素もあるユスフですが、西アフリカの未来を背負うプロスペクトの大いなる挑戦を観たいです!

 

"ブルドーザー"

#2 f:id:paky21:20200226171740p:plainf:id:paky21:20200206234036p:plain オトマン・アザイタル

Ottman Azaitar

出生 ドイツ ケルン デルブリュック/ヴァイデン

出身 モロッコ ラバト

年齢 30歳

所属 チーム・アザイタル

階級 UFCライト級

オトマンはモロッコ人の両親のもとでドイツに生まれたモロッコ移民で、ドイツ文化とアラビア文化の影響を受けて育ちました。マグリブ(北西アフリカ)MMAの新鋭「アザイタル三兄弟」の末弟であり、兄アブバクル・アザイタルはUFC選手、もう一人の兄オマール・アザイタル(アブバクルとは双子)は兄弟の専属マネージャーを務めています。

オトマンは6歳から柔術を習い、10歳からムエタイも始めます。アマチュアムエタイ選手として経験を積んだ後で、先にMMA選手として活躍した兄アブバクルを追って25歳でMMA選手に転向しました。

兄アブバクルがパワフルなボクシングを武器に闘うのに対し、オトマンは俊敏さと優れた打撃の撃ち分けを得意とするストライカーです。左ジャブと右ローキックによる牽制から鋭角な右オーバーハンドの一撃の鉈を振るい、その強い一撃をフェイントに連携させる左フックの追撃で攻めるのがオトマンの最も得意するスタイルです。

オトマンは「遠くからのシャープな強打」と「ジグザグ移動のフットワーク」で相手を攪乱して撃墜するハードパンチャーであり、シンプルな武器を最大に活かす野性的な攻撃性で鮮烈なKOを量産してきました。

UFCで2連勝、全キャリアを通じて13勝無敗という戦績を持つオトマン。ティーム・パッカレンとカーマ・ワーシーを右オーバーハンドの鉈で一刀両断してみせたのは見事でした。荒々しく獰猛な「破壊の申し子」アザイタル三兄弟の末弟オトマンの大一番をぜひ観たいです!

 

"マジックマン"

#3 f:id:paky21:20200226184118p:plain ドン・マッジ

Don Madge

出生 南アフリカ共和国 西ケープ州 ケープタウン

出身 同上

年齢 30歳

所属 マッドフィットMMA

階級 UFCライト級


マッジは「喜望峰」で知られる南アフリカ共和国ケープタウン出身です。ムエタイ戦士からMMA選手に転向し、南アフリカ共和国とタイの二ヶ国で鍛錬を積む南アフリカの若き先駆者です。

マッジは6歳から空手を習い、14歳からムエタイを習い始めると16歳で本場タイへ渡り、70戦以上の試合経験を積んでいます。その後に南アフリカへ帰還したマッジはブラジリアン柔術の習得に努め、20歳でMMAデビューして国内MMA大会で最年少王者になりました。

マッジはムエタイ仕込みの強打を持つ獰猛なストライカーです。多彩なパンチのコンビネーションと強烈なミドルキックの波状攻撃でアグレッシブに攻め続け、ストレートをフェイントに必殺のハイキックを叩き込むのを得意としています。ムエタイの肘打ちや膝蹴りも強烈で、寝技でも容赦なくパウンド&肘打ちの雨を降らせます。

マッジは同時にテクニシャンとしての一面を併せ持っており、タイクリンチ(首相撲)やピボットで相手のTDを回避し、慎重にタイスイープやレッグダイブで戦局を切り替えられる冷静さもあります。シッティングガードから三角絞めやアームバーを狙っていく柔術技のカウンターも得意としています。

マッジはUFCで2連勝中です。ティ・エドワーズを手詰まりにさせてハイキックで圧巻のKO勝ちを奪い、昨年はファリス・ジアムにパウンド連打で完封勝ちしました。キャリアの円熟期を迎えたマッジが、今年は格上の相手への挑戦を観たいです!

 

"チロボ"

#4 f:id:paky21:20200227104619p:plainf:id:paky21:20191212123816p:plain インパ・カサンガナイ

Impa Kasanganay

出生 アメリカ合衆国 フロリダ州 フォートローダーデール

出身 アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 ガストニア

年齢 26歳

所属 ジム-O

階級 UFCミドル級

カサンガナイは中部アフリカのコンゴ民主共和国(DRコンゴ/ザイール)出身の両親が移住したアメリカ合衆国で生まれ育ちました。DRコンゴ南部に住むルバ族(バルバ族)の血統を継ぎ、ニックネームの「チロボ」とは父親から授かった「神の戦士(英雄)」を意味する言葉です。

NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)選手になる事を目指していたというカサンガナイは、大学時代にNFL選手を介してMMAと出会います。MMAの魅力に惹かれたカサンガナイは、大学を卒業した24歳からMMA選手を目指してトレーニングを始めました。

カサンガナイは破壊力ある打撃を持つムエタイ型ストライカーです。フットワークを使って左右に跳ね回り、上段・中段に力強いパンチを打ち分けて試合を支配します。近距離での肘打ちやローキック&ハイキック等、一つ一つの攻撃に重さがあります。

昨年にUFCデビューし、1勝1敗の戦績を残したカサンガナイ。マキ・ピトロ戦で自慢の強打の威力を示したものの、ホアキン・バックリー戦ではガス欠した所で衝撃のスピンキックKO負けし、「UFCの洗礼」を受けてしまいました。今年はカサンガナイにとって試練の年になると感じますが、中部アフリカの若き「神の戦士」の奮起に期待しています!

 

"ザ・スナイパー"

#5 f:id:paky21:20200227090527p:plainf:id:paky21:20200310142527p:plain ムニール・ラザーズ

Mounir Lazzez

出生 チュジニア スファックス

出身 アラブ首長国連邦 ドバイ (カナダ モントリオール

年齢 33歳

所属 チーム・ノゲイラ・ドバイ

階級 UFCウェルター

ラザーズはアラブ首長国連邦に住むチュニジア人です。アラブ首長国連邦のチーム・ノゲイラ・ドバイにおいて、ムエタイ部門のヘッドコーチを任されているマグリブMMAの実力者です。

ラザーズは15歳でMMAの訓練を始め、23歳にはレスリングの技術向上を求めてカナダにも出稽古に行っています。26歳の時にドバイに移住したラザーズは、アラブ諸国の練習環境のみでUFC選手に辿り着きました。ラザーズはアラブMMAの新たな可能性を示す存在であり、アラブ/マグリブMMAの成長を促す牽引者です。

ラザーズは「スナイパー(狙撃手)」のニックネームに相応しい、優れた観察眼とリーチを活かした長距離砲で攻防を征するストライカーです。正確な左ジャブ&右ストレートと多彩な蹴り技を持つラザーズは、中~遠距離で後の先を取り続けて試合を掌握する力を持ちます。攻め所を落とさないラッシュのタフさも魅力です。

ムエタイをベースに持つラザーズは肘打ち&膝蹴りの使い手でもあります。パンチのフェイントから真っ直ぐに放たれる右の膝蹴り(ストレートニー、カオ・トローン)、相手の前進を押し止める左の突き出す肘打ち(エルボースラスト、ソーク・プーン)といった技は、相手のテンポを乱す強力な奇襲技です。

昨年にUFCデビューを果たしたラザーズは、アブドゥル・ラザク・アルハッサンの強振パンチ&カーフキックを捌き、鋭いカウンターを刺し続けて見事に競り勝ちました。アラブMMAが生んだマグリブムエタイ戦士、ラザーズの妙技に今年も注目したいです!

 

"ザ・モロッカン・デビル"

#6 f:id:paky21:20200226171740p:plainf:id:paky21:20191212123816p:plain ユーセフ・ザラル

Youssef Zalal

出生 モロッコ カサブランカ

出身 アメリカ合衆国 コロラド州 イングルウッド

年齢 24歳

所属 ファクトリーX

階級 UFCフェザー級

ロッコ国旗を模した赤いヘアバンドを巻くザラルは、マグリブMMAの若き新鋭です。「モロッカン・デビル(モロッコの悪魔)」というニックネームは同郷のキックボクサー「悪童」バダ・ハリに由来し、荒れた少年時代の人間関係を断つ為に12歳からキックボクシングを習い始めました。

ザラルは15歳の時に家族と共にアメリカへ移住し、そこで初めてMMAと出会い練習を始めます。20歳からは地元デンバーのアマチュアMMA大会で経験を積み、22歳の時にプロMMA選手としてデビューを果たしました。

ザラルはキックボクシングと柔術をベースにしたオールラウンドな選手です。主な武器はリーチを活かしたパンチの連打や、身体能力の高さを感じさせる飛び膝蹴り等の思い切った攻撃です。しかし、ザラルの一番の魅力はアマチュアMMAから研鑽を積んだ吸収力のある若手らしい「MMAとしての攻撃」ができる事です。

フレームで隙間を作って放つアッパー、ケージピン(金網への押し込み)からの肘打ちなど多彩な打撃、ボディロックからの裏投げやニータップ等の投技、ダースチョークやヒールフックといった寝技に至るまで、MMA好きである程二ヤリとできる豊富な技の連携ができる選手だと感じます。

昨年にUFCデビューを果たすと年間4試合をこなし、3勝1敗という好成績を残したザラル。唯一の敗戦となったイリア・トプリア戦は得意の膝蹴りにレベルチェンジTDを何度も合わせられてしまいましたね~;若き「モロッコの悪魔」ザラルの更なる奮起に期待しています!

 

"ダ・ドン" 

#7 f:id:paky21:20210118003217p:plainf:id:paky21:20200227104844p:plainf:id:paky21:20191212123816p:plain タフォン・ンチュクウィ

Tafon Nchukwi

出生 カメルーン 北西州(アンバゾニア共和国) バメンダ 

出身 アメリカ合衆国 メリーランド州 ハイアッツヴィル

年齢 26歳

所属 チーム・ロイド・アーヴィン

階級 UFCミドル級

ンチュクウィはカメルーンで生まれ、10歳でアメリカ合衆国へ移住したカメルーン移民です。「アンバゾニア共和国」として独立を主張する英語を話す北西部カメルーン出身であり、フランシス・ンガヌーたちフランス語を話す南西部カメルーンとは異なるルーツを持つ選手です。

様々なスポーツの中から「闘争がある」MMAを選んだというンチュクウィ。ニックネームの「ダ・ドン」は、自分の名前「タフォン」と発音間違いをされる「テフロン・ドン(傷つかない首領/NYマフィア、ジョン・ゴッティの異名)」に由来します。ンチュクウィは故郷アンバゾニア共和国の旗を掲げて闘う中部アフリカMMAの新鋭です。

ンチュクウィはキックボクシングとブラジリアン柔術をベースに持つストライカーです。どっしりとした重厚な構えから繰り出される剛腕フックの連打と、そこから鮮やかに蹴り込むハイキック&ミドルキックと膝蹴りでフィニッシュを狙う攻撃性の高い打撃スタイルを持ちます。

昨年末にUFCデビューを果たしたンチュクウィは、同じく初参戦となったジェイミー・ピケットと熱戦の末に勝利しています。タフなピケットからハイキックでダウンを奪ったシーンは素晴らしかったです。今年も「ダ・ドン(首領)」ンチュクウィの更なる快進撃に期待しています!

 

"スティルノックス"

#8 f:id:paky21:20200226184118p:plain ドリカス・デュ・プレシ

Dricus Du Plessis

出生 南アフリカ共和国 ハウテン州 プレトリア ハットフィールド

出身 同上

年齢 26歳

所属 チームCIT

階級 UFCミドル級

デュ・プレシは南アフリカ北西部の世界都市プレトリアに生まれ育ちました。母国と東欧ポーランドの二ヶ国で活躍し、両国で王座を獲得した南アフリカの新鋭です。

デュ・プレシは5歳から柔道を習い、12歳からはレスリングも始めます。14歳の時に観た「ネバ―・バックダウン」という映画に出てきたMMA選手に影響を受けて、打撃の習得を目的にWAKOのアマチュアK-1選手としてキャリアを積みます。18歳でWAKOアマチュアK-1王座を獲得したのを機にMMA選手へ転向しました。

デュ・プレシは中~遠距離の打撃戦を得意とするキックボクシングの使い手です。ローキックで下段を崩してからミドルキック&パンチでKOを狙う王道の打撃スタイルであり、序盤は相手の攻撃を視て、徐々にタイミングを合わせてKOを狙います。

デュ・プレシ最大の武器はシフティングから放つフック&アッパーで、相手が攻めて来たところにカウンターの一撃を合わせて鮮烈なKO勝ちをみせています。レベルチェンジして低空レッグダイブTDと連携させるのも得意です。寝技ではヘッドロックで押さえ込みギロチンチョークや裸絞めを狙うのが得意で、「攻め」に関してはどの局面でも強さを魅せられる選手です。

不安な要素としてはK-1時代の癖なのかグローブ前提のハイガードを咄嗟にしてしまいがちな所で、何度かこの隙間を打ち抜かれています。近距離打撃の進化が目覚ましいUFCで生き残るには、この弱点を克服できるかにかかっていると感じます!

昨年のUFCデビュー戦でマルクス・ペレスに豪快なKO勝ちをしたデュ・プレシ。ペレスの踏み込みに合わせたカウンターの右フック&シフティングからの左アッパーは素晴らしかったですし、今年もハードな打撃戦を魅せて欲しいです! 

 

"アフリカン・サヴェージ"

#9 f:id:paky21:20191216181757p:plainf:id:paky21:20191212123816p:plain ケネディ・ンゼチュク

Kennedy Nzechukwu

出生 ナイジェリア イモ州 オウェリ

出身 アメリカ合衆国 テキサス州 ダラス

年齢 28歳

所属 フォーティスMMA

階級 UFCライトヘビー級

ンゼチュクはナイジェリアで生まれ、アメリカ合衆国に移住したナイジェリア移民です。ユスフたちヨルバ人とは異なるイボ人(イグボ人)の血統を継いでいます。

ンゼチュクは19歳で家族と共にアメリカ合衆国へ移住しましたが、23歳の時にお母さんに難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)が診断されてしまいます。家族の生活を支える為に働きながら25歳でプロ選手としてデビューすると、27歳でUFCの登竜門番組「DW Contender Series」でチャンスを掴みUFCの契約を勝ち取りました。

ンゼチュクは長身とリーチの長さを最大限に活かして闘うストライカーです。鋭い右ジャブや右前腕によるフレーム(突っ支い、心張り)で相手を突き放し、左ストレートや左ハイキックの長距離砲で狙撃します

近年は右リードハンドによるトラッピング(掌による捕獲)やレベルチェンジTDのフェイントを混ぜるスタイルへと進化しており、フェイントから繰り出される左膝蹴りはンゼチュク最大の武器です。

ンゼチュクは一昨年にポール・クレイグをKO寸前に追い込むも、ラスト40秒で無念の逆転一本負けを喫してしまいました。最高峰UFCの洗礼を浴びたンゼチュクでしたが、次戦のダルコ・ストシッチ戦は有効打を当てて競り勝ちました。西アフリカMMAの重量級選手として、今年もンゼチュクの高い才能が発揮される事に期待しています!

 

"スマイル・キラー"

#10 f:id:paky21:20200226170124p:plainf:id:paky21:20200124184114p:plain ファレス・ジアム

Fares Ziam

出生 フランス メトロポール・ド・リヨン ヴェニシュー/ジボール

出身 同上

年齢 23歳

所属 チーム・エズビリ

階級 UFCライト級

ジアムはアルジェリア移民の血統を継ぐアルジェリア系フランス人です。フランス南東部の都市リヨンのコミューン出身であり、マグリブMMAとフランスMMAの未来を背負った22歳の新鋭です。

ジアムは12歳の時にTVでUFCを観たことでMMA選手になることを決意します。当時のフランスはMMAが規制されており、ジアムは同郷のアルジェリア系フランス人キックボクサー、エズビリ兄弟が運営する格闘スポーツチームに入門します。キックボクサーとして活躍しながら近隣国を巡ってMMAの経験を積み、昨年にUFC選手となるチャンスを掴みました。

ジアムは伸びのある長打を駆使するキックボクシングの使い手です。相手の前進をローキックで止め、右の強振クロス&オーバーハンドを振ってダブルレッグTDに繋げるのが得意の攻撃パターンです。スイッチからハイキックを繰り出すなど、「MMAの打撃」としては未完成ながら蹴り技の使い手としての片鱗も見せています。

痩身から想像する以上に体幹のコアも強く、組み技や寝技でも果敢に攻める事でスプロール&スイープを成功させるシーンも観られます。今後はさらに打撃のバリエーションを増やす事と、パワーの底上げが大事になって来ると感じます。

「青田刈り」ともいえるUFCデビューを果たしたジアム。初戦のドン・マッジ戦は打撃戦でマッジの圧力とスピードに照準が合わないまま敗れました。ジェイミー・マラーキー戦では左ジャブ&ローキックを決めてギリギリの勝負に競り勝っています。ブルガリアスウェーデンに出稽古に赴くなど直向きさを感じますし、努力を結果に昇華できるかに注目しています!

 

以上、UFC飛躍シリーズ「アフリカ編」でした!

ウスマンとアデサンヤの快進撃は本当に「アフリカって凄い!!!」と世界に知らしめましたね~、2人とも今年もガンガン活躍して欲しいです!フランシス・ンガヌーさんも今年は王座を射程圏に捉えていますし、ミオシッチとの再戦は是非とも観たいですね~。アフリカ3人目のUFC王者となれるのでしょうか!

アフリカの選手たちは、皆さんが本当に色々なハンディキャップに苦しんで来ています。そんな逆境をアフリカ人としての強いアイデンティティで打ち破る、そんなパワー溢れる姿はやっぱりカッコ良いです。

南アフリカ共和国出身のJP・バイスや、ポルトガルアンゴラ移民マネル・カペたち若いアフリカの新鋭たちも続々とUFCデビューしてくるであろう2021年。現在はパンデミックで難しい時期ですが、UFC史上初のアフリカ大会の開催も本当に実現して欲しいです。

今年も「アフリカって凄い!!!」をどんどん観せていって欲しいです!🌍

 

今年ものんびり更新していければと思います~ノシ

本年もどうぞよろしくお願いいたします!✨🎍✨