クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

2022.11.25 『PFL Championship 2022』 試合の感想!!!最高に次ぐ最高!!!!!

 
 
 
 
 
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ケイラ・ハリソンとラリッサ・パシェコがエンパイアステートビルにてフェイスオフ!!

 

 

「PFL Championship 2022」観終わりました~~~~~

いや~~~~~~~~~~~~~最高でした…(最高)

 

DAZNの配信ページ、一週間くらいディレイ視聴できます!

ぜひとも観ていない方には⇧のページから観に行って欲しいです!!!!

 

試合に先立ち、今回の対戦カード紹介も書きました!こちらです⇩

たくさん予想を超えてくれるシーンが観られました~!満足~!!

 

PFLのシステム&ルールについても紹介しています~ノシ⇩

思えばここから遠くまで来ました…

 

今年のPFLに出場した日本MMA選手、工藤諒司の対戦カードについて書きました!

工藤は来年のPFLにも出場して欲しくなる見事な活躍でしたね~!

 

溢れる試合後の想い出を忘れないうちに、感想を書きました!!!!!!

いや~、これほどの衝撃とは…2022年のMMAで最高の大会でした👑

 

それでは試合感想です~ノシ

 

 

👑PFL 2022 ヘビー級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

アンテ・デリヤ(2位) vs. マテウス・シェッフェル(5位)

5ラウンドの長丁場という事もあり、お互いに足を止めた打撃戦に臨んだ序盤。

シェッフェルの左リードフックはやはり斬れ味抜群、デリヤはステップで左右に振った方がいいのでは…と思った最中、デリヤがなんと左リードフックに更に左リードフックを被せたカウンターを炸裂!!!!

この一発が効いたシェッフェルが体勢を立て直す隙を与えずに、デリヤがガードの隙間を射抜くパンチの連打でダウンさせてKO勝ちしました!!!!

レギュラーシーズンで戦った相手とのリベンジという、プレッシャーの強い状況を見事に跳ね返して、文字通りの完全優勝を果たしたデリヤ!!!!

クロアチアMMAに久方ぶりのビッグメジャータイトルが齎されました!!!

PFLで挫折も経験してきたデリヤだけに、この優勝は感無量でした…😭

おめでとーーーーー✨✨👑✨✨

 

👑PFL 2022 ライトヘビー級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

ロバート・ウィルキンソン(1位) vs. オマリ・アフメドフ(2位)

5ラウンドの長丁場、ヘビー級と同様に足を止めて打撃戦に臨んだ両者。

遠距離のウィルキンソンと近距離のアフメドフという制空権争いが注目の一戦でしたが、開幕の制空権を獲ったのは遠距離からパンチを放ったウィルキンソンでした。

ウィルキンソンの圧力のかけ方、自分の距離に試合を持っていく詰め方が素晴らしかったですね~!アフメドフは下がらされてしまいました。

ウィルキンソンはじわじわとロングパンチを撃ち込み、タフなアフメドフをガリガリと削ります。更に膝蹴りも要所で叩き込むとアフメドフは顔から大流血、ウィルキンソンは勝機とみて一気に波状攻撃を仕掛け、遂に2R終了間際にダウンを奪います!

100万ドルが懸かった試合というのは、やはり観る者を狂わせるのでしょうか…2Rが終わった時点でアフメドフは壊滅的なダメージを負っており、これ以上続けるのは非常に危険な状態であったと思います。にも拘わらずコーナー陣営は血気盛んにアフメドフを駆り立てようとし、解説席も興奮してしまっていたのは恐ろしかったですね‥;;

だからこそ、試合をしっかり止めてくれたレフェリーはじめ審判チームの采配は本当に素晴らしかったですね~、「熱」に浮かされずにやるべきことをやり選手を守った、審判チームに万雷の拍手です!!!!!!(ありがとう…)

そしてオーストラリアにメジャータイトルを齎したウィルキンソンが何より素晴らしかったです!レギュラーシーズンで1位通過、更にトーナメントを含め全試合でKO勝ちという、最高の結果を叩きだしての優勝です!!!「オジ・オジ・オジ」*1!!!!!

 

👑PFL 2022 ウェルター級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

サディブー・シー(2位) vs. ディラノ・テイラー(5位)


完全に予想通りの一戦でしたね~。シーがアウトファイトを貫徹しました!

リーチの長い選手が「下がる」フットワークを駆使すると、相手は追うことしか出来なくなり、捕らえるのは非常に難しくなります。リーチ(フレーム)の長さは「下がる」ことで空間を掌握するからこそでフルに活きることを実感しますね~。

つい先日のアレックス・ペレイラvs.イスラエル・アデサンヤ戦でも思いましたが、「下がる」ことで試合を制するロングリーチのストライカーでも5Rフルに「下がる」ことは体力的に難しいということです。アデサンヤも4R以降に足が止まり、壁を背負うことでペレイラの拳に捕まってしまいました。

テイラーも4R以降に左ジャブでとらえ始め、果敢に強打を狙い続ける姿勢は素晴らしかったです。とはいえ、流石に新鋭のテイラーに百戦錬磨の立ち技師ペレイラと同じことを期待するのは酷でしたし、シーも最後まで右ジャブ&左ミドルキックでしっかり効果的な打撃を与えて競り勝ちました!

改めて「下がる」ロングリーチのストライカーを捕らえることは5Rの長丁場でも難しいことを実感しましたね~。(逆説的にペレイラの凄まじさも実感します;)

この勝ちはシーが強みを活かして貫徹できたからこそ、見事な完封勝利でスウェーデンMMAにメジャータイトルを齎しました!!シーの生まれはセネガルですので、セネガル人としては史上初のメジャーMMA戴冠者にもなりましたね!

 

👑PFL 2022 ライト級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

オリヴィエ・オーバン=メルシエ(2位) vs. スティーヴィー・レイ(4位)

早熟のベテラン二人により、予想を遥かに超えた素晴らしいMMAを魅せて貰えました~!

サウスポー同士という今までの相手とは違う条件で、レイの左フックがOAMの盤石を崩せるか…という見立てでしたが、その条件はレイ側にも適用されるのだ、ということを突き付けられましたね~!;

OAMはサウスポー相手にもキッチリと距離を作り、左カーフキックやTDアテンプトでじわじわとレイの勝機を削りました。レイも果敢に前に出て勝負に出ましたが、OAMはそこに右チェックフックを炸裂させ、完璧なダウンを奪いKO勝ちしました!!!!

いや~、レイはレベルチェンジTDとの「二択」を迫ることが出来ませんでしたね~💦ひょっとするとサウスポー相手への「二択」は慣れていなかったのかな…。

そうなるとOAMの左オーバーハンドの大砲が制空権を握り、盤石を切り崩すことは難しくなって行きましたね。レイもオーソドックスにサウスポーで勝ってきた選手、サウスポー同士で条件が崩れるのはお互い様でしたし、そこを失念していたのは無念です…

全局面で上回ったOAMの完膚なきまでの名勝利でした~!御見それしました!

そしてカナダMMAに齎された久方ぶりのビッグタイトル!!!!ローリー・マクドナルドのBellator戴冠以来の快挙です!!!!!!!!おめでとーーーー!!!!!

 

👑PFL 2022 フェザー級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

ブレンダン・ラフネイン(4位) vs. ババ・ジェンキンズ(3位)

心身ともに最高のコンディションを感じさせる両者の激闘が繰り広げられました!(最高すぎる)

ラフネインの高速スイッチ&右軸足へのカーフキック地獄に対して、ジェンキンズも右ジャブ&左ストレートの強打とダブルレッグTDで攻める激闘が展開されました。

ジェンキンズはやはり強い!改めてフィジカルが素晴らしいことを実感しましたね~。パンチのリーチと威力で完全に勝っていて、ラフネインの鼻を折り流血ダメージを与えてタフな試合を展開できていたと思います。

驚異的だったのはラフネイン!!まずジェンキンズのTDをケージに張りつき耐えてリンプレッグで脱出したのが素晴らしかったです。ほぼこの攻防に試合のイニシアチブが収束していたと思いますし、脇の差し合いやバランスの崩し合いでTDを獲られきらなかったのは、何か特別な力が憑依したかのようでしたね~。

そして軸足へのロー&ボディへの前蹴りを最後まで諦めずに撃ち込み続けたことが、巨大な岩を水流が削り落とすように蓄積ダメージとなっていきましたね…。迎えた4Rのチャンピオンシップラウンド、フェイントから右ストレートで顎を撃ち抜くとジェンキンズはたまらずにダウン!水流の蓄積が巨岩を切り崩した瞬間でしたね~…

ジェンキンズは右ハイキックを警戒してか終始ラフネインのローキックを防御しませんでしたが、そのタフさへの自負が結果的に敗因を呼び込んでしまったのか…最後のダウンも効かされた&脚が踏ん張れなかったの二重ダメージによるものだったと感じますね…

タフなジェンキンズをダウンさせKO勝ち。準決勝のウェイド戦に続き信じられないグレートファイトを魅せてくれたラフネインが、英国ブリティッシュMMAの歴史に刻まれる快挙を達成しました!!

リオン・エドワーズが絶対王者カマル・ウスマンを乾坤一擲の左ハイでKOしてUFCウェルター級王座を獲得するという偉業を成し遂げ、ブレンダン・ラフネインもまたPFLフェザー級王座を戴冠するという、まさに「英国MMAが勝利した年」となった2022年でしたね!👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻

ラフネインはBAMMAでは不可解な判定でトム・デュケノアに敗れて王座を逃し、DWSCでも完勝したのに「最後にTDを狙った」という理不尽極まりない理由で契約してもらえませんでした(この件は未だに超怒ってます、許せない暴論)。

そんな逆境を進んできたラフネインが、母国やDAZNヨーロッパシリーズ解説の後押しを受けて旗頭として相応しい試合の末に快挙を達成したこと…こんなことが起こり得るからMMAは素晴らしいと、改めて感じましたね~(感涙)ラフネインおめでとーーー✨👑✨

 

👑PFL 2022 女子ライト級チャンピオンシップ 5分×5ラウンド

ケイラ・ハリソン(2位👑👑) vs. ラリッサ・パシェコ(1位)

今年のPFLを締めくくるメインイベントを務めた二人、最後まで死力を尽くした素晴らしい試合でした!!

ハリソンの投げはやはり一級のなかの一級、1ラウンドの崩し合いからの大外刈は特に美しかったですね~。パウンドの威力もあり、今回も素晴らしいパフォーマンスでした。

しかし、天才ハリソンも遂に長丁場で互いが消耗し合い削り合う「鉄火場」を初めて経験しましたね~!TDで押さえ込まれてもニーガードで話して下からパンチを撃ち込み続けたパシェコの執念が、ついにハリソンのガス欠を呼び込みました…!!

パシェコは四つの投げ合いでも押し負けず、進化を遂げた強振のパンチでハリソンを射抜きます。特に4ラウンドのスクランブル戦は素晴らしかったですね~。ギロチンで返したり、スイープも狙ったり…不利となり恐怖もあったであろう寝技で防御一辺倒にならずにパンチで蓄積ダメージを与えて寝技でも諦めず下からでも鉄槌を撃ち込み続けてハリソンに易々と支配させることを頑として固辞しつづけました。まさにリベンジを誓う挑戦者の姿勢として見事でしたね~!

その「休めない」状況を作り続けたことが、ハリソンに未知の苦境を齎した可能性は高いですね…無敗の天才だからこそ陥ってしまう経験の少ないなかでも「鉄火場」という落とし穴にハリソンもまた引きずり込まれてしまいました。それでも最後までTDアドバンテージを譲らず闘い続けたハリソンはやはり素晴らしかったです。

試合はどちらもが効果的な攻撃を出し合い、判定も非常~~~に難しかったですが…ジャッジは三名ともにパシェコを支持!パシェコが悲願のリベンジ達成&PFL初優勝を獲得しました~!!!!

 

チャンピオンシップ以外の試合の感想

やはりシェイモン・モライスがUFCから移籍したマルロン・モライスに右オーバーハンドを炸裂させた大逆転KO勝ちが最高にテンションが上がりましたね~!

マルロンはローリー・マクドナルドやアンソニー・ペティスとは異なり、UFCから全盛期の力を残して移籍してきたメジャー選手です。階級が一つ上のフェザー級であったことも当然影響していますが、打撃戦で常にアドバンテージを獲り続けたシェイモンの確かな実力が呼び寄せた逆転KO勝ちであったと思います!

いよいよPFLも本格的にメジャーMMAプロモーションとしての山嶺を確立してきたかな…というのを実感するシェイモン・モライスの勝利でした!

 

PFLライト級二冠王のナタン・シュウチもジェレミー・スティーブンスを小外掛でTDして肩固めで完封一本勝ち!シュウチもPFL生え抜きの選手として、優勝賞金100万ドルを二度獲得しても尚闘い続ける生粋のMMA選手としてカッコよさ&強さに磨きがかかっていますね~。来年にも3度目の優勝を狙って欲しいです!!

 

第1試合では「モハメド・アリの孫」ことビアジオ・アリ・ウォルシュがアマチュア契約のライト級で圧巻のKO勝ち。その血統に違わぬ鮮やかなボクシングスキルを証明しましたね~。来年にはPFLでプロデビューを目指しているアリ・ウォルシュのMMA選手としての成長に期待していきたいですbb

 

おわりに

 

 
 
 
 
 
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6階級のPFL新チャンピオン、戴冠おめでと~~~~~~!!!!!

 

今年の「PFLシーズン2022」は過去最高の大会となりましたね…(ホントに凄かったです…)

一年の積み重ねが最高の試合を生むとはいえ・・・ここまで限界を超えた試合を魅せてくれた選手の皆さんには感謝しかないです…

運営チームの姿勢も審判チームの判断も良かったですし、こんなに満足のいく大会は久方ぶりでした。

PFL Challenger Seriesから決勝戦まで、合わせて149試合

その全ての試合を観てきて本当に良かった~!と思えるグレーテストフィナーレでした!!

クロアチア、オーストラリア、スウェーデン’(セネガル)、カナダ、イギリス、そしてブラジル…

まさかアメリカ合衆国の優勝者が一人もいなくなるとは想像もつきませんでしたし、長らくビッグタイトルに恵まれなかったクロアチアスウェーデン、カナダに栄冠が齎されたのは本当に嬉しかったです~✨

そしてイギリスMMAの快挙は本当に素晴らしい!!エドワーズもラフネインも針の穴を通すような勝機を手繰り寄せた激勝でしたし、それを達成し得るまでの逆境と努力を観てきたぶん、衝撃も喜びもひとしおでした…!ウスマンとジェンキンズにKO勝ちはホントに凄いって…今でもちょっと信じられないで手が震えてます(ホントに)

 

来年に向けて…PFLは日本でもDAZN!!

最高の一夜を経て、来年のPFLニュースを最後に紹介します!

 

2023年のPFLは、日本でも「DAZN」で配信が決定しました~!

 
 
 
 
 
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2023年のDAZN配信国がアップされています!日本もありますね~

 

来年のPFLはヨーロッパシリーズから開催されるという予告がされていますが、日本でもPFLが観らえるのは嬉しいですね~✨

石井慧川名雄生工藤諒司に続く、新たな日本からのPFL挑戦者にも期待しています!

 

【おまけ】

DAZNとのPFL契約国は、以下の国々となります~!

 

ヨーロッパ圏

アイルランド

アルバニア

アルメニア

アンドラ

イギリス

イタリア

ウクライナ

オーストリア

ギリシャ

ジブラルタル

ジャージー島

スイス

スペイン

スロバキア

チェコ

ドイツ

ハンガリー

フェロー諸島

ブルガリア

ベラルーシ

ベルギー

ポルトガル

マルタ

 

アメリカ圏、カリブ海

サンピエール島・ミクロン島

セント・マーチン島

 

ロシア・カフカス

アゼルバイジャン

ジョージア

 

アジア圏

インドネシア

ウズベキスタン

カザフスタン

カンボジア

キルギスタン

シンガポール

タイ

台湾

タジキスタン

トルクメニスタン

トルコ

日本

東ティモール

マカオ

マレーシア

モンゴル

ラオス

 

中東圏

イスラエル

 

オセアニア圏、太平洋域

キリバス

サモア

ソロモン諸島

ニューカレドニア

フィジー

マーシャル諸島

ミクロネシア

 

DAZNはヨーロッパ~アジア~太平洋域を主に担当するようですね~

来年も楽しみです!!!!!!!!

 

 

*1:「オジ(AussieまたはOZ)」は「オーストラリアの」を意味していて、「オジ」を三回繰り返すのがオーストラリア観客のチャント(大観衆による唱和)として知られます。