『Win or Go Home./勝つか、敗れ去るか。』(『PFL プレーオフ』公式キャッチコピー)
今年も『PFL/プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ』のシーズンが到来しましたね~!
2018年に始動し、今年は通算で4シーズン目となる『シーズン2022』。
本大会も世界各国から6階級それぞれに、個性と実力を兼ね備えた10名の選手たちがエントリーしています!
『PFLチャレンジャー・シリーズ/PFL challenger Series』の開催により、更に国際色煌びやか、かつ群雄割拠を増した感のある今シーズン。
『WSOF』時代から数えて10周年を迎えるPFL。円熟している今だからこそ、その歩みを改めて振り返りたくなりました。
今回は『PFL』のシステムやルールについて、簡単に概要をまとめてみました!
新しく『PFL』を観てみたい!という方も、ぜひ一読して頂けると嬉しいです~ノシ✨
目次
- #1 PFLにおける『シーズンのシステムとルール』
- #2 PFLにおける『レギュラーシーズン/シード枠決定戦』
- #3 PFLにおける『プレーオフ/トーナメント準決勝』
- #4 PFLにおける『チャンピオンシップ/王者決定戦』
- #5 PFLシーズン2022 エントリー選手一覧
- #6 おわりに
#1 PFLにおける『シーズンのシステムとルール』
①シーズンの概要
PFLにおける『シーズン』とは「レギュラーシーズン」「プレーオフ」「チャンピオンシップ」の3段階で構成され、1つのシーズンは1年を通して行われます。
「①レギュラーシーズン」では6階級に各10名の選手によりシード枠決定戦が行われ、「②プレーオフ」シード枠への出場者(今シーズンは4名)が決定します。
「②プレーオフ」では6階級のシード選手によりトーナメント準決勝が行われ、「③チャンピオンシップ」決勝戦への出場者2名が決定します。
「③チャンピオンシップ」では6階級すべてのトーナメント決勝戦が行われ、優勝者は『シーズン』における『PFL世界王者』に認定され、チャンピオンベルトと賞金100万ドル/1億3千万円を授与されます。
②主な試合ルールの特徴
PFLの試合は『MMA統一ルール/Unified Rules of MMA』に基づいて施行されます。
『①レギュラーシーズン』『②プレーオフ』の試合は5分×3ラウンド戦です。
『③チャンピオンシップ』は王座戦となるため、5分×5ラウンド戦となります。
PFLは上記ルールの他、独自のルールとして『肘打ちの禁止』を施行します。
PFL公式ルール『1.全体ルール/General』における「1-6.肘打ちの禁止/No Elbows」に従い、立ち技および寝技のすべての状況において肘打ちは禁止されます。
試合場は10角形の金網『PFLデカゴン/PFL’s Decagon』が全試合で使用されます。
#2 PFLにおける『レギュラーシーズン/シード枠決定戦』
参考動画:『PFL レギュラーシーズン2019』女子ライト級 ケイラ・ハリソン vs. モーガン・フライアー
①レギュラーシーズンの概要
レギュラーシーズンでは、『プレーオフ/トーナメント準決勝』へ進むシード枠決定戦が行われます。
レギュラーシーズンでは6階級で試合が行われ、試合結果によって「勝ち点」が与えられます。
最終的にレギュラーシーズン最終大会が終わった段階で、各階級で「勝ち点」の多い順に上位者(今シーズンは4名)がシード枠を獲得し、プレーオフ/本戦へと出場します。
②勝ち点の配分方法
PFLレギュラーシーズンでは、「勝者に3点」「敗者に0点」が与えられます。
「勝者は3点」は判定勝ちのほか、反則勝ちやウォークオーバー/不戦勝等でも与えられる基本3点です。
基本3点に加え、各ラウンドでTKO/SUB勝利するとボーナス点が与えられます。
1ラウンドで勝利…『クイック・シックス/Quick Six』
ボーナス3点が加点され、合計6点となる。
2ラウンドで勝利…『ファビュラス・ファイブ/Fab Five』
ボーナス2点が加点され、合計5点となる。
3ラウンドで勝利…『ファースト・フォー/Fast Four』
ボーナス1点が加点され、合計4点となる。
また、「引き分けは両者に1点ずつ」が与えられます。
③順位のタイブレーカー/同率順位者が多くなった場合のシード枠の決定方法
レギュラーシーズンで同点/同率順位者が多くなり、プレーオフへのシード4枠を超えてしまうことがあります。
その場合は、PFL公式ルール『2.レギュラーシーズン/Regular Season』における『2-5.順位のタイブレーカー/Standings Tiebreakers』に従ってプレーオフのシード枠出場者を決めます。
タイブレーカーは下記の1~10の基準から、該当する基準に沿って判断されます。
番号が若いほど優先順位は高くなり、2名の場合と3名以上の場合では基準が異なります。
1.直接対決で勝った者(3名以上の場合、他の同率順位者全員に勝った者)
2.レギュラーシーズンの試合数が多い者(但し、失格等による不戦敗は含まれない)
3.フィニッシュ勝ちの多い者
4.勝率(勝利した数÷レギュラーシーズンの試合数)が高い者
5.勝利時に費やされた合計時間が少ない者(不戦勝は試合時間15分とみなされる)
6.敗北時に費やされた合計時間が多い者(不戦敗は試合時間0分とみなされる)
7.判定決着における全ジャッジの本人のスコア合計数が多い者
8.判定決着における全ジャッジの対戦相手のスコア合計数が少ない者
9.対戦相手がレギュラーシーズンで獲得した勝ち点の合計が多い者
10.最終手段(2名の場合はコイントス、3名以上の場合はカードによる抽選)
これらの基準は、レギュラーシーズンでのみ施行されます。
#3 PFLにおける『プレーオフ/トーナメント準決勝』
参考動画:『PFL プレーオフ2019』ウェルター級準決勝 レイ・クーパーⅢ世 vs. クリス・カーティス
①プレーオフの概要
プレーオフでは、『チャンピオンシップ/王者決定戦』へと進む決勝進出者2名を決めるトーナメント準決勝が行われます。
各階級のシード4名のうち、順位によって下記の2カードが行われます。
シード1位 vs. シード4位…トーナメント準決勝 第1試合
シード2位 vs. シード3位…トーナメント準決勝 第2試合
但し、リーグ運営の裁量によりカードの組み合わせは変更される場合があります。
各階級には2名の『交代要員/Alternates』がリーグ運営の裁量により選ばれます。
レギュラーシーズンで勝ち点がある者は、交代要員に優遇されやすくなります。
トーナメントで負傷者が出た場合は、シード枠と交代要員のうちからリーグ運営が健康状態等を鑑みて代替出場者を決定します。
②タイブレーカー/トーナメントで引き分けが起こった場合の選出方法
プレーオフで試合が引き分けとなった場合には特別な措置がとられます。
PFL公式ルール『3.プレーオフ/Playoffs』における「3-3.タイブレーカー/Tiebreakers」に従い、3名のジャッジがどちらかの選手を指名します。
ジャッジの指名基準は「試合全体を俯瞰し、より試合を動かしていた選手」とされます。
この方法は各州の『アスレチックコミッション/運動委員会』の許可が必要です。仮にコミッションからタイブレーカー施行の許可が下りなかった場合、1ラウンドのスコアが多い方が決勝進出者となります。1ラウンドのスコアが同点なら2ラウンドのスコアを・・・という形で続きます。
これらの基準は、プレーオフでのみ施行されます。
#4 PFLにおける『チャンピオンシップ/王者決定戦』
参考動画:『PFL チャンピオンシップ2019』 ライト級決勝戦 ナタン・シュウチ vs. ロイク・ラジャボフ
①チャンピオンシップの概要
チャンピオンシップでは、決勝進出者2名による6階級のトーナメント決勝戦が行われます。
この試合は『PFL世界王座戦』も兼ねているため、試合は5分×5ラウンド戦が施行されます。
勝者は『シーズン』における最優秀成績者となります。
優勝賞金100万ドル/1憶3千万円を獲得し、『PFL世界王者』に認定され、チャンピオンベルトを授与されます。
チャンピオンシップの開催前に負傷や失格等で選手が欠場した場合は、シード枠の残り2名、または交代要員からリーグ運営が代替選手を選びます。
いずれの場合も選手は体重計量および各種検査を必ず合格する必要があります。チャンピオンシップのため、「1ポンドの許容/1 pound allowance」は認められません。
これらの基準は、チャンピオンシップでのみ施行されます。
#5 PFLシーズン2022 エントリー選手一覧
公式サイトより PFLチャンピオンベルト。今年は誰の腰に巻かれるのでしょうか!!
『シーズン2022』レギュラーシーズンのエントリーは各階級で10名。
今年もシード4枠を懸けた試合が始まっています。
※負傷や失格等で撤退することで、今後エントリーが追加される可能性があります。
①PFLヘビー級
ブルーノ・カッペローザ(『シーズン2021』PFLヘビー級王者)
②PFLライトヘビー級
アントニオ・カルロスJr.(『シーズン2021』PFLライトヘビー級王者)
エミリアーノ・ソルディ(『シーズン2019』PFLライトヘビー級王者)
③PFLウェルター級
レイ・クーパーⅢ世(『シーズン2019、2021』PFLウェルター級王者)
マゴメド・マゴメドケリモフ(『シーズン2018』PFLウェルター級王者)
④PFLライト級
ハウシュ・マンフィオ(『シーズン2021』PFLライト級王者)
ナタン・シュウチ(『シーズン2018、2019』PFLライト級王者)
⑤PFL女子ライト級
ケイラ・ハリソン(『シーズン2019、2021』PFL女子ライト級王者)
⑥PFLフェザー級
ランス・パーマー(『シーズン2018、2019』PFLフェザー級王者)
#6 おわりに
というわけで、『PFL』についての紹介でした!
冒頭の『Win or Go Home/勝つか、敗れ去るか』は元々はNBAプレーオフ(ポストシーズン)のキャッチコピーで、PFLでもリーグのシステムを印象つけるような引用をされていましたね~。
もともとNBCやESPNといったシーズン制スポーツを放送する局に先導される形で始まったPFLですので、こういったキャッチコピーのイメージはそのまましっくりきますね。
「敗れ去る」と訳した「Go Home/直訳:家に帰る」が特に好きなところですね~。
「1度きりの大勝負」というテーマが、簡潔かつ直球な言葉で表現されていると感じます!
『PFL』はロゴがNFLを踏襲したようなデザインだったり、勝ち点の「ファビュラス・ファイブ/Fab Five」もNCAAバスケットボールの用語だったりと、全体的に米国の人気スポーツの影響を強く受けていると思います。それが米国スポーツ界生まれのPFLらしいスマートさに繋がっているとも感じますね〜!b
「MMAにシーズン制スポーツの仕組みを導入する」という難しいテーマに取り組み続けるPFLは、メジャーMMAプロモーションの中において特別な存在感を放っています。
それはWSOF時代から続く、このプロモーションならではの才能溢れる新星が台頭する舞台であるからだと感じています。
厳しい試合を乗り越えた先、プライズプールから優勝賞金100万ドルを獲得した選手たちの選択は様々です。
ショーン・オコネルさんのように完全にMMA選手からコメンテーターへと転身する人もいれば、ナタン・シュウチのように二冠達成後もひたすらにPFLを代表して闘い続ける選手もいます。どちらも大きな栄誉を手にした者として非常にカッコ良いと感じますね~!
今回のブログを書いていて、PFLへの理解をまた少し深めることができたことが嬉しく思いますし、今シーズンも熱い試合の数々を楽しみにしていきたいです!!✨