『Bellator 272 -セルジオ・ペティス vs. 堀口恭司-』
日時 ２０２１年１２月３日／日本時間１２月４日
会場 
モヒガン・サン・アリーナ
今年の「Bellator MMA」を締めくくる師走の大一番！
セルジオvs.堀口が迫ってきましたね～（めっちゃ楽しみ～）
今年５月に王座を獲得したセルジオのベルトに挑戦するのは、負傷による王座返上から２度目の王座獲得を狙う堀口です。
事実上のBellatorバンタム級の頂上決戦、真の王座決定戦となる一戦です✨👑✨
２人とも語り尽くされてきた歴戦のMMA選手ですけれども、試合前に２人の魅力を改めて振り返りたいな～と思い書いてみました！📝
本大会は２０２１年Bellatorの集大成となる大会であり、２人の他にも注目の選手達がたくさん出場します。
できたら他のカードの紹介もしたいですね～；（無理そう泣）
それではカード紹介ですノシ
目次
王者 Bellator第９代バンタム級チャンピオン
Sergio Pettis "THE PHENOM"
所属 ルーファスポート
年齢 ２８歳
得意技 右クロス、左ジャブ、左ロー＆右ハイキック、ギロチンチョーク等
伝説の「マトリックス・ニンジャ・キック（三角跳び蹴り）」で知られる兄・アンソニーの実弟であるセルジオ。
アンソニーがスピードと強烈無比な蹴り技を武器にアグレッシブに攻める選手であるのに対して、セルジオは優れた見切りと瞬時に繰り出される強打を持ち味とするMMAキックボクシングの使い手です。
セルジオは左右へ構えをスイッチさせながらステップアウトからのカウンタークロス、長いリーチを活かしたスティッフジャブ、パンチと連携させた左ロー＆右ハイキック等の多彩な打撃技を駆使します。牽制として横蹴り等も用いますが、メインは打撃の差し合いの中から勝機を掴み獲っていく真っ向勝負のストライカーです。
特に上体を大きくしならせたヘッドスリップと共に放たれる強烈な右クロスは、セルジオの最も得意とする主砲であると感じます。相手のパンチに毎試合ガンガン合わせていくのは非常に印象的ですね～。
攻撃的な右構え（オーソドックス）とディフェンシブな左構え（サウスポー）という、左右の構えで性質がちょぴり異なるところもセルジオの魅力です。奇麗に封殺して試合を支配していたと思えば、ヒヤヒヤする荒々しい攻めで一気に倒しに行くこともあります。
セルジオは偉大なる「ショータイム」アンソニーの実弟として、常に自分のMMAスタイルを模索して思考錯誤を繰り返してきた選手です。その果てに堅牢さと荒々しさを兼ね備えた現在のMMAキックボクシングが完成していったと感じますね～。
制空権を死守する堅牢さに加え、左ジャブで追い込み右クロスで出かかりを封殺し続けたフアン・アルチュレタ戦は、まさにセルジオのMMAキャリアの中でもベストに到達したパフォーマンスであったと感じます！
挑戦者 Bellator第７代バンタム級チャンピオン
Kyoji Horhiguchi ほりぐち きょうじ
所属 アメリカン・トップ・チーム
年齢 ３１歳
得意技 右ストレート、左リードフック、パウンド連打、ギロチンチョーク等
堀口は松濤館空手にルーツを持ち、空手の「膝抜き」を活かし相手の攻撃の「先の先」を捉えるという独創性に溢れたカウンタースタイルの持ち主です。
「膝抜き（ニー・リリース）」とは膝の弛緩に上体を連動させ沈み込ませる屈伸運動により激しい緩急のキレを生み出す空手の根幹を作る動きであり、堀口は前後へのフットワークの中にこの動きを組み込み、相手の懐に瞬間的に沈み落ちる事でプレッシャーをかけ、同時に追撃＆迎撃態勢へと連携させることに成功しています。
制空権のギリギリに触れて小さな火花をチラつかせる前傾姿勢のプレッシャーは、堀口がカウンターショットを打ち込む為の「撒き餌」です。
相手が迎撃＆追撃する為に制空権へと足を踏み入れた時、堀口は既に撃墜の準備を完了しています。前後移動と膝抜きの「撒き餌」から、相手が追撃を放たんとする直前の瞬間を狙い撃ちする「先の先」のカウンターを炸裂させます。
堀口のもう一つの特徴は、「膝抜き」をウィービングやスイッチ等に採り入れた緩急のある沈み込むボディワークです。この動きを活かし、最短距離で相手を射抜く左リードフックや打撃から瞬時に繋げる四つ組み、サイドへ瞬時に浮き移る離脱までをコンビネーションに組み込み、踏み込みから一瞬も途切れることのない連動性の高いMMAスタイルを作り出しています。
多くの空手出身の選手は一撃目を放った後の離脱や相手の反撃への対処等に弱みをみせますが、堀口は強打による追撃と寝技への変調、制空権からの離脱までをカバーした素晴らしいMMAスタイルの持ち主であると感じます！
堀口はルーツである空手に多彩な技術を組み合わせ、「制空権全体を把握し、敵の動きを手中に捕らえる」空手本来の強みをMMAで活かしている選手です。
「カウンター」とは決して消極的な攻めではなく、むしろ能動的な動きによって相手に「攻めさせて刈り取る」空間制圧技術です。
対戦相手の意識を置き去りにする電光石火の空間制圧は、まさに堀口の魅力の真骨頂であると感じますね～✨
セルジオvs.堀口 試合の展望など
セルジオvs.堀口は互いに近年では最強の相手であり、Bellatorバンタム級王座を懸けて争われるに相応しい熱いカードになりました！
セルジオも堀口もスイッチを多用する選手ですが、２人ともメインは右構え（オーソドックス）だと思いますし、右構え同士による制空権を争う打撃戦から始まるかな～？と感じますね～。
セルジオがどっしりと構えて見切る迎撃タイプなのに対して、堀口は素早く動きながら瞬時に踏み込む速攻タイプです。「守りのカウンター使いvs.攻めのカウンター使い」のカードともいえるかな～と感じます。
セルジオは左ジャブ＆左ローキックで堀口の速攻を居付かせ、右クロスで出かかりを潰していくような堅牢かつピリピリとした攻めを観たいですね～。
セルジオにとって堀口の動きに慣れるまでの序盤は最も危険な時間になるだろうと感じますし、そこから如何に自分の得意な制空権を作り出せるか否かが戦局に大きく関わってくると感じます。試合が後半になるにつれミドル＆ローキックで堀口の速攻を止めるチャンスも生まれてくると感じます。
堀口は右ストレートの主砲でプレッシャーをかけながら、左リードフックや右カーフキックでセルジオの基盤を崩し嵐のようなラッシュに巻き込んでいって欲しいです。
堀口はバンタム級に転向してからスピード勝負＆ＫＯ重視のスタイルになっていると感じますけれども、それは真正面からのパワー勝負にやや分が悪いことの裏返しでもあると感じています。真っ向パンチ勝負だけでなく蹴りの距離から崩しつつ、勝機を手繰り寄せられるかに注目したいですね～。
序盤から堀口がプレッシャーをガンガンかけて、セルジオがそれを迎え撃つ形になるのかな～？…と思ってはいますけれども、２人とも経験豊富な選手ですし、更に効果的な驚くべき攻め手を魅せてくれることにも期待したいですね～😊
今回は打撃中心の紹介になってしまいましたけれども、セルジオはムエタイベースの首相撲や蹴りのカット＆足払い、ボトムからのガードワークを得意としますし、堀口も四つ組みからの力強いレスリング＆強靭なアンチョーカブル（チョークを獲られない）とパウンドによる逆襲ができる選手です。
セルジオはリーチも長くクリンチも強く、そこから足払いで崩すことも出来る選手です。一方で堀口はフック＆レベルチェンジから四つ組みへ繋げる力に長け、そこからスラムやバックテイクに繋げることができます。
セルジオは首相撲や蹴りのカットで崩してあくまでもパンチの距離に堀口を捕まえていきたいでしょうし、堀口は遠距離から飛び込み鯖折りやボディロックで崩していければTDのチャンスもあると感じます！
打撃戦からグラップリング勝負にもチャンスがあればガンガン行って欲しいですし、全力のぶつかり合いに期待したいです！
Bellatorバンタム級にも新たな才能が次々と集まって来ていますね～🥰
大熱戦を繰り広げたラフィオン・ストッツとマゴメド・マゴメドフ。
LFAとACB（現ACA）で圧倒的な強さを魅せてきた２人のメジャー台頭は非常に熱いです🔥
ウェルラウンドな強さをみせるジョネル・ルーゴや、突出した寝技スキルで連勝したジェイロン・ベイツ、プロ１戦ながら若き日の堀口を彷彿とさせるボビー・セロニオⅢ世など、若手選手たちも頭角を現してきています。
新たなメンバー達が鎬を削るであろう２０２２年のBellatorバンタム級王座戦線を占う意味でも、今回の頂上決戦がグレートな試合になって欲しいと願っています！✨
