クロネコMMA図書館🐾

ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

ショーグンvs.ジョーンズが変えたもの。変えていくもの。

MMAという競技が根本から覆る瞬間。
日本人の中にある「格闘技」から完全に逸脱した世界観。
日本格闘技の財産をアメリカの格闘技が食い尽くした事実を痛感する試合でした。

これから格闘技は曖昧な幻想に浸るものではなく、圧倒的なアスリート達の現実の強さに震撼するものになっていくと思います。
ジョン・ジョーンズはわたしの頭の中にある漠然とした曖昧なる幻想の壁を軽々と越えて、あまりにも純粋な強さを魅せてくれました。
やがてジョーンズよりも遥かに身体能力の高いアスリート達がUFCに現れるでしょう。
そうすればUFCは晴れてメジャースポーツの仲間入りを果たすでしょう。それは素晴らしい事です。

さて、そうした時に果して従来の選手達に居場所があるのでしょうか?
優れた柔術家や空手家の選手がなんでも出来る若くて才能に溢れた天才アスリート達に次々と倒されて行く未来も有り得るでしょう。
そうした時に何人の日本人がMMAを愛しつづけられるのか?
PRIDE時代、ファンははっきりとした何かを真剣に求めていたのでしょうか?

日本の格闘技は曖昧な幻想によって人気を生みましたが、また幻想によって衰退していったのだと思います。
いくらでも世界に誇るメジャースポーツになるチャンスもあったでしょう。
しかしそれはもう本当の意味での幻想になってしまったのかもしれません。

わたしはこれから日本格闘技の再生が始まると思います。
無論それはお茶の間でポテチを食べながら語れるような曖昧な幻想によるものではなく、真に倒すべき相手を見据え、成すべき事を考える人々がきっと現れるであろうと信じて疑わないからです。

幻想ではなく伝承を。
夢ではなく現実を。
くっきり見えるものを一つ一つ積み重ねていかなければいけない時代が来ているのかもしれません。






ショーグンお疲れ様です。最初から最後まで堂々としていて。格好良かった。