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先日の「UFC 302」で、![]()
イスラム・マハチェフが魅せた鮮やかなテイクダウンは記憶に新しいです。
最終5ラウンド、
ダスティン・ポワリエとの激闘の王手となったテイクダウンについてのお気に入りMMAテクニック紹介です!
#1 ゴルフスイング・シングルレッグ…レスリングにおける「崩し」
マハチェフはダスティン・ポワリエにシングルレッグを防御されましたが、両手でポワリエの足首を掴み、下方に大きくスイングすることでポワリエを空転させてテイクダウンを獲ることに成功しました。
最終ラウンドの終盤という土壇場で、両者ともに激しく消耗し合った中でこれほどに見事なテイクダウンを魅せてくれたマハチェフを、改めて好きになった試合でしたね~✨
マハチェフの鮮やかなテイクダウンは、複数の格闘競技で観られるテクニックです。
レスリングにおいては、「ゴルフスイング・シングルレッグ(Golf Swing Single Leg)」という崩し技として知られています。
シングルレッグで抱え、両手で足首を掴んで外旋させることで、相手の股関節を可動域を越えて外回転させて腰を捻り飛ばす、という豪快な技です!
このゴルフスイング・シングルレッグと同じ動きを魅せるテイクダウンは、レスリング以外の競技にも観られます。
マハチェフの故郷ダゲスタン共和国でも盛んな中国発祥の格闘競技、「散打(サンダ)」です。
#2 「散打」摔法における「涮摔」…イスラム・マハチェフの極めの一手
マハチェフも習得する散打とは、中国武術の四大要素のうち「踢法、打法、摔法」の三要素をコンビネーションとして体系化させた近代総合格闘術です。
そのうちの「摔法(シュアイ・フー)」と呼ばれる投げ技・崩し技の体系は、打撃との繋ぎ目の無い融合を魅せており、MMAにおいてムエタイと並ぶ打撃の崩し技といえます。
そして、摔法の一つ「涮摔(シュアン・シュアイ)」という技が、ゴルフスイング・シングルレッグと同型の崩し技といえます。
「涮摔」とは「剃る投げ」という意味です。
相手の蹴りを掴んでから繰り出すことが多いため、「接腿(チェー・トゥイ、足を掴む)」と合わせて「接腿涮摔」と呼ばれることが多いですね~。
マハチェフはMMAでサンボやレスリングに散打の摔法を組み合わせる使い手の一人です。
ダン・フッカー戦では右フック(右摆拳)からダブルレッグ(下潜抱腿)に繋いでテイクダウンを獲り、これで事実上の勝利を決めています。
ドリュー・ドーバー戦でも、シングルレッグ(旋压摔)からのレッグスイープ(接腿勾踢)でテイクダウンを獲っていますね~。(動画の最初のテイクダウンです!)
他の試合でも要所で摔法を使っている様子を観ることができ、サンボやレスリングの攻防の中にも摔法のエッセンスが一手加わることで、![]()
アルマン・ツァルキャンのような組み技の強者にも競り勝つことが出来ていると感じますね~。
#3 おわりに…MMAの真価を魅せたマハチェフ
マハチェフは今回のポワリエ戦という頂上決戦において、自身のサンボ、レスリング、散打の全ての要素を総動員させて闘っていたと感じます。
そんな根限りの激戦であったからこそ、マハチェフが最後の一手にキャリアの結晶ともいえる至高の連携技を繰り出せたのかもしれませんね~✨
今回紹介した「ゴルフスイング・シングルレッグ/涮摔」も、事前のシングルレッグのプレッシャー、そしてハイクラッチ&ラン・ザ・パイプによる捕獲といったセットアップが無ければ成功は難しかったでしょう。
他の誰でも出来ない、「イスラム・マハチェフ」というMMAスタイルが勝利した試合であり、マハチェフとポワリエが闘いを通してMMAという格闘スポーツの真価を魅せてくれたと感じます!
そして、ダゲスタン共和国と中国MMAの飛躍の源泉ともいえる、散打のシステムや魅力についても、より深めて語っていきたいと感じています~!ノシ