今回は、新しいUFCオフィシャルグローブについてのお話です!🥊
UFCオフィシャルグローブの歴史と最新バージョン発表
「New UFC Gloves Presentation (2024)」より
コチラの映像は、先日の「UFC 300」試合前の会見にて発表されたものです!
新しいUFCオフィシャルグローブは、2024年6月1日の「UFC 302」から試合で着用されることがアナウンスされています。
今回は新しいUFCオフィシャルグローブ開発の経緯やその特徴について、ざっくり紹介していきます〜ノシ✨
#1 UFCオフィシャルグローブ開発の経緯
3代目:ヴァイシス社製(左) 2代目:センチュリー社製(中央) 初代:ジョン・ウアノ製(右)
「New UFC Gloves Presentation (上記の動画、2024)」より抜粋
「UFC」においてMMAグローブ(オープンフィンガーグローブ)の着用が義務化されたのは、ギアのルールが定められた「UFC 14」からです。
2001年からはジョン・ウアノ(John Ouano)さん考案のグローブが、UFCで最初の「オフィシャルグローブ」として採用されました。
その後、2009年前後からセンチュリー社(Century)による新しいUFCオフィシャルグローブが採用されます。
センチュリー社は2019年にUFCとのパートナーシップを終了しましたが、その後もダイアコ社(Dyaco)が同型のグローブを製造し続けてきました。
センチュリー社製のUFCオフィシャルグローブは、20年以上に渡りUFCで着用され続け、数々の名試合を支えてきました!
長きに渡ってMMA最高峰の試合を支えてきたセンチュリー社製UFCオフィシャルグローブですが、MMAの国際化に併せてグローブの開発会社も増え、新しいグローブを試行錯誤する人たちが現れていきます。
そして、UFCでも頻発するアイポーク(目突き)やカット(裂傷)、指の骨折等アクシデントへの対策の一環として、より安全性を高めたグローブの開発が内外から強く求められるようになっていきました。
そのような背景を受け、2017年に設立した「UFCパフォーマンス研究所」がグローブの開発に着手し、新しいグローブが作成&採用されることと相成ったのでした!
#2 最新UFCオフィシャルグローブの特徴
UFCチャンピオンシップラウンド専用の金色グローブ(右)他各種カラー
「New UFC Gloves Presentation (上記の動画、2024)」より抜粋
今回、センチュリー社製に次いで、新しいUFCオフィシャルグローブ開発の中心となったのが、アメリカンフットボールの衝撃吸収ギア等を開発しているヴァイシス社(Vicis)です。
UFCオフィシャルグローブの歴史としては、「ジョン・ウアノ製」→「センチュリー社製」→「ヴァイシス社製」と続くため、3代目にあたりますね~✨
ヴァイシス社製UFCオフィシャルグローブのおおまかな特徴を紹介してみます!
特徴① 「縫い目消し」によるカット対策
MMAグローブの縫い目は、パンチの際に眉や目尻などに引っ掛かることでカット(裂傷)が起こり、時には流血TKO決着も生まれてしまうアクシデントの要因の一つでした。
この構造を活用してわざとカットを狙う…というダーティーなテクニックも存在していましたね~(´;ω;`)
今回、MMAグローブの縫い目を全て内側にしたことで、カットを防ぐ「縫い目消し」が試みられました!
縫い目が無くなったグローブは見た目にもスマートですし、良い効果が出て欲しいですね~✨
特徴② 「新パッド構造」による骨折&アイポーク対策
従来のMMAグローブは拳を瞬時に開閉させることが難しく、指の骨折やアイポークを引き起こしてしまう要因の一つとされてきました。
今回は、手の動きを阻害しないパッドの多重構造化が図られており、今までのグローブよりもスムーズに指を開閉することが出来るようになったといいます。
指を出す穴は内側にむけて斜めにカットされ、指を内側に畳みやすくなっています。
また、小指と人差し指の両側面に新たにパッドが追加されており、これらの新構造により、パンチやハンドトラップの際に指が骨折するアクシデントを防ぐことが期待されています。
アイポーク対策については指の開閉を意図的に制限するタイプが従来多かったのですけれども、今回は逆の発想…指の制限ストレスを極力まで減らし、自由な開閉によってアクシデントを減らそうというアプローチであり、今後に注目ですね~!
特徴③ 重量の「スリム化」とサイズの「ユニセックス化」
従来、MMAグローブは4~6オンス(113~170g)の重量があり、またサイズは男性用と女性用とでそれぞれカテゴリ分けされていました。
今回、構造を根本からリブートしたことで重量の「スリム化」に成功し、約1オンス(28g)ほど軽量化することが出来たといいます。
このため、新しいUFCオフィシャルグローブは3~4.9オンス(85~138.9g)の重量になりました!
また、サイズについても男女のカテゴリ分けをしない「ユニセックス化」を採用。
今後は「XXXXL~XXXS」の男女統一10段階サイズ分けが採用されます!
特徴④ 「色分け」によるUFCステージの意識付け
従来のセンチュリー社製UFCオフィシャルグローブでは、25周年や30周年の記念ロゴが付いたグローブや、「UFC 200」記念の金色ロゴ、MMAのニューヨーク州解禁記念の「自由の女神」ロゴ等の特別なロゴのグローブたちが採用されてきました。
今回、ヴァイシス社製のUFCオフィシャルグローブへのリブートを記念して、ステージ毎に「色分け」されたグローブが採用されました!(機能は全て同じです!)
色分けは以下の通りになります✨🎨✨
🥊チャンピオンシップラウンド(ゴールド)…5分×5ラウンド専用グローブ*1
🥊プライマリー(ガンメタル) …5分×3ラウンド通常グローブ
🥊TUF(ガンメタル) …TUF専用グローブ(ロゴ有り)
🥊DWCS(コバルトブルー) …DWCS専用グローブ(ロゴ有り)
🥊UFC開発プログラム(レッド) …RTU他、繁用グローブ(ロゴ無し)
先日の「ROAD TO UFC Season 3」開幕戦で、すでに先行して赤色の新グローブが採用されていましたね~!
「UFC 302」ライト級チャンピオンシップにおいて、金色グローブもさっそく観ることができそうです!👑
何より、こだわりのガンメタルカラーの通常グローブが、今後たくさん活躍してくれることを願っています~✨
#3 おわりに
UFCオフィシャルグローブ ヴァイシス社によるスケッチ
「New UFC Gloves Presentation (上記の動画、2024)」より抜粋
現在、UFCでは14試合ごとに1回の確率でアイポークが起きているという統計が「UFCパフォーマンス研究所」より発表されています。
今回のUFCオフィシャルグローブの採用に先立ち、昨年「DWCS Season 7」においてグローブの着用試験が行われており、アイポークの確立は過去シーズンより減少した統計が出ています。
勿論、現時点において新しいグローブに由来する確証となるわけでは無く、今後の試合によって更なる検証が必要になってくるでしょう。
プレスリリース通りには上手く行かないことも多々起こると思われますけれども、今回のリブートによってMMAギアの強化と試合中のアクシデントへの対策に注目が集まっていることは良いことであると感じますね~😌
願わくば、アイポークやカット、骨折等のアクシデントで不利を被る選手が減り、UFCの試合がより公平性を保ったものへ進化する一助となって欲しいです!✨🙏✨