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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

最東端の王座激戦地帯!!『CFFC 63』大会レビュー【アメリカ北東部MMA】

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CFFC 63 -Anyanwu vs. Teed-

2017年 2月18日(土) ボーガダ・ホテル&カジノ(ニュージャージー州 アトランティックシティ)

CFFC(ケージ・フューリー・ファイティング・チャンピオンシップ)

代表 ロバート・ジェイダックJr. (CEO)

リングアナウンサー デヴィッド・サーノフ(David Sarnoff)

 

CFFCはMMAユニファイドルールに準拠していますが、特徴が2点があります。

1.ケージリングは広めの円形ケージを使用。

2.チャンピオンシップが5分4ラウンド制で行われる。

 

創始者フェリックス&エイミー・マルティネス夫妻より権利を引き継いだロバート・ヘイダックJr.現CEOによって、アメリカ北東部MMAの最高峰プロモーションの地位を築いています。

 

アルジャメイン・スターリングやジミー・リヴェラ、ポール・フェルダー、ショーン・サンテラ、ジョージ・サリヴァンといった代表選手たちが、現在もメジャープロモーションで活躍しています。

 

 

<CFFCヘビー級チャンピオンシップ 5分4ラウンド>

アズナ・アニャンウ(C) vs. ショーン・ティー

CFFCで三度ヘビー級のベルトを巻いた、剛腕アニャンウが防衛戦に臨みました!

ヘビー級では小柄ながら、優れたボクシングテクニックでKOを築いたストライカーのアニャンウ。

今回は体格差のあるティードが挑戦し、アニャンウの鋭いジャブを遠距離に立ち避けながら、一気に詰めてバックを取り、裸締めを狙うなど寝技で削って行きます。

しかし、2ラウンドにフックをヒットさせたティードがKOを狙わんと仕留めに行った所で、アニャンウがリードフックのクロスカウンター!ティードはダウン!

この一発で完全に失速したティードをケージに追い詰め、アニャンウがオーバーハンドで再びダウンを奪取!

組みにきたティードをギロチンで抱え離すと、下がるティードに渾身のストレート炸裂!!

前後不覚のティードを見てレフェリーが止め、TKOでアニャンウが防衛に成功しました!

 

CFFCフェザー級チャンピオンシップ 5分4ラウンド>

ジャレッド・ゴードン(C) vs. ビル・アルジオ

本大会のFOTN(ファイト・オブ・ザ・ナイト)でした!

修斗へも参戦予定もあった「曲者」アルジオが王座に挑戦!

ステップイン&アウトから強打を放つ王者ゴードンに対し、リーチを活かしたアウトステップからの長打で対抗するアルジオ。

1ラウンド終盤、首相撲から離れたゴードンの額をアルジオの肘が一閃!

ダウンし深い傷を負ったゴードンでしたが、2RにアルジオのTDをギロチンでがぶり潰すと、ケージに追い詰めミドル!動きの鈍ったアルジオに鋭いフックで攻めたてます。

その後もステップイン&フックとTDからの肘で攻めたゴードンと、離れ際に合わせる肘&ロングフックでカウンターヒットを狙い続けたアルジオとの血戦になりました。

判定はビッグヒット&サブミッションでゴードンが勝利し、みごと初防衛に成功!

双方一歩も引かない素晴らしい名勝負でしたb

試合後に流れたロッキーのテーマが、名勝負に華を添えてくれました。

 

<CFFCバンタム級チャンピオンシップ 5分4ラウンド>

ニック・ペース(C) vs. アフメット・カイレトリ

そしてこちらが本大会のPOTN(パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト)!

トルコ人の挑戦者カイレトリは、ドミニク・クルーズが生み出したドミネーターステップの使い手の一人。

1ラウンドから素早いスイッチ&シャッフルで撹乱し、寝技師ペースに照準を絞らせません。

ペースはリードフックや前蹴りで対応しながら寝技への転回を狙いますが、カイレトリは1ラウンド終盤にビッグヒットを当て、2ラウンドには更にギアを上げます!

シフティングからのストレートやハイキック、ホイールキックと多彩に攻め、2ラウンドはカイレトリが試合の主導権を握ります。

しかし、この苦境を耐えきったペースは、3ラウンドにカイレトリのステップインに完璧なカウンターのDLTDを合わせサイドポジションへ!

カイレトリのリバーサルをキムラで潰しつつ、瞬時にギロチンに切り替え一気に攻めます!

これを堪えたカイレトリでしたが、トップを取ろうとした所を狙いペースがスウィープ!

逆にマウントを奪うと、怒涛のパウンド連射から裸締めで一本勝ち!

強敵カイレトリとの激戦を劇的な勝利で制し、王者ペースがベルトを防衛しました!

 

<ミドル級 5分3ラウンド>

ティム・ウィリアムズ vs. ジェイ・シウヴァ

シウヴァの打撃をウィリアムズがケージレスリングで抑えた試合でした。

シウヴァの肘、ウィリアムズのフックが相打ちとなるも、ウィリアムズはケージに抑え、膝蹴り&離れ際の肘の連打で主導権を取ります。

ウィリアムズは2回裸締めを狙いましたが、シウヴァは耐えてスウィープし、立ち際にフルスイングフック&アッパーで反撃!

ジャブにカウンターフックを合わせ、跳び膝蹴りも出し攻めますが、ウィリアムズは耐えます。

バックブローにTDを合わせたウィリアムズが、最後までケージでシウヴァの動きを封じきって勝利しました。

 

<ライト級 5分3ラウンド>

ジョー・ラウリー vs. 山地大輔

山地大輔(やまじ だいすけ)はニューヨーク在住の日本人選手で、ヘンゾ・グレーシーに日本人で初めて黒帯を授与され、アカデミーの指導者もしているという人です。

山地がリードフックから接近しTDを狙い、ラウリーは鋭いショート&アッパーで振り切ります。

山地は遠距離からオーバーハンドフックをヒットさせ、ラウリーはヘッドスリップで接近戦を狙います。

ラウリーが山地のフックにカウンターを合わせ、山地はフラッシュダウンも耐えて反撃!

ラウリーはレバー&ストレートのコンビネーションを狙いますが、山地もフルスイングの強打を打ち返し追撃させません。

しかし、ラウリーが前蹴りで山地をケージに追い込むと、遂にレバーショットが炸裂!

これで動きの止まった山地に追撃のストレートも連続ヒット!!山地はダウン!

山地は立ちますが、ラウリーはフックにストレートを合わせ、TDをスプロールし追撃のアッパー&鉄槌!

レフェリーが止め、ラウリーが見事なTKO勝利を飾りました!!

 

<165キャッチ 5分3ラウンド>

ティーブン・レグマン vs. デーヴ・マルフォン

本大会のもう一つのPOTN!

レグマンはTDを警戒しつつ鋭いジャブ&ロー、マルフォンがそこにTDをしかける展開に。

マルフォンが蹴りをキャッチし足を刈ってTD!レグマンはフルガードで耐え、脱出に成功。

マルフォンは小内刈も見せ、レグマンの打撃を封じて削っていきます。

しかし、3ラウンドに蹴りをキャッチしたマルフォンの側頭部に、レグマンのリードストレートがヒット!

これでマルフォンは脳を揺らされ、レグマンのローにバランスを崩し旋回してダウン!

立ち上がりハイクラッチしたマルフォンでしたが、そこにレグマンのストレートが再度着弾!!

足を取り続けるもダウンしたマルフォンを見てレフェリーが止め、レグマンが逆転勝利を決めました!

今年のMMAの中でも、かなりショッキングな逆転勝利でしたね~!凄かったです!!

 

ここから↑がメインカード、ここから↓はプレりミナリーカードです。

セレモニーとして、アメリカ国歌斉唱がありました!

日本ではチャンピオンシップ前に各選手の国歌斉唱がある事が多いですが、アメリカのMMAだとこういった移り変わりにセレモニーが入る事もありますね~。

女の子の綺麗で響くソロに、観客の人達もアナウンサーのサーフさんもノリノリでした(笑)

Fall Out Boyの「Centuries」に合わせてPVが流れ、メインカードがスタートしました!!

 

<ライト級 5分3ラウンド>

ジョー・ソレッキ vs. ケヴィン・ペレス

デビュー戦のペレスがワンツーで前に出た所を、ソレッキがDLTD→バックマウントで切り返します。

ソレッキがバックグラブからパームトゥーパームで裸締めを極め、無傷の秒殺一本勝ちでした!

 

<130キャッチ 5分3ラウンド>

セルジオ・ダ・シウヴァ vs. エディー・アルヴァレス

両手を広げ威嚇しながら、セルジオがレベルチェンジDLTDを決めてサイドポジションを先制奪取。

エディーは立とうとするも、セルジオは逃がさずTDを決めてレスリングの差をみせます。

バックテークするとセルジオは舌を出し余裕のアピール。(インターバルで注意を受けていた?かも)

その後も挑発を交えながら何度もTDを取ったセルジオが完勝しました。

 

ウェルター 5分3ラウンド>

タナー・サラシノ vs. マット・ソコロチュク

サラシノが小内刈りでTDの攻防を制し、バックを奪取!

ソコロチュクは立ち正対するも、サラシノはフック連打からケージに抑えSLで再びTDに成功!

ソコロチュクは下からヒールフックを狙うも、サラシノは足をクロスして防ぐと、逆にインサイドヒールフックで斬り返し見事な一本!

サラシが鮮やかな勝利で魅せました!

 

ウェルター 5分3ラウンド>

グレッグ・ソト vs. アゴ・ヘラ

ヘラが体格差を活かした長打で攻めれば、元王者ソトも鋭いオーバーハンド&跳び膝で反撃!

ヘラが金網に押し込まれるも、プルガードからアームバー!

見事に極まり、ヘラが元王者から1ラウンド一本で勝利しました!

 

フェザー級 5分3ラウンド>

トロイ・スターリン vs. ケニー・リッチモンド

リッチモンドが蹴りのキャッチからハイキックを炸裂し開幕!

プロ初戦のスターリングも鋭いジャブ&ハイからTDを狙い、リッチモンドが迎え撃つ展開に。

リッチモンドが小外刈りでTDする等トップを守るも、終盤にスターリングがトップを奪い返し反撃に。

削り合いを見せた試合はスプリット・ドローとなりました。

 

<フライ級 5分3ラウンド>

クラウディオ・レディスマ vs. アルベルト・オレジャーノ

オレジャーノの回し蹴りをかわしたレディスマが鋭いワンツー&DLTDで攻める。

レディスマもストレートを見せるも、レディスマのバックステップを捕まえられれず

後半にかけてニータップも見せ、徐々に運動量で差をつけたレディスマがしっかりと勝利しました!