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2020.7.10「LFA 84」全対戦カード紹介。LFAがファイトパス無観客配信で再始動!【4週連続開催×4階級王座戦】

 

LFA 84 -Gonzales vs. Childers-

2020年7月10日(金)

f:id:paky21:20200515234234p:plainサンフォード・ペンタゴンサウスダコタ州 スーフォールズ)

 

「LFA(レガシー・ファイティング・アライアンス)」が7月に再始動します。

サウスダコタ州の競技場サンフォード・ペンタゴンの協力のもと、UFCファイトパスやCONBATEで無観客大会の配信が行われます。大会は7月10日から4週間連続の金曜日(日本では土曜日)に行われ、いずれの大会でもメインにLFA王座戦が組まれています。

サンフォード・ペンタゴンはLFAの前身である「Legacy FC」や「RFA」の時代からMMA大会を開催してきた会場で、今年も4月にLFAを開催する予定でした。このような混乱下でも全面協力をしてくれる事はLFAにとって有難い事ですね~;

まずは7月10日(日本では11日)に迫った「LFA 84」のカードを紹介します!

メインイベント f:id:paky21:20200501014631p:plainLFA第3代フェザー級王座決定戦

f:id:paky21:20200515234234p:plainジャスティン・ゴンザレス vs. f:id:paky21:20200515234234p:plainジェイク・チルダース

ジャスティン・ゴンザレスパンデミック以前の「LFA 85」でスティーヴ・ガルシアと王座戦の予定でしたが、ガルシアがUFCと契約して試合から撤退。ジョナス・ビリャリーノを代役に呼び仕切り直すも、パンデミックで大会が中止に…という不運に見舞われていました。今回が「三度目の正直」のLFA王座戦となります!

そんなゴンザレスはどんな選手かというと、コロラド州「SCL(スパルタ・コンバット・リーグ)」で王者として君臨してきた選手です。戦績は10勝無敗、アマ時代を含めても全勝無敗という強豪です。もともと「LFA 85」はコロラド州開催でしたし、地元のエースが満を持してLFA王座へ挑戦…という流れだったんですね~(泣)

ゴンザレスはグレコローマンレスリングの豪快な投げ技とパウンドの絨毯爆撃で相手を圧殺するという正面勝負の強さを持っています。ボクシングもしっかり出来る選手で、あんまり苦戦したシーンを観たことが無いですね~。LFAに初出場でいきなり王座戦のチャンスが巡ってきたのも期待の表れだと思います!

ジャスティン・ゴンザレス vs. アンディ・ブロセット(「SCL 69」 2018.5.19

 

ジェイク・チルダースイリノイ州出身の選手です。アイオワ州MMA団体「Caged Aggression(ケイジド・アグリッション)」で活躍し、LFAでも3連勝しています。今年2月の「LFA 82」ではネイト・リチャードソンにスラムで失神KO勝ちしており、満を持してのLFA王座挑戦になります。

チルダースは柔らかい身体を活かしたスムースな寝技が魅力の選手で、だいたいどの試合でもピンチに陥るのですが、そこを切り抜けて反撃して勝ってしまうという不思議な選手です。こんなヒヤヒヤする選手ですが戦績はいまだ8勝無敗というのも凄いですね~(笑) 

最近は膝蹴りでダウンを奪うなど打撃も進化していますが、やっぱり一番の強みは組技・寝技なのかなと思います。アームバーを下から極めたりトゥーホールドをいきなり仕掛けたり、次々に関節技で攻めて試合を動かしていけるのが魅力的だと思います!

ジェイク・チルダース vs. アデム・ムヤキッチ(「Caged Aggression 23」2018.10.20)

 

二人とも年齢は30歳ほどで、もっと若いイメージがありましたが年齢的に勝負を懸けたい頃合いです。リージョン団体で牙を研いできた質実剛健のゴンザレスが大勝を勝ち取ってメジャーに駆け上がるか、それとも柔らかくスムースな動きが魅力のチルダースが盤上を引っ繰り返してしまうのか。「無敗」の肩書きを背負った二人のLFA王座戦に期待大です!

 

コ・メイン LFAウェルター

f:id:paky21:20200515234234p:plainカシアス・"ケイン"・ホルドルフ vs. f:id:paky21:20200703235222p:plainアンドレ・フィアリョ

カシアス・"ケイン"・ホルドルフ「Victory FC(ヴィクトリー・ファイティング・チャンピオンシップ)」の元ウェルター級王者で、索敵力の高い左フックから打ち下ろしの右クロスへ繋げます。反応の速いボクシングで試合を制圧するタイプの選手で、逆に寝技で押さえられると負けてしまう事が多いですね~。ある意味分かりやすい人です;

カシアス・"ケイン"・ホルドルフ vs. ジョーダン・ラーソン(「LFA 25」 2017.10.20)

 

アンドレ・フィアリョポルトガル人選手で、Bellator MMA(ベラトール・MMA)」「PFL(プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)」といったメジャークラスのMMA団体に出場して来ました。左ジャブ&左リードフックから右クロスへ繋がる回転の速いボクシングが得意で、時折混ぜる右アッパーも強力です。昨年はPFLに参戦するもレベルの高さを痛感する敗戦となってしまいました。

 

「右の一撃」に絶対の自信を持つボクシング系ストライカーの激突です!ホルドルフもフィアリョもいつもは寝技を警戒して慎重に攻めざるを得ない所がありましたが、今回はお互い気兼ねなく打ち合えるでしょう!(笑)真っ向勝負のストライカー対決に期待したいです!

 

LFAキャッチウェイト(150lb、68kg)

f:id:paky21:20200515234234p:plainボストン・サーモン vs. f:id:paky21:20200515234234p:plainショーン・ウェスト

ボストン・サーモンはハワイ出身の選手で、ボクシングや肘打ち&膝蹴りでじわじわと削り倒すストライカーです。「DWCS(ダナ・ホワイト・コンテンダー・シリーズ)」のファースト・シーズン第一大会でUFC契約を勝ち取った選手でもあります。UFCでは無念の2連敗で契約解除となってしまいましたが、長いリーチを活かした打撃の強さで復活を狙います!

ショーン・ウェストはボクシング&拳法系の蹴り技を使うストライカー。寝技で負けてしまう事も多い選手ですが、サーモンとは打撃戦になる可能性が高いでしょう。左ジャブや右アッパーのキレ味は素晴らしいものがあるので、ここで番狂わせを狙いたいところです!

DWCS一期生として華々しくUFCデビューするも、ハリッド・ターハとランディ・コスタに二連続KO敗けしてしまったサーモン。大きな挫折となりましたが、ハワイアン戦士の底力を見せて欲しいですね~。ウェストは打撃戦のみなら十分にサーモンと競り合える力のある選手ですが、総合力ではやはり一歩譲ります。サーモンの出方次第な部分もあるカードですね~。

 

LFAフェザー級

f:id:paky21:20200515234234p:plainカムエラ・カーク vs. f:id:paky21:20200601184819p:plainブルーノ・"カラテ"・ソウザ

カムエラ・カークはハワイ出身で26歳の若手選手。在住先のアリゾナ州で行われたLFAに継続参戦しています。ブラジリアン柔術をベースにした寝業師で、精度とパワーを兼ね備えた寝技の波状攻撃で一本勝ちを連発しています。昔はドレッドヘアーだったのですが、短髪で髭を生やすようになって風貌が随分変わったのでビックリしました(笑)

ブルーノ・"カラテ"・ソウザもブラジル人で24歳の若手選手。リョート・マチダ達に師事する町田流空手の正統継承者です。鮮やかな体重移動から繰り出す飛び膝蹴りや追い突きを使う空手系ストライカーですね~。まだ線が細くてレスリング勝負で押されてしまう弱点があるので、成長に期待している選手です。

まさに「柔術vs空手」というのに相応しい経歴の両者が対戦します。しかし、正直に言えばDWCSでビリー・クアランティロと死闘を演じたカークの方がMMA選手としての完成度は上かな~と思います。ソウザが勝つには打撃でカーディオを削っていくしかないですが、それより前にカークが寝技に引き込んで一本勝ちを奪いそうです。しかし町田流空手の継承者という出自は期待してしまいますね~(笑)

 

LFAウェルター級 

f:id:paky21:20200601184819p:plainマイコン・メンドーサ vs. f:id:paky21:20200515234234p:plainタイラー・レイ

マイコン・メンドーサはLFAに継続参戦しているブラジル人選手。蹴り技を活かしたアウトファイトを得意とする選手で、基本的にバックステップしながら回し蹴りを打ち込み続けます。上中下段に打ち分ける長い蹴りが強い一方で、やや打たれ脆い所が弱点です。今回もアウトファイトの完遂を狙っているのかな~と思います。

タイラー・レイはLFAが今回の開催地であるサンフォード・ペンタゴンで2017年に開催した番外大会「LFA Fight Night 1」でデビューした生え抜きの選手です。レベルチェンジを駆使するレスリング&パンチ連打のオーソドックスなスタイルですね~。メンドーサの距離を攻略してパンチを打ち込めれば、勝機はあると思います!

すっかりLFA常連の選手となったメンドーサ。毎回のらりくらりと蹴りながら時間いっぱい過ごすというスタイルの人なので好みが分かれそうです(笑)マシュー・フリンクやクリスチャン・アギレラに豪快にワンパンチKOされてしまう等ちょっと脆いイメージがありますね;一方のレイはLFAで研鑽を積んできた選手で、固いけどパワーのある攻め方は好感が持てます。レイがメンドーサの懐に潜り込めるかで試合の激しさも変わると思うので、頑張って欲しいです!

 

LFAライト級

f:id:paky21:20200515234234p:plainベン・ルーゴ vs. f:id:paky21:20200704000530p:plainナタン・レヴィー

ベン・ルーゴはメインに出場するジャスティン・ゴンザレスと同じく「SCL」で活躍する選手です。スタイルはムエタイ系の打撃を得意とするストライカー。フック連打と前蹴り等の蹴り技でガンガン攻めて行く選手です。寝技はブラジリアン柔術の色が濃く、打撃戦から低いシングルレッグを取ったり、一本勝ちしている試合もあります。

ナタン・レヴィーイスラエル人、ネバダ州在住の選手です。スタイルは空手の蹴り技を得意とするストライカー。かけ蹴りや後ろ回転蹴り等の多彩な蹴りを繰り出す打撃戦が魅力の選手です。金網際のテイクダウン防御、レスリングの押さえ込み等で寝技を対処して打撃戦へ、という感じですね~。

レヴィーはLFAでデビューして4連勝中という好成績の選手で、イスラエル人である事や髪型がモヒカンである事などもあって印象に残りやすい選手ですね~。組技を覚えた空手家という感じの人ですね。対照的にルーゴはSCLで戦績を積んでLFAに初挑戦します。フックを打ち分けて纏めたり、ティープ(ムエタイの押す前蹴り)を使ったりと打撃戦を好む印象がある選手ですね。「空手vs.ムエタイ」という事で、この試合も今のところは打撃戦メインかな~?と思っています。

 

 LFAキャッチウェイト(140lb、63.5kg)

f:id:paky21:20200515234234p:plainキャメロン・ジョーダン vs. f:id:paky21:20200515234234p:plainクリスチャン・ロドリゲス

キャメロン・ジョーダンは22歳の新人選手で、今回がプロデビュー戦となります。ジョーダンはアマチュア時代に年間4~7試合というハイペースで試合をこなしていた選手で、アマチュアMMA4団体で5つのベルトを獲得するという快挙を達成しました。四つ組みの投げとギロチンチョークが得意技で、ブラジリアン柔術の強さが光る選手ですね~。一方で打撃戦だと真っ直ぐ下がってケージ際で不利な体勢になってしまう事もあるので、まだまだ成長途上という印象を受けます。

クリスチャン・ロドリゲスはプロ3戦を経験してLFAに初挑戦します。アメリカ出身ですがブラジルの血も混ざっていそう?な選手ですね~。スタイルはテイクダウンを切りながらキックボクシングで攻める獰猛なストライカーです。寝技もかなりブラジリアン柔術の巧者で、すでに「Bellator MMA」のプレリムでも小外刈りから関節技の波状攻撃で圧勝の一本勝ちを挙げています。

最近はプロデビュー戦でも強い選手がたくさんいますね~。ジョーダンもアマチュア5冠王という凄い肩書きを持った選手です。しかし、ロドリゲスもプロ3戦目にしてジョゼ・アルドのような獰猛さ技巧の混ざった強さを感じさせる選手です。ロドリゲスが打撃戦で押して勝つかな?と思いますけども、アマチュア5冠王ジョーダンの白星デビューにも期待したいです!

 

 

雑感

世界中のMMA団体が次々と活動を再開&再開予定になって来ましたね~💦

正直にいえば私はパンデミック当初から現在まで活動する事に賛同しているわけではありません。

しかし、私にできる事は変わらず「観たい試合を観る」事だけだな、とも思います。

LFAの選手達はいずれも素晴らしい経歴の持ち主ですし、この決断が次代のMMAにとってより良い結果を生むことを願っています!

なので、ぜひ多くの人にLFAを観て欲しいですね~!(やっぱり本音はここですね(笑))