鈴木千裕おめでとう!
素晴らしいKO勝利でしたね~!✨👑✨
『RIZIN FF -Landmark 7 in Azerbaijan-』
2023年11月4日 アゼルバイジャン開催
👑フェザー級(-66kg)チャンピオンシップ 5分×3ラウンド
✖👑ヴガール・ケラモフ vs. 鈴木千裕〇
ヴガール・ケラモフがパウンドを放とうと距離を開けたところ、ボトムからの「アップキック(右カカトの蹴り上げ)」が炸裂し、これで意識が飛んだケラモフに「ボトムからのパウンド連打」で追撃してKO勝ちを果たしました!!✨
ボトムガードからのKOは、逆境から繰り出される乾坤一擲の一撃です。
その一撃は、サブミッションのフェイントやKOパワーなど様々な諸要素が噛み合った瞬間に天地逆転を起こすMMAのハイライトですね~!
このタイプのKOは珍しいながら、MMAでは何度か魅力的なシーンとして記憶に残っています✨
いくつかの過去の同タイプのフィニッシュを紹介しつつ、ボトムKOについて少し書いていきたいと思いますb
#1 アップキック(ボトムポジションからの蹴り上げ)
アップキック(Up Kick、Upkick)は2000年代の日本MMAにおいて「ペダラーダ(Pedalada)」と呼ばれていました。
ブラジリアン・ポルトガル語で「足漕ぎ」を意味するこの言葉のとおり、元々はブラジリアン柔術のボトムガードから相手のパスを弾き飛ばさんと繰り出される蹴りをフェイントにして生まれたフィニッシュ技です。
『MARS 1 -Martial Arts Reality Superfighting-』
1996年11月26日 アメリカ合衆国開催
無差別級ヴァーリトゥード 40分×1ラウンド
〇ヘンゾ・グレイシー vs. オレグ・タクタロフ✖
MMAにおいて、アップキックKOのマイルストーンとなる原初の「ペダラーダ」です!
ガードで突き放して距離をとった後、踵で頭部を蹴り込んでダウンを獲っていますね~。
このように、アップキックはボトムガードポジションからフェイントをかけることで最大効果を発揮する強力な技です。
2008年9月23日 日本開催
👑ミドル級(-84kg)初代王座決定トーナメント決勝戦
〇ゲガール・ムサシ vs. ホナウド・"ジャカレ"・ソウザ✖
パウンドを撃ってきたところに、アップキックをカウンターで合わせてKOしました!
このKOにはある程度の射程距離が必要で、寝技に自身のある選手が「安全地帯」のポジショニングを読み誤ってしまうことも、フィニッシュが生まれる要因の一つであると感じます。
『TUF Season 13』より 第6話「Mean Streak」
2011年制作 アメリカ合衆国および各国で放送
ウェルター級 5分×3ラウンド
「アックスキック(カカト落とし)」による、鮮やかな一撃!
オープンガードの状態から脚をしっかりと効かせて、ディフェンスから狙い澄ました一撃で刈り込んだ鮮やかなKOでした~✨(めっちゃ好き)
ポスチャー(姿勢維持)で背を立てた上体はアップキックの狙い目であり、だからこそピンやプレッシャーパスのMMAにおける重要性も感じさせてくれるワンシーンです。
2019年10月12日 アメリカ合衆国開催
ウェルター級 5分×3ラウンド
〇ニコ・プライス vs. ジェームズ・ヴィック✖
こちらもボトムからアックスキックでKOしたパターンですね~。
パウンドを耐え続けた末の大逆転!熱かったです~🔥
ファーガソンもプライスも、相手の視覚の外から振りかぶり蹴っているのはポイントの一つだな~と思います。
死角から脚を忍ばせ、一瞬のままに振り下ろすことが「認識外からの一撃」となり、強烈なダメージを与えることが出来るのではないか?と感じますね~。
いずれにせよ、全身の柔軟性と下肢の強靭さ、そして精密な身体操作能力が生み出した爆発力とテクニックの結晶であることは間違いないでしょう!
#2 ボトムポジションからの打撃によるノックアウト
アップキックを使わない「ボトムからの打撃によるKO」は、射程の確保の難しさによりアップキック以上に難易度の高い攻撃であると感じます。
しかし、条件さえそろえば、多様な形のKOが生まれることが過去の試合から示唆されています!
#2-A ボトムポジションからのパンチ連打
アップキックを使わない「ボトムからのパンチ」のみによるKOです!
タイプはガードポジションで上半身のポスチャー(姿勢維持)をした場合に、ボトムの選手が的確に顎を撃ち抜くことで生まれるKOです。
困難度は高いものの、決まれば鮮烈なフィニッシュとなる「天地逆転」の一撃となります🔥
下記のマメド・ハリドフが『戦極』初代王者ジョルジ・サンチアゴをKOした初戦は、今でも鮮烈に思い出される特に印象的な試合でしたね~!
2009年11月7日 日本開催
ミドル級 5分×3ラウンド
✖ジョルジ・サンチアゴ vs. マメド・ハリドフ〇
映像ではレフェリーが着弾の瞬間に画面を遮ってしまったため、ちょっと分かり難いのですけれども💦
ボトムから顎への鉄槌でダウンを獲っています!
こちらは別の角度からのスローモーション。
顎へ鉄槌が撃ち込まれているのが分かりますね~。(こちらも背中からの撮影なのですけど泣)
ボトムからの激しいガードワーク(三角絞め狙い?)がフェイントになったタイプで、その導線は今回のKOにも類似性がありますね。
『PANCRASE 187 -Shining Tour 2-』
2008年3月26日 日本開催
ミドル級 5分×3ラウンド
なんとマウントポジションを獲られた状態から、顎を完璧に撃ち抜いてのKO!
まさに天地逆転、当時はかなりインパクトを与えられたボトムからのパンチによるKOですね~(スラヴィックパワー!!)
#2-B ボトムポジションからの肘打ち連打
2021年11月19日 ベラルーシ開催
ミドル級(-84kg) 5分×3ラウンド
〇ニコラ・ディプチコフ vs. クリス・ハニーカット✖
ボトムポジションから肘打ちの連打でKOしたフィニッシュです!
ボトムから肘打ちで額や瞼をカットさせて流血KO勝ち…というタイプが多いのですけれども、しっかり顎を撃ち抜きKOすることのできた貴重なシーンといえます。
このように、腕を立ててフレーム(添え木)で射程を作ることができれば、ショートレンジの肘打ちでも十分な一撃を生み出せる!ということですね~😳スゴイ
#2-C ボトムポジションからのヘッドバット(頭突き)連打
『IAFC Ⅲ -1st Absolute World Cup Pankration-』
1997年11月12日 イスラエル開催
👑無差別級ヴァーリトゥード決勝戦 30分×1ラウンド
〇イゴール・ヴォヴチャンチン vs. ニック・ナッター✖
トップから押さえ込まれながら、ボトムからの頭突きでTKO勝ちを呼び込んだという、インパクトのあるフィニッシュです!
黎明期のVT時代ならではの攻撃で、現代のMMAでは観られない貴重なフィニッシュシーンであると感じます!
顎を下からかち上げるような頭突きから始まっているのも、この攻撃の技として発展する余地も感じさせてくれますね~。(叶わない発展ではありますけれども;)
というわけで、アップキックやボトムからの様々なKOの紹介でした~!
もちろん他にも近しいフィニッシュの試合は多々あるので(今年もすでに何度かありましたね!)、違いを探してみるのも面白いと思います😊
右脚をケラモフの首裏に引っかけ、首相撲と右脚で引き寄せてプレッシャーをかけ(三角絞め?)、ケラモフに振り払おうとさせて姿勢を一瞬直立にさせたこと(安全地帯と思わせて射程距離に誘い入れたこと)が、アップキックの着弾に繋がったと感じます!
ボトムガードの練習と、動き続け攻め続ける瞬発力が大いに効いた連携であったと感じますbb
日本MMAのみならず、ペルーMMAにおいても大きな勝利であると感じます!✨
ヴガール・ケラモフも、先手の右オーバーハンドで鈴木に右を振らせて獲るという、見事に導線の引かれた美しいTDを魅せてくれましたね~✨
鈴木おめでとーーーーー!!!!!✨👑✨