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ミックスドマーシャルアーツ(MMA)という格闘スポーツについて、コラムや試合レビューを書いています。

【2022年10月23日】UFCアジア選抜トーナメント!『Road to UFC -Abu Dhabi-』準決勝に出場する16選手を一挙紹介!



『Road to UFC -Abu Dhabi-』

 エティハド・アリーナ(アラブ首長国連邦 アブダビ

「エピソード5」10月23日(日) 日本時間20時~

「エピソード6」10月23日(日) 日本時間22時~

 

いよいよ今週末、UFC契約を懸けたアジア戦士達のトーナメント準決勝が開催されます!

今年の6月にシンガポールで行われた準々決勝で勝ち残った4階級のベスト4選手たち。

それぞれの階級で契約できるのは優勝者ただ一人だけ…

今回は過酷なサバイバル決戦へと挑む16名のアジアMMA選手達を、簡単な試合の展望も踏まえて紹介していきます~ノシ

 

韓国、日本、中国、インド、インドネシア、タイ…6ヶ国から集うアジア選手たちが全力を尽くせるよう祈っております!!!

 

 

 

『Road to UFC -Abu Dhabi-』ライト級トーナメント準決勝

#1 ジェカ・アスパリド・サラギ vs. キ・ウォンビン

一撃で試合を引っ繰り返せるハードストライカー同士が激突~!

サラギは右ミドルキック、ウォンビンは右ストレートが最大の武器。

廻し蹴りとパンチ、異なる距離を持つ者同士の制空権争いに期待ですね~!

 

ジェカ・アスパリド・サラギ

Jeka Asparido Saragih "TENDANGAN MAUT"

インドネシアリアウ諸島州

27歳

バタム・ファイタークラブ

 
 
 
 
 
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サラギはシンガポールの南方に隣接するバタム島の出身で、武術散打をベースにした強打を持つストライカーです。

「テンダンガン・マウト(死の蹴り)」の異名を持ち、散打の強烈な廻し蹴りや重い腰から放つ強振パンチ、豪快な投げ技を得意とするパワーファイターです。インドネシアMMA『One Pride MMA』ではライト級王座を獲得しています。

強打で相手を突き放し主導権を獲りに行くスタイルで、特に右のミドルキックと左リードカーフキックは試合の決定打にもなる主砲です。遠距離からも良く伸びる右オーバーハンドやフックの連打等、重い一撃を撃ち込んで試合の流れを掌握します。

組み技でも散打由来のボディロックTDが得意で、リフトアップして豪快に叩きつける場面も観られます。アグレッシブに攻めながら、3ラウンドにもKOを狙える強打を撃つ余力を残すことができるタフネスも魅力ですね~。

一回戦では序盤から豪快にボディロックTDを連発、消耗しながら3Rに裏拳でダウンを奪いKO勝ちしました。4名のインドネシア選手から唯一人生き残ったサラギは、持ち前のインパクトの強い打撃で決勝へ進むことができるのでしょうか!

 

キ・ウォンビン(기원빈)

Ki Won-Bin "DANGER"

韓国(ソウル)

31歳

チーム・パシ

 
 
 
 
 
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ウォンビンは大学卒業後すぐに韓国MMAプロデビューを果たし、若くして最前線で闘い続けてきたストライカーです。

韓国MMA『Double G FC』でライト級王座を獲得しており、日本MMA『GLADIATOR』にも来日し、同プロモーションのライト級王座を獲得しています。

強靭な体躯と腰の重さで圧力をかけ、大砲のような一撃必殺の右ストレートで相手を薙ぎ払う韓国MMA屈指のハードパンチャーです。左ジャブや右ローキックで相手を削り、必殺の距離までグイグイと近づいてくる一撃狙いの豪快なタフファイトが魅力の選手です。

全ての行動が「必殺の右」を撃ち込む為の布石であり、一撃で試合をひっくり返してしまう強打で大逆転KO勝ちも魅せてきました。組み技や寝技でも持ち前の膂力とタフさで競り、パウンドや肘打ちの連打で豪快に攻めていきます。若くして海外の強豪選手と闘ってきた経験もあり、勝機を逃さない貪欲なストライカーであると感じます。

一回戦は対戦相手の欠場により1階級下の代役と対戦したウォンビンは、内ヒールフックの形に入られるもグリップを引き剥がして脱出し、パウンド&肘打ちの豪雨を降らせて圧巻のKO勝ちを魅せました。かつては新鋭として世界の強豪と闘っていたウォンビンが、歴戦のハードパンチャーとして進化を遂げトーナメント優勝を狙います!

 

#2アンシュル・ジュブリー vs. キム・ギョンピョ

キャリアが一番若いジュブリーと、打撃も寝技もバランスの良いギョンピョ。

ジュブリーは寝技だけでギョンピョの安定した強さを崩すのは厳しく感じますが…

番狂わせか、順当か、どちらに賽が振られるか楽しみな一戦です!

 

アンシュル・ジュブリー(अंशुल जुबली)

Anshul Jubli "KING OF LION"

インド(ウッタラーカンド州)

27歳

クロストレーン・ファイトクラブ

 
 
 
 
 
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ジュブリーは北インドのウッタルカシ出身、ブラジリアン柔術紫帯の長身グラップラーです。

インドの国境警備隊に従事したお父さんの下、インド軍人としてのキャリアを積む中でMMAと出会いました。柔術ベースの寝技で一本を狙うスタイルで、インドMMAではアマチュア時代から連勝を重ね続けています。

柔術の試合ではボトムガードからも攻めも観られますが、MMA選手としてはオーソドックスなTD&ガードパスの試合をみせています。遠くからレベルチェンジして四つに組み、小外掛などでTDして寝技に持ち込むと、マウントポジションから肩固めやキムラロックで一本を狙います。

立ち技でもミドルキックの蹴り技に光るものを感じますが、現時点ではあくまでグラップリングに持ち込むことを主軸にしたスタイルであると感じます。

一回戦は対戦相手の失格により不戦勝となったジュブリー。今回が国際戦において真価を試される大事な一戦です。インドMMA唯一のベスト4として頑張って欲しいです!

 

キム・ギョンピョ(김경표)

Kim Kyung-Pyo "RED HORSE"

韓国(ソウル)

チームMMAストーリー

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ギョンピョは韓国の総合武術「空拳柔術(コンウォンユスル)」を経てMMAと出会い、柔術とキックボクシングをバランスよく組み合わせるウェルラウンダーです。

韓国MMAの新鋭として活躍し、「野生馬(야생마、ヤセンマ)」の異名を与えられました。日本にも何度か来日して勝利を収めており、日本MMA『HEAT』のライト級王座を獲得しています。

四つ組みやレッグダイブからTDを狙い続けるグラップリングに加えて、強靭な体躯から繰り出すパンチの威力を持ち味とします。組み技、寝技をテクニカルにこなしながら、パンチの威力でアドバンテージを付随させて競り勝ちます。

日本でアウェイの立場でも物怖じせず、強いフィジカルで逆境を跳ね除けて勝利している大崩れしない強心臓も魅力です。一本勝ちよりも、パワー勝負に勝ちパウンドでKO勝ちする姿が印象的です。

一回戦では出会いがしらの左リードフックを見事に撃ち抜いて秒殺KO勝ち!ベスト4で最もバランスの良い選手であるギョンピョはUFC本戦でもぜひ観たい選手です!

 

『Road to UFC -Abu Dhabi-』フェザー級トーナメント準決勝

#3イー・ジャー vs. 松嶋こよみ

チベットの若武者イー・ジャーと、日本の歴戦の雄、松嶋が対戦。

イー・ジャーの若き才能が突き抜けるのか、松嶋が貫禄の制圧を魅せるのか。

短期決着ではなく長期戦のぶつかり合いが観たい一戦です!

 

イー・ジャー(益扎)

Yi Zha

中国(四川省 アバ・チベット族チャン族自治州

25歳

恩波格斗/恩波ファイトクラブ

 
 
 
 
 
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イーはチベット自治区の幻想的な渓谷がそびえる紅原県月亮湾で生まれ、幼い頃にブルース・リーに憧れ散打を経てMMA選手となったストライカーです。

10代から中国MMAで海外選手と闘い、『武林籠』MMA部門でフェザー級王座を獲得しています。

散打をベースにした両利きのストライカーであり、オーソドックスから廻し蹴りを繰り出し、スイッチしての左フックなど多彩な打撃技をスピーディーに繰り出します。スピード重視の選手ですが、タフファイトにも真っ向から挑む強さを持ちます。

散打の選手らしくボディロックから相手を腰に乗せてリフトアップする投げ技が得意です。スープレックスを連発するパワー溢れる投げもあれば、足掛けで崩していく投げもあり、ボディロックから様々な投げを放つことができる選手です。

一回戦ではボディロックから背後を獲り、櫓投げや小外刈で崩してからバックを獲り動きを封じると、最後は裸絞めで一本勝ちしました。対戦相手が右肩を負傷したこともあり、短期決着で準決勝に駒を進めることができました。

スラリとした細身の中に底力を秘めた若きチベット戦士イー・ジャーが、本トーナメントで更なる衝撃を与えてくれることに期待しています!

 

松嶋こよみ(マツシマ・コヨミ)

Matsushima Koyomi "MOUSHIGO"

日本(神奈川県)

30歳

パンクラスイズム横浜

 
 
 
 
 
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松嶋は神奈川県横浜市の出身、極真空手とキックボクシング、柔道、レスリングと多様なベースを持ち、「現代MMAの申し子」の異名を持ちます。

キャリア初期から海外での試合を経験し、日本MMAを経てアジアMMA『ONE Championship』でフェザー級王座挑戦&同級ランキング3位を経験しています。

強靭な四肢と体幹のバネが最大の武器であり、対戦相手を吹き飛ばすダブルレッグ&ドライブTD、四肢をフル稼働させるスクランブル&リフトアップの強さが魅力の選手です。バックを獲られても体幹を捩じり込み、全身のバネを活かした脱出をみせます。

立ち技ではレスリングの根幹に空手を組み合わせ、スイッチを駆使した摺り足のフットワークから左の廻し蹴りを上・中・下段に撃ち込み、スイッチフックの強振も併せるヒット&アウェー戦法の使い手です。

一回戦では相手のパンチを被弾してしまうも怯まずに応戦し、間隙を縫うダブルレッグ&ドライブTDで競り勝ちました。これまで実力を魅せながらMMA王座にあと一歩手が届かなかった松嶋だけに、この三度目の挑戦で優勝を掴むべく完全燃焼して欲しいです!🔥

 

#4ルウ・カイ vs. イ・ジョンヨン

ヨーロッパでも活躍するルウ・カイ、UFC契約寸前まで行ったジョンヨン。

ルウの柔道仕込みの重い腰に対し、ジョンヨンの蜘蛛のような柔術は如何に挑むのか。

「立ちたい」ルウと「寝かせたい」ジョンヨンの攻防があると嬉しいですね~

 

ルウ・カイ(吕凯)

Lü Kai "THE LAST GLADIATOR"

中国(安徽省)/チェコプラハ

27歳

スペイブル・ジム

 
 
 
 
 
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ルウは安徽省の出身、幼い頃に上海へ移住し修熟した柔道をベースにムエタイを組み合わせたストライカーです。

ルウはチェコ人の奥さんと共にチェコへ在住しており、中国とチェコを行き来してキャリアを積む国際派のMMA選手です。

柔道仕込みの強靭な足腰に加え、ムエタイ首相撲も駆使してTDをディフェンス、ムエタイスタイルのショートパンチを撃ち込んでいくという堅牢で圧力の強いストライカーです。

肩周りの柔らかな回転から左ジャブ、右フック、右アッパーとパンチのコンビネーションで畳み掛けられるのが強みで、ティープや肘打ちも使います。柔道の大内刈りや小外刈、ダブルレッグTDからのパウンド&肘打ち連打も得意技ですね~。

一回戦ではTDを首相撲でいなし、右オーバーハンドからダブルレッグTDに成功。袈裟固めからアームバーを狙う等攻め続けて、最後はパウンド連打でKO勝ちしました!ヨーロッパで研鑽を積む中国戦士ルウは、堅牢なスタイルで決勝に辿り着けるのでしょうか!

 

イ・ジョンヨン(이정영)

Lee Jeong-Yeong "THE KOREAN TIGER"

韓国(大邱広域市

26歳

セン・ジム

 
 
 
 
 
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ジョンヨンは大邱(テグ)広域市の出身、ブラジリアン柔術をベースにした攻撃的なグラップラーです。

韓国MMA『Road FC』フェザー級王座を獲得しており、UFCとも契約寸前まで行ったものの、先のCOVID-19パンデミックにより立ち消えになってしまった経緯があります。

ジョンヨンは柔術仕込みのしなやかな体幹と、すらりと伸びたフレームの長い四肢を駆使してアグレッシブな攻めをみせます。乱打戦を好む激闘派で、右クロスのカウンターなど乱打戦から勝機を手繰り寄せる強さを持ちます。

寝技はボトムガードからアームバーや三角絞めを得意とします。乱打戦からレベルチェンジTDを決める等、激闘のなかでも冷静に勝機を探るクレバーさがあるのも魅力ですね~。

一回戦はパンデミック以来の復帰戦でしたが、ボトムからアームバーを極めて見事な快勝をあげました。TDを受けるもスルリと両脚をかけて獲りに行く様は、相手にバグを起こし蜘蛛のように捕食するジョンヨンらしさが良く出た試合となりました。持ち前の攪乱スタイルで、ジョンヨンの契約リベンジを懸けた挑戦が始まります!

 

『Road to UFC -Abu Dhabi-』バンタム級トーナメント準決勝

#5中村倫也 vs. 野瀬翔平

レスリングで磨き上げられた中村と、柔道とキックボクシングで鍛え上げられた野瀬。

日本の格闘スポーツで輝く原石たちが、アジアMMAにて激突します。

秘められた爆発力を開放し合い、更なる輝きをこの大舞台で魅せて欲しいです!

 

中村倫也(ナカムラ・リンヤ)

Nakamura Rinya "HYBRID"

日本(埼玉県)

27歳

フリーランス/クレイジービー

 
 
 
 
 
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中村は埼玉県さいたま市(旧大宮市)の出身、フリースタイルレスリング五輪候補の経歴を持つ生粋のパワーレスラーです。

幼少からレスリングを経験し、高校時代には国際的なレスリングの舞台で活躍、リオ五輪(2016五輪、57kg級)および東京五輪(2020年、61kg級)のフリースタイルレスリング代表候補選手でした。レスリングを正式に引退した後に、プロMMA選手としてデビューを果たしました。

フリースタイルレスリング仕込みの軽やかなフットワークと無双系の「手繰り」の技巧、そして強力なボディコントロールを駆使して相手を封殺するパワーレスリングの使い手であり、四肢と上半身の体幹で脱出を封じ、パウンド&関節技を狙う王道の攻め方ができる選手です。

打撃ではレスリング出身らしくサウスポーの右ジャブが伸び、左ストレートと左ハイキックも高い威力を持ちます。連撃にはまだ至らないものの、フリースタイルの巧みなレベルチェンジ&ステップで角度を変化(チェンジアングル)させてレスリングと打撃の融合の片鱗を既に観せていると感じますね~。

一回戦は強打の右を狙う相手にレベルチェンジ&右ジャブで細かく距離を詰めてからダブルレッグでTD、そこからアメリカーナを極めて見事に一本勝ちしました。プロ正規の3ラウンド戦で徐々にレベルも上がっていくトーナメントにおいて、大きな飛躍に期待したい選手です!

 

野瀬翔平(ノセ・ショウヘイ)

Nose Shohei

日本(福岡県)

24歳

マスタージャパン福岡

 
 
 
 
 
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野瀬は福岡県北九州市の出身、柔道出身のベースとキックボクシングの打撃を駆使するウェルラウンダーです。

柔道から国内アマチュアMMAを経験、キックボクシング選手として活躍した後に並行してプロMMA選手の活動も始めた経歴を持ちます。

柔道を基盤とした腰の安定感と押さえ込みの強さを持ち、重心を載せて放たれるパンチと廻し蹴りを武器とします。左ストレートの主砲と、そこから繋げる強烈な右リードフック、そして左カーフキックの連撃が魅力ですね~。キックボクシングの試合では左カーフキックのみで体格差のある相手を沈める等、カーフキックは野瀬の最も印象的な技です。

組み技では四つ組みから豪快な内股&大内刈等の柔道仕込みの投げを放ち、寝技でもスパイダーウェブで腕十字のフェイントからキムラロックを極めています。柔道ベースの強みをそのままMMAでも活かしている選手であると感じます。

一回戦ではサウスポーの相手へ右前脚のリードカーフキックを撃ち込み、四つ組みの状態で投げを狙った際に相手が右膝を挫き負傷KO勝ちとなりました。純正の柔道MMAを駆使する野瀬が、トーナメントで更なる進化を魅せてくれることに注目しています!

 

#6キム・ミンウ vs. 風間敏臣

約3年越しに復帰する強豪ミンウが、斬れ味抜群のサブミッション職人、風間と対戦。

強靭なフィジカルが完封を魅せるのか、はたまた鮮やかな極めの一刀両断となるか。

初手から一瞬の目も離せぬフルスロットルの攻防に期待したいです!

 

キム・ミンウ(김민우)

Kim Min-Woo "KOREAN MOAI"

韓国(ソウル)

29歳

モアイ・ジム

 
 
 
 
 
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ミンウは「コリアン・モアイ」の異名を持ち、ブラジリアン柔術ムエタイを組み合わせるストライカーです。

韓国MMA「Road FC」バンタム級王座を獲得しています。若くして怪我でMMAキャリアを止めてしまったキム・ジョンフン(김종훈)というお兄さんがジムオーナー兼参謀となり、兄弟で力を合わせて韓国MMAトップ選手に上り詰めました。

ミンウは柔術をベースとしながら強靭な体躯を活かした打撃を主武器とするストライカーです。テコンドースタンスが多い韓国MMAにおいて、ムエタイ式アップライトから重厚な打撃を撃ち込みます。

左ジャブ&右ストレートと上中下段の廻し蹴りというオーソドックスな攻め方を基本に、首相撲からの膝蹴りやティープ(押し前蹴り)も繰り出します。最も特徴的なのは主導権を奪う力を持った左リードフックのカウンターショットです。

寝技は前述の通り柔術ベースで、マウントを狙うパサースタイルから裸絞めや三角絞めを極めています。

一回戦は相手の欠場によって不戦勝で勝ち上がったミンウ。いよいよ「コリアン・モアイ」の真価が試される準決勝戦、ジョンフン&ミンウ兄弟は力を合わせて3年越しの復帰戦へと挑みます!

 

風間敏臣(カザマ・トシオミ)

Kazama Toshiomi "SILENT FINISHER"

日本(茨城県

25歳

和術慧舟會ハーツ

 
 
 
 
 
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風間は茨城県水戸市の出身、柔道初段、ブラジリアン柔術茶帯のベースを持った筋金入りのグラップラーです。

土浦市で柔道を習熟、次いでブラジリアン柔術と出会い柔術家として活躍した後にMMAと出会いました。国内で一本勝ちを重ね、日本MMA「パンクラスバンタム級ネオブラッドトーナメント優勝、および同級ランキング1位を経験しています。

柔道で培われた引手と押さえ込みの強靭なパワーと、ブラジリアン柔術の多彩で躍動感あふれるポジショニング&極めの強さを持ちます。オーソドックス(右構え)からスイッチし右前手のサウスポー(左構え)で四つ組みまたは足を獲りTD、または潜り込んで足関節技を狙います。

4バック(足4の字のバックポジション)から鮮やかな連携で絞め&関節技を極める「極めの導線」に優れ、特に相手の腕を後ろ手に極めるハンマーロックは、型に入れば必殺の威力をもつ代名詞ともいえる技です。足関節はヒールフックやトゥホールド、アキレスの波状攻撃も魅せています。

一回戦は左サイドにボディロックし小外掛でTDを獲ると、大内掛のTDやのボトムガードからのエレベーション&ロールスイープで接戦に競り勝ちました。本トーナメント屈指の極め技を持つ風間が、準決勝でも真価を発揮してくれることに期待しています!

 

『Road to UFC -Abu Dhabi-』フライ級トーナメント準決勝

#7チウ・ルンvs.チェ・スング

DWCSから再びチャンスを掴んだチウ・ルン、母国で活躍し大きなチャンスを得たスング。

2人ともパンチの伸びに優れ、蹴りのチウ、組みのスングという面白い構図に。

東アジアMMAの若き原石である二人の、最速階級らしいスピード勝負に期待です!

 

チウ・ルン(求伦)

Qiu Lun "TIBETAN KNIGHT"

中国(四川省 アバ・チベット族チャン族自治州

25歳

恩波格斗/恩波ファイトクラブ

 
 
 
 
 
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チウはチベット自治区の紅原県の出身、草原で馬を駆る放牧民の出自であることから「チベットの騎士」の異名を持つ散打ベースのストライカーです。

チウはDWCSシーズン5に参加し、敗れたものの1ラウンドから何度もダウンを獲った事で高い評価を得ました。新たなUFC契約のチャンスを掴む為、本トーナメントに参戦しています。

柔かな四肢から放たれる伸びのある長距離打撃が主武器であり、特に左ストレートと右サイドキックで狙撃して試合の制空権を掌握することに長けます。近距離ではフックの連打で相手を突き離し、カウンターパンチの鋭さもストライカーとしての高い才能を感じさせます。

盟友スムダルジのようにサイドキックで相手の全身を止め、パンチの長打で狙撃するスタイルを確立させつつあります。組み技、寝技に能動的には行きたがらない様子もみられ、ボトムガードから防御に徹しつつ脱出と立ち際の迎撃に徹する姿勢がみられます。

一回戦では左ストレートの主砲からパンチ連打&左ロー&ミドルキックで射抜き、3ラウンドには左フックのフェイントからカートホイールキック(側転蹴り)を撃ち込み完勝しました。長打の狙撃手として発展途上のチウは、トーナメントの中で更なる進化を魅せることができるのでしょうか!

 

チェ・スング(최승국)

Choi Seung-Guk

韓国(ソウル)

25歳

コリアン・ゾンビMMA

 
 
 
 
 
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スングは高校時代にジョン・チャンソンに憧れMMA選手を志し、レスリングとキックボクシングを駆使するパワーレスラーです。

四つ組みから力強く投げるボディロックスラムTDや、ダブルレッグからリフトアップTDをみせる組み技をベースとする選手です。その組みの強さで圧力をかけ、細かいフェイントから放つキックボクシングの打撃も併せ持ちます。

レベルチェンジでTDをチラつかせての右アッパーや、下がり際の左チェックフック等、パンチのコンビネーションも多彩にこなします。寝技ではクロスボディライド等、レスリングスタイルの押さえ込みも使って支配を狙います。組みの強さを中心にバランスよく打撃と寝技を使いこなし、新世代の洗練さを感じますね~。

一回戦では左の強打を持つ相手に怯まず圧力とスピードで勝負し、右ミドルキックやレベルチェンジTDを決めて競り勝ちました。ハードで貴重な試合を経験したスング、準決勝では更なる研鑽を積んだ姿をみせてくれることを期待しています!

 

#8トップノーイ・キウラム vs. パク・ヒョンソン

情熱溢れる激闘をみせるトップノーイと、冷静沈着にMMAを遂行するヒョンソン。

純正ムエタイの強烈な打撃が貫くか、ムエタイ×柔術の最新式MMAで完封殺か。

MMAの多面性を魅せてくれる試合展開になってくれると最高ですね~!

 

トップノーイ・キウラム(ท็อปน้อย กิวรัมย์)

Topnoi Kiwram "LUCKY LEFT"

別名:タノンサックレック・チューワッタナ(ทนงศักดิ์เล็ก ชูวัฒนะ)

タイ(ブリーラム

30歳

バンタオムエタイMMA

 
 
 
 
 
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トップノーイはタイ東北のブリーラム出身、本職のムエタイ選手からMMA選手へ転向した生粋のストライカーです。

11歳の時に今は亡き名門シットオージムでムエタイを始め、バンコクに移住した後にタノンサックレック・チューワッタナ(ทนงศักดิ์เล็ก ชูวัฒนะ)の名前でバンタム級(118lbs)のムエタイ選手として活躍しました。MMAとの出会いはプーケットへ移住して所属したタイガームエタイで、現在はヒックマン兄弟がヘッドコーチを務めるバンタオムエタイMMAに移籍しています。

「ラッキーレフト(幸運の左)」の異名の通り、サウスポーから強振の左オーバーハンド&左ミドルキックを振り抜いていく打撃が最大の武器です。ムエタイ時代の奥足を深く下げて一撃を狙うスタンスをMMAでも転用させているストライカーです。

本職のムエタイ選手として、MMAの立ち技でも注目される両腕のフレームディフェンス、そこからの肘打ちも得意とします。遅咲きのMMA転向であり寝技はやはり弱点ではありますが、TDや裸絞めの防御にも試合ごとに適応をみせているのが魅力的ですね~。

一回戦はバックを獲られる絶体絶命のピンチを耐え抜くと、左ミドルキック&左オーバーハンドを突き刺して接戦に競り勝ちました。初のUFC男子タイ選手候補であるトップノーイ、この過酷なトーナメントを勝ち上がり新たな扉を拓けるのかに注目しています!

 

パク・ヒョンソン(박현성)

Park Hyun-Sung "PEACE OF MIND"

韓国(京畿道)

26歳

チェ・ムギョムジム/チームMMAストーリー

 
 
 
 
 
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ヒョンソンは京畿道(キョンギ=ド)の南楊州(ナミャンジュ)市でトレーナーを務め、ムエタイブラジリアン柔術をベースとしたウェルラウンダーです。

「ピースオブマインド(心の平穏)」の異名は、若くして冷静な試合運びを身上とする事から名づけられました。韓国MMA「Double G FC」のフライ級王座を獲得しています。

ムエタイ仕込みの打撃と四つ組みからの投げ&ボディコントロールから一本を狙うバランスの良い最新式のMMAスタイルを持ちます。打撃では左ジャブや右の廻し蹴りを効果的に撃ち込み、膝蹴り等もカウンター技で繰り出すタイミングの良さを持ちます。

組み技では腰を沈め相手のTDを切り、そこから逆に四つを獲り切り返していくシーンも観られます。スプロールからの素早いバックテイク、ボトムからの攻めを防ぎつつパウンドを撃てるベースの維持力もあります。

一回戦では右ローキック、相手の左ミドルを掴み足払いでの崩し、四つでTDを防ぎ逆にボディロックTD、最後はバックマウントからパウンド連打でKO勝利しています。異名通りの安定した闘い方ができているヒョンソンだけに、対戦相手のレベルが上がるなかでも「心の平穏」を貫き通せるかに注目しています!

 

試合スケジュール & おわりに

当日の大会は以下の2つのエピソードに分かれ、各階級の準決勝を1試合ずつ行います!

 

「エピソード5」

イー・ジャー vs. 松嶋こよみ(フェザー級

チウ・ルン vs. チェ・スング(フライ級)

ジェカ・アスパリド・サラギ vs. キ・ウォンビン(ライト級)

キム・ミンウ vs. 風間敏臣(バンタム級

 

「エピソード6」

ルウ・カイ vs. イ・ジョンヨン(フェザー級

中村倫也 vs. 野瀬翔平(バンタム級

トップノーイ・キウラム vs. パク・ヒョンソン(フライ級)

アンシュル・ジュブリー vs. キム・ギョンピョ(ライト級)

 

日々進化を遂げるMMAの世界で、無限の可能性を秘めた原石であるアジアMMA。

UFCにとっても重要な開拓の舞台でありつつも、COVID-19パンデミックにより予定されていたアジアコンテンダーシリーズが中止、カザフスタン大会等のアジア大会も中止を迫られ、大きな停滞を余儀なくされていました。

今回の『Road to UFC -Abu Dhabi-』は東アジア、南アジア、東南アジアの3地域から原石を見出そうとするトーナメントであり、停滞していたUFCアジア開拓の新たなる一歩といえます。

これらアジア諸地域はMMAが一段階先の発展をする上で欠かせない存在であることは間違いなく…今回の一歩が次なる一歩へと繋いでいってくれることを願っています!

そして、この過酷な舞台へと立つ16名のアジア選手たちを全力で応援していきたいと思います!!!がんばれーーーーーーーー!!!