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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

2012年1~3月のUFC大会紹介① UFC×FOX=全米進出!

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2012年のUFCはナンバーシリーズだけじゃない!

米国地上波大手のFOX TVとの契約により、
全米配信の特別大会UFC on FOX」シリーズが放送開始。
さらにFOX傘下のFX TV、同じくFOX傘下でアクションスポーツの大御所Fuel TVでは、従来の
「Fight Night」と「on Versus」を引き継ぐ大会となる
UFC on FX」UFC on Fuel TV」シリーズが決定しました。

これまでのファンだけのUFCから、一般にも届くUFC。今年は勝負をかける年だとダナ代表も公言。
大手とのあまりにも大きな、しかしリスクのある最大手との契約。
ズッファUFCにとって、2012年はBETの年となりました。


いままでズッファが契約していた「Spike TV」というテレビ局との契約が終了し、新たに「FOX TV」というテレビ局とUFCが契約しました。
この「FOX TV」はアメリカの4大ネットワークの一つで(バウアーさんの「24」やシンプソンズなどの最近の人気番組を放送しています)、そのスポーツ中継部門ではアメフト(NFL)・野球(メジャーリーグ)・モータースポーツ(F1)・サッカー(UEFA)という全米4大スポーツを放送しています。
そんな米国で最も多くの人に観られるスポーツチャンネルで、5番目のスポーツとしてUFCが放送されることになりました。
これは現在のUFCの人気を象徴する出来事であると同時に、長い時間をかけてズッファUFCを、MMAをスポーツとして認めさせようと邁進してきた結果です。
ただし多くの人の眼に映ることで、今までのMMAファンだけの狭い世界ではいられなくなるでしょう。
この選択が吉とでるのか、それとも凶と出るのか。MMAは大きな過渡期を迎えています。


まず今月には「onFX(以後FX)」の第1大会が開催!
UFC on FX: Guillard vs. Miller 」
1月20日
Lightweight bout
メルヴィン・ギラードvs.ジム・ミラー
Melvin Guillard vs. Jim Miller
メインイベントはライト級屈指の「派手な男」と「渋い男」が激突。
爆発的な攻撃力と美しい投げで観客を魅了するギラード。そのパワーとスピードは稲妻の如し。です。
「ヤングアサッシン」の異名どおりに、時にその若さで振り切りすぎてしまうこともありますがそれもまた魅力。
対するジム・ミラーはディアズ兄弟に次ぐ強豪ブラザーズ、ミラー兄弟の弟。
28歳とは思えないシブイ顔立ちをしたナイスガイ。
そのスタイルもまた渋く、一瞬の閃きで関節技を仕掛けて一本を取りに行く「燻し銀の関節職人」です。
ライト級では一番好きな選手で、長らく不遇なポジションにいましたが徐々に認知されていっています。
両者互いに前回は悔しい敗戦を喫しており、また名勝負製造機同士でもあります。
新星UFCの象徴的なイベントのメインは瞬き厳禁のウォータイムになりそうです!


FX大会の一週間後には昨年のヴェラスケスvs.シガーノに続き
「F0X」の第2大会が全米放送!!!
UFC on Fox: Evans vs. Davis」
1月28日
Light Heavyweight bout
ラシャド・エヴァンスvs.フィル・デイビス
Rashad Evans vs. Phil Davis
栄えある大に大会のメインを飾るのは、激変する激戦区ライトヘビー級のビッグマッチ。
長らく王座の安定しなかったLH級を制圧した金網の若き王、ジョン・ジョーンズ
「将軍」を叩きのめし、「狂犬」を沈め、「龍」を締め落としたその姿からは未だ「真の姿」が見えません。
そんな王者に「最も因縁のある男」と「最も最右翼と呼ばれる男」の試合です。
エヴァンスはジョーンズと元同門であり、色々喧嘩をした挙句に現在は彼の元を離れています。
LH級を制した正確なボックスと冷静な試合運びは健在であり、波に乗ったレジェンド、ティトを復帰戦で完全に圧倒した試合は記憶に新しいです。
対するデイビスは「ミスター・ワンダフル」の異名の通り、若さ溢れる肉体で相手を縦横無尽に吹き飛ばすフィジカル№1ファイターです。
バックボーンであるレスリングでもグレコ、フリー共に優秀な戦績を持ち、「ジョーンズを倒すならデイビスとまで言われる才覚を持つ選手です。
勝者は王座戦に限りなく近づくであろう一戦。因縁か、最右翼か。次戦も含めて注目です。


最後はFuel大会。公式発表はまだありませんが、ウェルター暫定王座戦の一週間後に
ウェルター級下克上マッチが組まれる可能性が大!です。
UFC on Fuel TV 1」
2月15日
Welterweight bout
ジェイク・エレンバーガーvs.ディエゴ・サンチェズ
Jake Ellenberger vs. Diego Sanchez
「追う者」と「追われる者」の戦い。「新星」と「レジェンド」の対決でもあります。
GSPの長期欠場、BJ、フィッチの敗戦と激震するウェルター級戦線。
一週間前に行なわれるニック・ディアズvs.カルロス・コンディットの暫定王座戦も気になりますが、この期に乗じて天下を取ろうとするニューエイジ達がいます。エレンバーガーはそのメンバーの筆頭です。
ジャガーノート(絶対なる力)」の異名をとるエレンバーガーは、その鋼の様な硬い巨体を武器に、対戦相手を制圧する「人間要塞」です。
日本でも有名なSF王者シールズを瞬く間にKOした試合により、トップグループとの対戦が実現。
対するは近代MMAで異彩を放つ"DREAM⇔NIGHTMARE"サンチェズ。
その眼光と殴られても蹴られても前進を止めないナイトメア戦法で技術を超越し、トップグループに座り続ける男です。
新世代たちから「新星」が頭一つ抜け出すのか、それとも「レジェンド」がその眼光で若い勢いを封じ込めるか。
今シーズンを占う意味でも是非実現して欲しい組み合わせです。

次回は「国際戦」!いよいよ日本大会まであと2ヶ月弱です!