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「MMA王座遍歴」シリーズを一挙更新~!お気に入り王座戦を試合レビュー!✨👑✨【Eagle FC、OKTAGON、Grachan、Wardog CF…】

ブログの「MMA王座遍歴」シリーズを一挙更新しました~!👑

チャンピオンシップを一気にたくさん観られたので、最高に満腹です~🤤🍽️

せっかくの大量更新なので、各プロモーションの王座戦からお気に入りの試合についてレビューしていきたいと思います!

 

 

MMA王座遍歴」シリーズ

 

Eagle FC(ロシア/ダゲスタン共和国

「Eagle FC」は地元の「Naiza FC」と提携したカザフスタン大会が最高でしたね~✨

 

メインイベントはダウレン・エルメコフがタフネスを活かしたゼロ距離打撃戦でガムザット・ヒラマゴメドフを打ち破り、ミドル級暫定王座を獲得しました。

エルメコフがEagle FCミドル級暫定王座に認定されるのは実は2回目(前回はGorilla FC時代)で、2回も正規王者の欠場で暫定王座になってしまっているのはちょっと可哀想ですね~(´;ω;`)

エルメコフは間違いなくカザフスタンMMAの国内トップ選手の一角なので、正規王者ファリドゥン・オディロフとの統一戦を是非とも観たいところです!

 

バンタム級王者レナト・ハヴァロフは挑戦者ラマザン・アマエフを絶妙な制空権のコントロールと卓越したレスリングにより完封殺。ハヴァロフはキャリアは若いですが既にメジャークラスの安定した実力を感じますね~。

Eagle FCにはヌルマゴの後継者を育てる意味合いもあると思いますが、ハヴァロフは間違いなくヌルマゴの後継者候補の一角であると感じます。

マウントやニー・オン・ザネック(首の上に膝を載せる)からパウンドで圧倒的な蹂躙を魅せた今回の試合も素晴らしかったです。ハヴァロフには経験をどんどん積んで怪物級の強さになっていって欲しいですね~~~(観たい~~)

 

Eagle FCのアメリカ進出に関しては、まだチャンピオンシップと本格的なつながりが無い為になんとも言えないところがありますね~。

レイ・ボーグが活躍してくれているのは嬉しいです!コーディ・ギブソン戦もリッキー・バンデハス戦も素晴らしいパフォーマンスでした。この2人も良い選手ですね~。

イスラム・マメドフロイク・ラジャボフアンドリュー・サンチェズといった確かな実力を持つ選手たちが本格的に参戦してくれれば、Eagle FCの王座戦線は更なる飛躍を魅せてくれると感じます!

 

ぜんぜん関係ないですがカザフスタン大会では蛇を連れた人が会場で観戦していてめちゃくちゃビックリしました🐍(超こわい)

周りの人たちも全く気にしていなかったので、改めてカザフスタンすげぇ…となりました(´;ω;`)ヒェー

 

Gladiator MMA(日本)

Gladiatorでは旧体制から引き継ぎ王座を獲得していたヘビー級王者の大番高明&ミドル級王者の藤井章太が、そろって新体制で初めての防衛戦に挑みました!

 


大番はHeatの王者経験もあるカリー・ジブレインの挑戦を受け、序盤から至近距離での打撃戦を展開。ジブレインが大番の左ジャブを読んだフックでKOして、日本で2プロモーションの王者となりました。

 


藤井はパンクラスでも活躍した長村一慶の挑戦を受けました。1ラウンドには長村がTDから試合を支配するも、2ラウンドに藤井がストレートから返しのフックを炸裂させて逆転勝利で防衛に成功しました!

「王者は防衛戦をして初めて王者」であると思いますし、防衛戦に臨んでくれた2人のチャンピオンに感謝です!アリガタイ

 

NavEことフライ級王者の渡邊真之ライトフライ級王者の宮城友一が階級転向して挑戦する、という「Gladiator王者対決」も実現しましたね~。

試合は渡邊が貫禄のライツアウトを魅せて防衛に成功。宮城が得意とする中距離からのローキック攻めを攻略するべく、渡邊が蹴りを尽くカットしてTDに持ち込む盤石の攻めをみせてくれたのが熱かったです!

 

Grachan(日本)

原口伸川中孝浩というレスリングをルーツとする2人の同門選手が揃ってGrachan&GRAND新王者に戴冠するという印象的なチャンピオンシップとなりました!

 

原口はGrachanライト級暫定王座を懸けて田豊と対戦。ディープハーフから潜り込まんとする植田に対し、ウィザーでスイープを潰してパウンドを入れ続けた原口が「レスリングvs.ブラジリアン柔術」の攻防を制して23歳でチャンピオンとなりました!

植田はGladiatorでも佐々木信治を追い詰め王座獲得にあと一歩まで迫った選手であり、今回がMMAキャリアで最後の大一番であったかもしれないです。その局面で若さ溢れるレスラーの原口という強敵に当たったことはしんどい展開でしたが…最後まで相手のアドバンテージを削りやるべきことをやり切った熱い試合だったと思います!

 

川中はGRANDウェルター級王者の長岡弘樹に挑戦。鋭いジャブを何度も長岡に打ち込んで制空権を獲ると、長岡のTDコントロールに最後まで競り抜き、新王者に戴冠しました。ラスト5ラウンド、長岡の猛追に圧される苦しい場面でも最後まで流されずに試合を闘い抜いた川中が堂々の王座獲得となりましたね~!

長岡はパンクラスやDEEPで闘い続けてきた、日本MMAの中でも歴戦の選手です。大一番であったパンクラスの「ワールドスラムトーナメント」でリッチー・ウィットソンに秒殺一本負けしてしまった時はとても悲しかったですが…そこからGrachanで質実剛健の攻めを魅せ、ついに王座を獲得してネバーギブアップを体現してくれました!

 

Heat(日本)

「草MAX」ことライト級王者の草柳茂明が、岡野裕城の挑戦を受ける防衛戦が行われました!

 

岡野が左ジャブを伸ばし草柳を突き離し、草柳が得意とする中距離打撃を封じ込めることに成功します。苦しい時間の続く草柳ですが、2ラウンドにはスイッチから左フックで岡野の離れ際を捉えてダウンを奪います。

岡野はダブルレッグTDで窮地を凌ぐとバックを獲り返して裸絞め。草柳は耐えますが岡野がネッククランクをかけて極めきり新王者に戴冠しました!

 

OKTAGON(チェコスロバキア

なんといってもギニア出生&ベルギー出身の新星ストライカー、ローゼン・ケイタの王座戴冠が強烈なインパクトを残しましたね~!

ケイタは昨年にカロル・リシャヴィーをレバーショットから強打でKOし、圧巻の勝利でOKTAGONデビューしました。リシャヴィーはOKTAGONで着実に成長してきた育成選手の一人だっただけに、その圧倒的なKOパワーはインパクト大でしたね!

 

今年の2月にはロナルド・パラダイゼルとローゼン・ケイタとの暫定王座戦が行われました。パラダイゼルもフレームの強さを活かしたストライカーとして活躍してきたOKATGONの新鋭です。


パラダイゼルはフレーム差を活かして長距離からミドルキック&ジャブで狙撃して攻めます。ケイタはパラダイゼルの打撃に徐々に適応し、細かいフェイントで反応させてから初速の早い左リードフック&返しのパンチの速射を浴びせて反撃します。 

素晴らしい反射速度と踏み込み&ラッシュの回転力を魅せるケイタが徐々に圧し返していく試合で暫定王座を獲得。パラダイゼルも出血しながら飛び膝&レベルチェンジTDで最後まで競りきったグレートな好試合となりました!

 

 

続く6月にはライト級正規王者イヴァン・ブッヒンゲル暫定王者ケイタによる王座統一戦が実現。ブッヒンゲルはライト級&フェザー級の二冠を制している歴戦の王者です。

試合は素早い前後の出入りでプレッシャーをかけるケイタが右オーバーハンドを連続して叩き込み、ブッヒンゲルの低空TDにもスプロールで反応して主導権を死守します。

ブッヒンゲルはTDに打撃を混ぜて反撃に臨みますが、ケイタは首相撲でいなし左チェックフックを効かせると、金網際のラッシュで見事なKO勝利!レジェンドを打ち破りライト級新王者が誕生しました!

 

ヨーロッパMMAの歴史において、イヴァン・ブッヒンゲルは特別な選手の一人です。

小柄な体躯から相手を支配する極め技の使い手であり、打撃の混ぜ方も上手い「MMA選手としての強さ」を魅せることのできる早熟のグラップラー南欧を代表するMMA選手として、Cage WarriorsM-1 Globalといった欧州の国際MMAプロモーションにおいても名勝負を繰り広げてきました。

ブッヒンゲルが2015年にM-1 Globalフェザー級王者としてマンスール・バルナウィの挑戦を受け、背負い投げ&袈裟固めで競り勝ち王座を防衛した試合は忘れられませんね~。OKTAGONにおいても右クロス等の打撃技術を進化させ、MMA選手として更なる成長を続けるいぶし銀の魅力に満ちた選手です。

 

そんな古豪ブッヒンゲルの牙城を序盤の猛攻で一気に攻め落としたケイタ。最もアドバンテージの大きい序盤のタイミングで見事に勝機を掴んだ一戦でした。新星ケイタの次なる試合にも注目していきたいですね~✨

 

UAE Warriors(アラブ首長国連邦

UAE Warriorsは今年もっとも急成長を遂げているMMAプロモーションの一つで、チャンピオンシップも非常に観応えのある試合ばかりでしたね~!

国際選手がアラブMMAに集う「インターナショナル」シリーズでは、強烈な存在感を示すヴィニシウス・ジ・オリヴェイラとアリ・アルカイシの2人の王者が防衛戦を行いました。

 

バンタム級王者のヴィニシウス・ジ・オリヴェイラは昨年にEFC Africa王者シルヴェスター・チプフンブを真っ向打撃戦で粉砕したストライカー。反射速度とKOパワーに物を言わせる荒々しい攻撃スタイルで注目を集める選手です。一方、挑戦者のアリ・タレブはジャブ&ストレートを堅実に打ち込むスタイルで、王者オリヴェイラの挑発や強打に巻き込まれないよう、強い自制心を持って試合に臨んでいました。

試合は1ラウンドにタレブが金網に詰められながら右アッパーを炸裂させ先制ダウンを奪うと、2ラウンドにはオリヴェイラが強烈な右オーバーハンドでダウンを獲り返す激しい打撃戦になりました。3ラウンドにはオリヴェイラが徐々にスピードを上げローキックを打ち込みタレブを翻弄します。

4ラウンド、更にギアを上げるオリヴェイラに対して、タレブもフットワークを使い臨戦態勢に入ります。前後へ素早く動きリズムを掴んだタレブが右ストレートを打ち込み、これが右を振り抜いたオリヴェイラの顔面にカウンターで着弾、この一撃でタレブが劣勢を吹き飛ばすKO勝利を挙げ新王者に戴冠!グレーテストファイトでしたね~!

 

フェザー級王者のアリ・アルカイシはダブルレッグTDから盤石のコントロールを魅せ「インターナショナル」と「アラビア」のUAE Warriors2部門で王者となった初めての選手です。インターナショナル王座の防衛戦として、TKO前王者のジェシー・アーネットとの国際防衛戦に臨みました。

アルカイシにとって過去最も大きなフレームを持つアーネットは、アルカイシのTDを防ぎ打撃戦でも左ストレートを打ち込み攻め込みます。アルカイシも速度を上げフックを打ち込み激しい消耗戦が展開。好勝負でしたが試合はカットによりアーネットがTKO勝ちして新王者となりました。

しかし、試合後にアルカイシが試合内容を不服としてアーネットを攻撃、乱闘になってしまうという残念な展開になりました…。アーネットは再戦を受けることを表明しており、この2人の「決着戦」が今後組まれる可能性は高そうですね~;

 

UAE Warriorsでは国際的な「インターナショナル」シリーズを筆頭に、地域選手が活躍する「アラビア」シリーズが展開し、短期間でミドル級~フライ級の6階級でチャンピオンが誕生しました。ミドル級王者の剛力選手エスラム・シヤハや、ライト級王者の新鋭ストライカー、モハンマド・ヤフヤは中東MMAの新しい才能ですね~。前国際王者ザヴィエ・アラウイが劇的な逆転KOでバンタム級王座に戴冠した試合も熱かったです!

UAE Warriorsでは更に「アフリカ」シリーズも新たに始まりましたね。今後もEFC Africa(EFC Worldwide)のトップ選手たちを招聘する等、交流が行われていくと予告されています。

国際的な舞台を持ちつつ、アラブMMAとアフリカMMAの発展にも力を注ぐUAE Warriors。中東MMAは未だかつてない成長期を迎えつつあると感じます!!!

 

UWC Mexico(メキシコ)

最も印象的なのはフェザー級王者ルイス・メラスの防衛戦ですね!

メラスは昨年10月に相手の体重超過によりノンタイトル戦となり、更にKO負けしてしまう手痛い状況にありました。メラスは今年4月に汚名返上を期してヘスース・ラモスとの防衛戦に臨みました。

ラモスは素早いフットワークから左オーバーハンドの速射を叩き込み、王者メラスは強打を被弾して窮地を迎えます。しかし、メラスはパンチを耐えて掻い潜るとダブルレッグTDを決めて寝技で反撃していきます。メラスは4ラウンドにTDを決めると、がぶってきたラモスをヴォンフルーチョークで極めて一本勝ち!前年のKO負けの暗雲を振り切る試合で王座防衛を果たしました!

「打撃vs.寝技」で攻守が分かりやすく入れ替わったラモスvs.メラス戦はかなり観やすい好試合でしたね~。ストライカーとグラップラーの身体の使い方の違いもよく対比されて分かりやすい試合であったと感じます!

 

エクアドルから26歳のバンタム級新王者アドリアン・ルナ・マルティネッティが誕生したのも印象的でしたね~。今年早くも防衛戦に臨みKO勝利したルナは、これからも活躍が観たい新鋭の一人です!

昨年に鮮やかな三角絞めで王座を獲得したフライ級王者ソスレニス・カルヴァーリョも防衛戦に臨みましたが、挑戦者ジョアオン・カミーリョ三角絞めを耐え切り寝技コントロールし、5ラウンド終盤に見事な一本勝ちで新王者に輝きました!

ルナはエクアドル人、カルヴァーリョとカミーリョはブラジル人であり、メキシコに根差したUWCも徐々にラテンアメリカ広域から選手が集うようになってきていると感じます。ラテンアメリカMMAもどんどん成長していって欲しいですね~!

 

Venator FC(イタリア)

およそ3年間チャンピオンシップが行われていなかったVenator FCでしたが、今年5月に念願のウェルター級王座決定戦が行われました!!(やったぜ)

 

かつてVenator FCに出場しBellatorやCage Warriorsで活躍していたステファノ・パテルノが「凱旋」して王座を狙い、現在のVenator FCで4連勝したミケランジェロ・コランジェロがそれを迎え撃つ、というイタリアMMAの歴史が詰まった一戦となりました。

コランジェロが遠距離から右フックや飛び膝蹴りで飛び込み、パテルノが打撃を潜って四つ組み&際のフック連打で攻める、という互角の試合が展開しました。勝敗は離れ際のフックを当てて圧力をかけ続けたパテルノの手が挙がり、3年ぶりにVenator新王者が誕生しました!

パテルノは2017年にワンデイ・トーナメント決勝に進みウェルター級王座を狙うもドローとなった経緯があり、実に約4年半越しにVenatorのベルトを腰に巻くことができたという悲願の王座達成でした!

 

パンデミック期は2回も開催延期するなど苦しい状況も続いたVenator FCですけれども、イタリアMMAの更なる発展に向けてどんどんチャンピオンシップが行えるように発展できることを願っています!

 

Wardog CF(日本)

昨年10月、チョモランマ1/2ことウェルター級王者の前田誠が、フィリピンと日本の血統を継ぐパワーファイターの八木敬志との4度目の防衛戦に臨みました!

八木はマスキュラーの屈強な肉体を武器に序盤から打撃戦を挑むも、前田は左チェックフックから右フックで先制ダウンを獲ります。前田はさらに右フック&アッパーで二度目のダウンを獲りますが、八木は優れたタフネスをみせてTDを獲り返し、さらにシフティングフック&スープレックスという豪快な切り返しで反撃します。

試合は前田がフレームクリンチからフックを打ち込み、八木がフックにレベルチェンジしてダブルレッグTDを返す、という攻守のはっきりした展開が続きます。決着は4ラウンド、スイープ合戦を制した八木がスープレックス&バックライドからパウンド連打で競り勝ち、新王者に戴冠しました!

 

前田vs.八木と同じ大会では、ストロー級王者の中務修良もMAGISAこと津村尚幸との防衛戦に臨みました。

1ラウンド、津村が右リードのルーピングフックで先制ダウンを獲りますが、中務は即座にレッグロックから右四つを獲ると、裏投げ&四の字バックポジションで形勢逆転します。

中務は津村を寝技で削ると、2ラウンドに首相撲から膝蹴り&右ローと右フックの散らしからダブルレッグTDを獲ります。マウントを獲った中務が貫禄をみせる一本勝ちで防衛に成功しました!

 

今年1月にはフライ級王者の小林義弥が津村尚幸との初防衛戦に臨みました。小林にとっては不戦勝で戴冠した王者として実力を証明する試合であり、津村にとっては敗戦後3ヶ月で王座に挑戦できる大きなチャンスが来た試合となりました。

小林はワイドスタンスから遠距離のローキックを打ち込み、津村は右リードフックから首を抱え、小外刈でTDして押さえ込みます。2ラウンド、津村が右リードフックでサークリングする小林を捉えて連続ダウンを奪うと、首を抱えた払腰から袈裟固め&一気にスカーフロック・アームバーを極めきって勝利しました。

津村が無念のストロー級王座戦の敗戦から3か月後に大きなチャンスを掴み、見事フライ級新王者に戴冠しました!

 

おわりに

たくさんMMAチャンピオンシップが観られたので、とても楽しかったですね~😊(たまらん~)

MMA王座遍歴」シリーズはあんまり他のサイトで一覧が作られていないプロモーションの一覧が欲しいな~と思って書いたのですけれども、MMAを観るモチベーションにも繋がるので、他のプロモーションも今後増やしていきたいな~と思いました👑

やっぱりチャンピオンシップはMMAの華ですね~✨🌸✨