COVID-19パンデミック下の中で連続開催を続けているUFC。
今月末のラスベガス大会にて、日本の佐藤天がほぼ7カ月ぶりの復帰戦に挑みます。
対戦相手はUFC初参戦となるラミズ・ブラヒマイ。
バルカン半島に住むアルバニア人のルーツを持つ、強力な極め師です。
今回はブラヒマイの紹介と、試合への展望を書きました!
UFC on ESPN 12 -Poirier vs. Hooker-
2020年6月27日(土)
佐藤天 vs.ラミズ・ブラヒマイ
UFCエイペックスで開催された一連のUFC大会としては、本大会が最後になります。
ラミズ・ブラヒマイ
経歴:空手、ボクシング、MMA
所属:フォーティスMMA
コーチ:セイフ・サウド
ラミズ・ブラヒマイはコソボ・アルバニア人(コソボ共和国に住んでいたアルバニア人の事です)の血統を持ったアメリカ人選手です。生まれはニューヨーク州で、MMA選手としてはテキサス州を中心に活躍して来ました。
幼少から空手やボクシングを習っていたというブラヒマイですが、MMA選手としては極め力の強いグラップラーという印象が強いです。
入場時に祈りを捧げるブラヒマイ。
アルバニア人はヨーロッパでもムスリム(イスラム教徒)の多い民族です。
ブラヒマイもラマダン(断食)の時期は試合をしませんね~。
ブラヒマイの構えはオーソドックス(右手が奥にある構え)が基本。
フットワークを使って距離を保ち、相手の攻撃に合わせてテイクダウンを狙うのが基本のスタイルです。
四つ組みも強いブラヒマイですが相手にテイクダウンを許す場面もあり、スクランブルの攻防から主導権を握って行く事が多いです。
しかし最も魅力的なのはその極め力の高さで、一本勝ちによる短期決着も多いです。
ウィリアム・マカリオ戦とベン・サイモンズ戦で極めたギロチンチョークは、いずれも相手がテイクダウンを狙ってきた所で首を捉えて極めたカウンターです。
どちらもハイエルボー・ギロチン(マルセロ・チン)と呼ばれる片肘を立てて捩じり込むタイプのギロチンで、どちらも一発で失神させているブラヒマイの得意技ですね。
トップからの押さえ込みも強く、カルロス・マルティネス戦とビラル・ウィリアムズ戦ではしっかりと相手を押さえ込みながら一本勝ちを挙げています。
立ち技に関してはムエタイ・スタンスで守りを固めながら打撃を放ちます。
一方で相手の打撃を見ていないシーンもあり、ジャスティン・パターソン戦ではかなりパンチを貰ってしまった結果、判定で敗れてしまっています。
強力なグラップリングの力がある一方で、立ち技の武器を広げて行けるかが今後スタイルを進化させられるかのポイントとなるかもしれません。
ブラヒマイ(一番左)とフォーティスMMAのメンバー。
真ん中の人がヘッドコーチのセイフ・サウドさんです。
他には左からA・R・アルハッサン、チャールズ・バード、ジェフ・ニール。
フォーティスMMAはBrave CF王者や多くのUFC選手を輩出している上り調子のチームです。
ブラヒマイのUFCデビュー戦の対戦相手は佐藤天(さとう たかし)。
佐藤はお母さんが台湾人で、ハーフの血統を持つ日本人選手です。
KOパワーの高い左クロスをメインに、フットワークを使って前後に動きながら一気に間合いを詰めるストライキングが魅力の選手です。
真っ直ぐ踏み込むプレッシャーの強さがある一方で、サイドからの攻撃は苦手な印象を受けますが、いずれにせよブラヒマイにとって鋭く伸びる佐藤のパンチは脅威ですね~。
試合展開は佐藤が距離を取りながら右ジャブ&左クロスを狙い、ブラヒマイが打撃をくぐってテイクダウンを狙う展開になるかな~と思います。
両者のスキルツリー的に可能性は高そうなのですが、一撃KOでなければグラップリングの展開に一度はなるかな~?とも思います。
データ上では両者の体格はほぼ同じ(あんまりそう感じないのですが;)なので、その分フットワークや構えが遠い佐藤は序盤に遠い打撃で距離を支配したいですね~。
ブラヒマイは距離を把握される前に素早く動いて、序盤にテイクダウンを取って佐藤の体力を削って行くのもアリかもしれません。
いずれにせよパンデミック下で十分な準備期間が取れているかが一番の心配ですけれども…;
明確な強みを持つ両者だけに、序盤の主導権の奪い合いに注目していきたいです!
試合ではないですが来日経験もあるブラヒマイ。こちらのお寺は浅草寺ですね~。
ブラヒマイは従軍経験がある人で、来日はおそらくその関係なのかな?と思います。
LFAで見事な一本勝ちを魅せていたブラヒマイがUFC初参戦!
本来は嬉しいニュースですけれども、パンデミック下でUFCが短期間に大会を集中開催しまくっている現在、選手が満足な選手対策ができているか(というか多分できてないと思う)心配ですね~;
ブラヒマイにとってはUFC初戦、佐藤にとっても2月のピトロ戦が流れてしまっての3戦目。どちらもUFCで闘い続ける為に重要な一戦となります。
パンデミック下での感染対策も含めて、両者ともかなりキツイ状況での試合となる事が予想されますが、全力のパフォーマンスが出来るよう祈っています!