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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

グレーテストファイト!!!!セルジオ・ペティスvs.堀口恭司 試合の感想【Bellator MMA 272】

 
 
 
 
 
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Instagramより

 

いや~~~~~~素晴らしい試合でしたね~~~~!!!!!!!!!

というわけで、めちゃめちゃザックリな試合の感想です!!!!

 

試合前にはこんなの書いてました

いや~~~~~素晴らしかった…(めちゃくちゃ拍手してる)

theanswer.hatenablog.com

 

 

①2021メジャーMMAでも通じる堀口のスピード、そしてパワー規格の限界

まずは何といっても堀口の制空権を維持したスピードでしょう!

2021年現在の「メジャーMMA*1」とその他のMMAとでは、文字通り規格が違う世界です。

フィジカル、カーディオ、タクティクス…その全てのステージが違いますし、国際的なMMAプロモーションで圧勝した選手がメジャーMMAで上手く自分のスタイルで立ち回れないというのは、その規格の差に由来します。

その意味では堀口の「膝抜き」を駆使した松濤館空手ベースのMMAスタイルが、スピードという部分で見事に通用することを証明しましたね~~!!!

セルジオの拳に空を切らせ、正面切っての真っ向打撃勝負をさせなかった…「制空権」に入らせない電光石火の闘いは、まさに堀口の真骨頂が炸裂したスピードスターぶりでした!!!

 

しかし、一方でパワーという面では、やはりバンタム級のメジャーMMAでは厳しいという印象が1ラウンドで観られてしまいましたね~💦

堀口が序盤に打ち込んだワンツー、そしてホイールキック(後ろ廻し蹴り)はどちらもクリーンに近いヒットでしたが、セルジオはほぼダメージが「通って」いない状態でした。

この時点で、やはり正面勝負はかなり厳しいな~と感じましたし、堀口がその後レベルチェンジ&ニータップや櫓投げ等のTD(テイクダウン)で攻めて行ったのは素晴らしい戦略性であったと感じます。

 

②ラウンドの獲得戦で追い詰められ…逆境を経験した歴戦の王者の「肚」

一方で、セルジオは1ラウンドの時点で堀口のスピードに翻弄されており、パワー勝負では負けないかな~と感じるもラウンドごとのポイント勝負ではかなり厳しくなるだろう…というのを感じさせましたね~。

それでも多くの選手が陥ってしまう堀口の「撒き餌」に乗って大きく踏み込まず、ジリジリ…ジリジリ…とミリ単位で距離を潰して右ストレートのカウンターを撃たせず左ジャブで削って詰めようとしていたのは流石でした。

それでも堀口の「膝抜き」によるフェイントには完璧に反応しきれず、何度もTDを獲られてピンチに陥ってしまったわけですが…セルジオが素晴らしかったのはTDをされた後の対処が非常に「肚を括った」ものだったということです。

堀口の相手はその爆発的なスピードに翻弄され、自分の呼吸やリズムを乱されて自壊していくことが多いのですけれども、セルジオはTDされても最小限の動きで防御し、呼吸をしっかりすることを意識していたと感じます。

つまり、前半からアグレッシブに攻める堀口との攻防で、後半に堀口が失速してくる場面でのフルパワー勝負に懸けていく狙いがあったのかな〜?ということです。

このような決断を遂行できるかは、ポテンシャルよりも試合経験こそがモノをいいます。そして、こここそが両者の命運を分ける重要なセレクションの一つであったと感じます。

 

③天秤が傾いたとき…「マトリックス」が生まれた

後半になっても堀口はアグレッシブな攻め方を一切やめず、スピードとレベルチェンジTDを駆使して優勢を守り続けます。(本当に素晴らしいです…!!)

しかし、1ラウンドと全く同じ動きを5ラウンドにできる選手は、MMAには存在しません。ガスには限りがあり、長期戦になれば必ず勝敗の天秤は傾き合い…その瞬間の対応力にこそ「メジャーMMA」を生き残る力が証明されるときです。

そして、4ラウンド中盤、ついに天秤が傾くときが訪れます。

 

セルジオはここまで呼吸を乱さず、ピンチに陥っても決して焦らずに肚の据わった試合展開をしてきました。そして、堀口のTDをスプロールで止める…つまり、正面切ってのパワーの失速が生まれた所で、さらに圧力をかけてパワーショットを打って行きました。

堀口はもともとパワー勝負は分が悪く、しかし制空権を守り切るにもやや動きがもつれます。それでも持ち前のスピードがあれば、多くの局面を生き残って勝利できる可能性は大いにあったと感じます。

しかし、セルジオはついに左ボディショットを完璧に打ち込みます。ジャブが入っていたとはいえ、この試合で初めのクリーンヒット…しかしKOパワーを如実に感じさせる一発でした。

そして、ハイキックを回避した堀口にバックフィストが炸裂!!!!!!!!!

意識外からの強打を受けてしまった堀口は一撃でダウン!!!!!

セルジオがスピードで完封された超難敵を相手に、起死回生の一撃を叩き込んで大逆転KO勝ちを挙げました!!!!!!!!!!!

耐えに耐えた末に、まさに兄アンソニーの「マトリックス」が瞬間的に付与されたかのような一撃でしたね~~~!!!!!!!✨✨

 

④おわりに…グレーテストファイトでした…!!!(号泣)

王者セルジオが近年のキャリアで最強の相手である堀口を相手に、歴戦の凄みを感じさせる試合で大逆転KO勝ちを挙げましたね~~~!!!!!

セルジオのフィニッシュブローは決して100%狙い澄ました「必中」の一撃ではありません…しかし、メジャーMMAという総力戦において、自身と相手のポテンシャルを見定め勝負を懸けるべき時に懸けたセルジオが引き寄せた「必然」の一撃でした。まさに「完勝」でしたね~!!!!

もちろん堀口がそのまま優勢を維持して5ラウンド完封勝ちも高確率であり得たと感じますし、「証明の舞台」メジャーMMAにおいて自身のMMAスタイルの独自性と強さを証明してみせた事は本当に素晴らしかったです…!!!!

イクラスの両者による試合、勝敗の理由を語ることなど不可能ではありますが、アグレッシブに攻める事で勝利を掴めていた堀口の「攻め」の姿勢故の長期戦&極限の攻防の近年の経験不足が、メジャーMMAという規格の違う世界…ワンミスが命取りの極限世界において逆風となってしまった側面はあったかもしれません。

MMAは「勝ち続けて鋭角化するほど、それ以外の面が脆くなる」格闘スポーツです。強い相手に挑戦し続けることは、「角」ではなく「円」となる為に必要な要素であり…メジャーMMAの山嶺においては必要なことであると感じますね~。

 

いずれにせよ、Bellator MMAというメジャーMMAの一角を締めくくるに相応しい、グレーテストな試合であったということが全てでしょう!!!!

セルジオは「最高峰」UFCに再挑戦するのも観たいですが、堀口たちBellator戦士たちとの激闘もまだまだ観たいと感じます。

兄を追い続けた末に堅牢なスタイルを身につけ、その堅牢さの末に兄のようなマトリックスなフィニッシュを魅せたというのはドラマチックすぎて泣きそうです…(´TωT`)カッコヨスギ

堀口もメジャーMMAでもっと観たいですね~。やっぱりメジャーの舞台が似合っていますbbbbbbb

Bellator MMAバンタム級王座への再挑戦も勿論アリのアリですし、パワー差を克服して王座奪還を目指すのも熱いですね~。

しかし、やはり個人的には「最高峰」UFCフライ級への「凱旋」が最も観たいですね~~!堀口の適正階級はフライ級だな~とは改めて感じましたし、ブランドン・モレノたちUFCフライ級の新世代の怪物たちと闘うところが一番観たいです(ホントに観たい;;)

 

素晴らしい試合を魅せてくれた両者に万雷の拍手です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻

グレーテスト!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!✨✨✨👍🏻✨✨✨

 

 

 

 

 

 

*1:UFC」、「Bellator MMA」、「PFL」の3つの筆頭MMAプロモーションの事を指しています