クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【MMAの前史#3 アメリカ編】『Tough Guy Contest(タフガイ・コンテスト)』を紹介!1980年、『修斗』『UFC』に先駆けたペンシルバニア州の古豪MMAプロモーション!【映画の日本公開プリーズ!】

MMA前史シリーズ、第3回はアメリカ合衆国で生まれた古豪MMAプロモーションを紹介です!

 

UFC第1大会の開催から遡ること13年前

修斗プリ・シューティング第1大会から遡ること6年前

1980年3月ペンシルバニア州ピッツバーグにて、とある総合格闘プロモーションによる大会が初開催されました。

 

同プロモーションの活動期間はわずか1年、開催数は10大会と、非常に短命でした。

しかし、現在のMMA(ミックスドマーシャルアーツ)に近しい思想のもと、全く新しい総合格闘スポーツを誕生させようと駆け抜けた、偉大な先駆者たちでした!

 

その古豪プロモーションは歩みの中で急速に名称を変えており、統一したプロモーション名はありません。

故に、現在は通称である『Tough Guy Contest(タフガイ・コンテスト)』と呼ばれています!

 

現在、公開されている数少ない『Tough Guy Contest』の紹介動画です。

1980年4月18日、『Tough Guy Contest』の第4大会にあたる「ヘビー級&ライト級トーナメント決勝戦」の映像であり、僅かながら試合映像も垣間見ることができます。

当時のアメリカ合衆国で発展していたフルコンタクト空手アメリカン・キックボクシング)*1を基盤に、柔道やレスリングといった組技&寝技が許可&評価される総合格闘ルールで試合は行なわれました。

『Tough Guy Contest』は独自にオープンフィンガーグローブを開発、ラウンド制階級制など様々な制度が採用するなど、新しいスポーツの組織化を目指しました。

同時に、統括機関として『WMAFA(ワールド・マーシャルアーツ・ファイティング・アソシエーション)』を設立し、州運動委員会による総合格闘の合法化も目指しました。

結果として早すぎた試みは志半ばで潰えてしまうのですが…

『Organized, Legalized, Streetfighting(組織化され、合法化されたストリートファイティング)』と上記の動画でも云われているように、総合格闘スポーツの組織化&合法化の重要性にいち早く気付き、実現に向けて邁進した優れた先見性には驚かされます…!!

 

映画『Tough Guys』のプロモーション映像です(観たい~~泣)

アメリカ合衆国では2010年代の中頃から伝記本『Godfathers of MMA(ゴッドファザーズ・オブ・MMA)』の出版などにより徐々に再認知されるようになります。

2017年9月15日にはドキュメンタリー映画『Tough Guys(タフガイズ)』が公開されるに至りました。

 

わたしは映画『Tough Guys』の日本での公開をずっと待っているのですけれども、残念ながらなかなかポジティブなニュースが聞けていないのが現状です…(´;ω;`)ウオーン

なので、今回は「映画が観たい~!」という気持ちを込めて、非常にザックリではありますがアメリカの偉大なMMA先駆者『Tough Guy Contest』を紹介してみたいと思います!

 

  • ★1 『Tough Guy Contest』について…創立の経緯、ルールの概要など
    • #1 「C(カリジュリ)」と「V(ヴィオラ)」…創立者は2人の空手家
    • #2 『Tough Guy Contest』ルール概要…先駆的なMMAルール
  • ★2 『Tough Guy Contest』大会一覧
    • #1 『Tough Guy Contest 1, 2, 3 -Battle of the Tough Guys-』
    • #2 『Tough Guy Contest 4 -Battle of the Brawlers-』
    • #3 『Tough Guy Contest 5, 6  -Battle of the Brawlers-』
    • #4 『Tough Guy Contest 7, 8 -Battle of the Super Fighters-』
    • #5 『Tough Guy Contest 9, 10 -Battle of the Brawlers-』
  • ★3 その後の『Tough Guy Contest』…終焉から現在まで
  • おわりに

*1:1960年代からアメリカでプロ格闘スポーツとして発展した、極真会館とは異なるスタイルのフルコンタクト(完全接触制)空手。ボクシンググローブと空手着(下半身のみ)を着用し、頭部への打撃が解禁。試合場はボクシングリングが採用される。日本に伝来した際には、「マーシャルアーツ」というアメリカ発祥の立ち技格闘スポーツとして紹介された。

続きを読む

【MMAの前史#2 日本編】『K-1』アルティメットファイトの歴史。総合格闘&ヴァーリトゥード&MMAの「特別試合」遍歴【格闘技オリンピック~HERO'S創立まで】

 

今回は「MMA前史」シリーズの第2弾!

グローブ空手(キックボクシング)組織『K-1』において行われた「総合格闘」ルールの試合について紹介してみます。

 

第1弾はこんな感じです↓

theanswer.hatenablog.com

 

正道会館空手は1991年から『RINGS』出場を経て、1993年に『K-1』を初開催。

その活動経緯も相まって、『K-1』大会内では数々の総合格闘ルールの試合が行われてきました。

同年1993年末からヴァーリトゥードが世界中に伝播し、2001年にMMAネバダ州運動委員会で可決されるまでの「MMA激動の時代」のなかで、『RINGS』や『PRIDE』と協力関係を築いた『K-1』もまた、MMA組織『HERO'S』を創立しました。

今回は『K-1』大会のなかで「特別試合」として行われた試合に限定した一覧となっています。(その為、他のプロモーションが主催した大会やMMA部門の大会は割愛しています。)

もうすぐ創立30周年を迎える『K-1』、その歴史の中から「アルティメットファイト」の一頁を紹介してみます!✨🥊🥋✨

 

  • <1992年~2000年 K-1黎明期における総合格闘&ヴァーリトゥード戦>
  • <2001年~2003年 『K-1』 vs. 『PRIDE』 K-1選手のMMA挑戦の始まり>
  • <2004年~2007年 『K-1MMA部門の創立~『HERO'S』体制へ>
  • おわりに
続きを読む

MMAお気に入り入場曲#3 リョート・マチダの『Bleed It Out』と…「町田一族の闘いの歌」こと『男一途』

リョート・マチダ ハイライト動画 | ©UFC, K-1 HERO's, etc

動画冒頭のランディ・クートゥアをKOしたフェイントからの飛び前蹴りは「クレーンキック(鶴の蹴り)」と呼ばれ、リョート・マチダの最も象徴的なKOシーンとして知られています!

 

リョート・マチダ"ザ・ドラゴン"の異名をとり、2009年にUFCライトヘビー級王者に輝いた日系ブラジル人MMA選手です。

日本名を町田龍太/マチダ・リョウトといい、1968年にブラジルの日系開拓地トメアスへ渡った日本人空手家、町田嘉三/マチダ・ヨシゾウさんをお父さんに持ちます。

リョートは父、嘉三さんがブラジルにて興した「町田道場」にて松濤館(しょうとうかん)空手を習得、空手をルーツとした唯一無二のMMAストライカーへと成長します。

2007年からUFCに参戦したリョートは、わずか2年で世界最高峰UFCの頂点の座を獲得するという歴史的快挙を達成しました。

リョートはMMAにおける空手の強さを証明した偉大なレジェンド選手です!

 

そんなリョート・マチダUFC全盛時代の入場は、空手着を纏い颯爽とオクタゴンへと向かう、UFCの歴史においてもトップクラスに印象的な入場でした。

入場曲も日系選手らしい「和」と「洋」2つの入場曲を組み合わせるという、非常にカッコいいものでした!🐉

今回は、そんなリョートの2つの入場曲についてのぶらり話です✨

 

  • # リョートを象徴する入場曲…『Bleed It Out/ブリード・イット・アウト』
  • # もう一つの入場曲・・・「町田一族の闘いの歌」こと『男一途/おとこ いちず』
  • # おわりに
続きを読む