日本のMMA団体「修斗（しゅうと）」は５月３１日（日）に「Abema TV（アベマ・ティーヴィー）」共催の無観客大会を開催する事を発表しています。
メインイベントは修斗バンタム級暫定王座を懸けて岡田遼と倉本一真が対戦します。
もう一つのメインとして、修斗史上初となる女性王座を懸けたトーナメントが行われます。
修斗女子スーパー・アトム級は、110lbs / 50kg契約の新設された女子階級です。
MMA統一ルールのストロー級（115lbs）とアトム級（105lbs）のちょうど中間にあたる階級となりますね。
昨年から６名のエントリー選手と、別枠で進めていたインフィニティ・リーグの優勝者をシード枠に加えた７名による王座決定トーナメントが開催されてきました。
トーナメントは１回戦が終了していましたが、準決勝に進出していた
イ・イェジはCOVID-19感染拡大の影響で欠場してしまいました（泣）
イはRoad FC日本大会でデビュー、WSOF GC日本大会にも出場した日本に所縁のある選手です。一戦ごとに進化を続ける魅力的な選手だっただけに、欠場は残念でしたね～(´;ω;｀)
いよいよ来週に迫ったトーナメント準決勝戦。
修斗史上初の栄誉を懸けて闘うセミ・ファイナリストたちを紹介します！
目次
修斗女子スーパー・アトム級トーナメント準決勝 ５分３ラウンド戦
黒部三奈 vs. 大島沙緒里
キャリア１９戦と１戦という、日本女子MMA屈指の世代を超えたカードです！
黒部は昨年に修斗へ参戦して２連勝中のベテラン選手。
大島はデビュー戦でトーナメントに参戦した期待の新星です。
5.31プロ修斗@ABEMA決定カード発表
— MMA-SHOOTO オフィシャル (@xshooto) 2020年5月8日
いよいよ佳境を迎える初代女子王座決定トーナメント準決勝開催決定！
THINKS INTERNATIONAL Presents
修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝 5分3R
黒部 三奈（マスタージャパン）
vs
大島 沙緒里（AACC）#shooto0531 pic.twitter.com/RwtDquEZsj
黒部はキャリア８年、４０代にして現役という日本女子MMAきってのベテラン選手です。
黒部は日本女子MMAの「鉄人」とも言える選手で、常に自分から攻め続けるスタイルで多くの熱闘を生んできました。
四つ組みのレスリングと実直なボクシングというベーシックな闘い方ですが、それを途切れる事なく続けられる集中力と地力の強さが最大の武器です。
激闘派ゆえにピンチに陥いる場面も多いですが、そこから窮地を耐え抜き最後には切り替えしてしまうベテランらしい「競り勝ち」ができるのが魅力です。
まさにUFCの鉄人ランディ・クートゥアのような、真っ向勝負の強さを感じる選手です！
大島は今年１月に修斗でプロデビューした才能溢れるプロスペクトです。
大島は柔道をルーツに持つ組技師で、デビュー戦ではキレのある腰投げを決めて強いインパクトを残しています。
プロ経験は少ないですが、空手系の「散らす打撃」から踏み込んで四つを取るスタイルは完成度が高いですね～。
細かい部分に経験不足を感じる場面はありますが、経験不足を補う才能と投げ技のキレを持つ選手だといえます。
キャリア的には駆け出しですが、投げと押さえ込みは既に本トーナメント最強ではないかと感じます！
試合への展望
黒部のディフェンスと大島のオフェンスの激突に期待
大島の電光石火の腰投げは、既に女子MMAにおいても一級品だと感じます！
まさにプロスペクト（将来性）を感じる選手ですね～。
しかし、黒部はそういう選手を「MMA」で切り崩せる歴戦の達人です。
長引くほどベテランの黒部に勝機が見えていくことが予想されますが、大島は未知数の選手なのでカーディオ勝ちする可能性もありますね。
大島はもう速攻で投げを狙いたい感じだと思いますが、組みに固執すると経験不足が響いて泥沼に沈むかもしれません。
黒部は投げ技を警戒しつつ、立ち技を死守して自分の圧力で下がらせる展開に持ち込めるかが重要なのかな、と思います。
黒部のベテランの矜持をみせる闘いに期待したいですし、その上で大島の打撃を含めた新たな一面を見れる「MMAとしての好試合」に期待したいです！
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修斗女子スーパー・アトム級トーナメント準決勝 ５分３ラウンド戦
杉本恵 vs. 中村未来
シード枠の選手と代役選手が対戦する、未知数の魅力を感じるカードです！
杉本は2019年のインフィニティ・リーグ優勝者で、現在３連勝中です。
中村はプロ３戦の若手選手で、こちらも２連勝中です。
5.31プロ修斗@ABEMA決定カード発表
— MMA-SHOOTO オフィシャル (@xshooto) 2020年5月8日
いよいよ佳境を迎える初代女子王座決定トーナメント準決勝開催決定！
THINKS INTERNATIONAL Presents
修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝 5分3R
杉本 恵（AACC）※インフィニティリーグ2019王者
vs
中村未来（マルスジム）#shooto0531 pic.twitter.com/PG5hEJM19F
杉本は５年４ヶ月のブランクを経てプロ復帰を果たした選手です。
杉本は昨年の「インフィニティ・リーグ（４名で勝ち点を争うリーグ戦）」に３連勝して優勝する事で、本トーナメントのシード枠を勝ち取りました。
杉本はレスリングにルーツを持ち、グレコ・クリンチとレッグダイブで相手を制圧するコントロール力を持ちます。
テイクダウンの種類は多く、オーソドックス（右構え）からスイッチして足首を取って倒す等、レスリングらしい動きが随所に光りますね～。
打撃の打ち終わりには固さが見られますが、遠い間合いからテイクダウンを混ぜる事で弱点をカバーしていると感じます！
中村未来 なかむら みく Miku Nakamura
中村は今年２月に修斗デビューを果たした北海道出身のプロスペクトです。
中村はトーナメント１回戦に出場した梅原拓未との打撃戦を制して、イ・イェジの代役としてトーナメント準決勝に抜擢されました。
中村はムエタイ系の打撃使いで、遠方から飛び込む際の「踏み込み」に迷いがなくキレがあり、一発一発に体重を乗せた強い打撃を打てる選手です。
ストレートはスイッチしながら左構え＆右構えどちらからも打てており、「両利きストライカー」の才能があると感じます。
打撃が奇麗なぶん懐に潜り込まれやすいのは泣き所ですが、準決勝の４名のうち最もストライカーの才能を持っている選手であると感じます！
試合の展望
杉本のテイクダウン、中村のストレートが勝敗を分ける鍵
杉本はレスリングで、中村はキックボクシング。両者の強みは対照的です。
杉本はレッグダイブでテイクダウンを狙い、中村はテイクダウンを防御して打撃戦を維持したいでしょう。
杉本のレスリングに早々に捕まってしまうと、中村は能力を発揮できずに終わる可能性が高いと感じます。スプロール＆ブロールは中村の生命線になるでしょう。
対して中村の打撃戦での踏み込みのキレと圧力の強さは、杉本のテイクダウンを怯ませる脅威となるでしょう。
中村は持ち前のストレートで杉本を下がらせられれば勝機は高く、そうなってしまう前に杉本は中村をテイクダウンし、試合の掌握を狙っていくのかなと思います。
コントラストの強いカードだと思いますし、お互いに弱みを突き合えるだけに片方は持ち味を出せない展開になるのかな～と予想しています。
気持ち的には競り合う接戦の方が観たいですけれどもね～💦
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後書き
修斗の女子MMAがいよいよ本格的に盛り上がって来ましたね～！
女子スーパー・アトム級はMMA統一ルールに現段階では存在していない「狭間の階級」ですが、こういった試行錯誤は今後の発展の為にもアリだな～と思います。
初代チャンピオンが決まった暁には、どんどん階級を盛り上げて欲しいですね～。
準決勝に駒を進めた４名の選手はいずれも個性的な強みを持っています。
１回戦はフィジカル差が顕著だった試合もあり、本当に力が拮抗し合う勝負になって来るのはここからだと思います。
修斗の歴史は日本MMAの歴史でもあり、女性の王者が誕生するのはとても素晴らしい事です。
トーナメントのセミ・ファイナリストの皆さんには、メインに劣らぬメイン・イベンターとして誇りをぶつけ合う全力勝負に期待しています！✨👍🏻✨
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