UFC飛躍シリーズの第6段です!
今回は西アジアの中東諸国と、アジア太平洋(東アジア、南アジア、東南アジア、オセアニア)の諸国を併せて紹介していきます。
UFCは中東やアジア太平洋を牽引するエースの誕生を目指し、長い年月を懸けてMMAの普及と発展に邁進してきました。中東のルーツを持ったアメリカ/ヨーロッパ移民選手の民族的アイデンティティ(クルド人、アッシリア人等)に光を当て、アジア太平洋でUFC大会の開催やTUFの地域シリーズを作る事で新たな選手の発掘を目指してきました。
UFCの長年の努力は結実し、近年になって遂に東アジアやオセアニア生まれのUFC王者が誕生し始めました。中国出身のジャン・ウェイリー、オーストラリア出身のロバート・ウィテカーとアレックス・ヴォルカノフスキーは、地域のMMAプロモーションからUFC王者になれる事を証明した新境地のエース達です。
昨年に予定されていた「アジア版コンテンダーシリーズ」やアジア大会が流れてしまった事は非常に残念ですが、中東やアジア太平洋を担う未来の王者候補たちは既にUFCに集って来ています。UFCが、MMAが世界的なスポーツになる鍵は、彼ら中東とアジア太平洋の選手達が握っているといえるでしょう!
それでは、中東とアジア太平洋の選手達の紹介です!
- #1 ベニール・ダリウシュ
- #2 ブラッド・リデル
- #3 ソン・ヤドン
- #4 ス・ムダルジ / ソナム・ダルギェ
- #5 ジミー・クルート
- #6 ダヴィッド・テイムール
- #7 ローマ・ルークブンミー/コンラック・スピサラ
- #8 アミール・アルバジ
- #9 村田夏南子
- #10 トレヴィン・ジョーンズ
🌲同シリーズの過去記事🌲
"ベニー"
#1 

ベニール・ダリウシュ
出生 イラン 西アゼルバイジャン州 ウルミア
年齢 31歳
所属 キングスMMA
階級 UFCライト級
ダリウシュはイランに生まれ、アメリカ合衆国へ移住したアッシリア移民です。アッシリアとは19世紀に復興した中東キリスト教徒の民族グループで、シリア、イラク、イラン、トルコの四国の一部に跨った地域で強固な繋がりを持ちます。ダリウシュはアッシリア人のルーツを強く掲げており、中東で史上最も優れたMMA選手の一人です。
ダリウシュは9歳でアメリカ合衆国へ移住しました。高校時代に友人から誘われて始めたレスリングに没頭し、17歳からはブラジリアン柔術家になります。柔術世界選手権で数々のタイトルを獲得し、20歳でMMA選手に転向すると4年後にUFCと契約。現在に至るまでUFCで指折りの名勝負を繰り広げて来たレジェンドファイターです。
ダリウシュは分厚い肉体の壁と強い体幹を持ち、MMAに最適化されたムエタイと歴戦の柔術テクニックを融合させて闘います。打撃戦では強肩から放つオーバーハンド&ローキックをフルスイングで放ち、UFCでも有数の捕獲力を誇るプラム(首相撲)から膝蹴りの連打でKOを狙います。
ダリウシュの本領ともいえるグラップリングは強いプレッシャーで壁際へ追い詰めて払腰やラン・ザ・パイプでTDします。寝技では特にバックポジションで捉えるのが得意です。安定した低重心のプレッシャー・パサーであり、パワーを活かした鉄壁の攻めが魅力です。
昨年はドラッカー・クローズとスコット・ホルツマンを貫禄のKO勝ちで倒したダリウシュ。特にクローズ戦で被弾を許してからの怒濤の反撃は、あまり感情を表に出さないダリウシュの内に潜む激情を垣間見れました!ダリウシュの全盛期も残り数年になるでしょうし、群雄割拠のUFCライト級に挑むレジェンドの勇姿を観届けたいです!
"クエイク"
#2
ブラッド・リデル
出生 ニュージーランド カンタベリー地方 クライストチャーチ
年齢 29歳
所属 シティ・キックボクシング
階級 UFCライト級
リデルはニュージーランドMMAの最高峰シティ・キックボクシングで鍛錬を積む新鋭です。 元々はキックボクサーでしたが、ミャンマーで手違いでMMAの試合が組まれてしまった事からMMAと出会い、遂に最高峰のUFCまで昇り詰めたという異色の経歴の持ち主です。
リデルのニックネーム「クエイク(地震)」とは、2011年に故郷クライストチャーチを襲った「カンタベリー地震」に由来します。その名には災害に挫けず復興した故郷の方々への敬意と、故郷を離れシティ・キックボクシングに所属した事でMMAと出会った数奇な運命への想いが込められています。
リデルはピボット(軸旋回)やシフティング(重心移動)といった高度なフットワークを駆使するインファイトの使い手です。相手の蹴りを捌いて至近距離のショートフックの連打を叩き込む打撃スタイルを得意とし、腕のフレーム(突っ支い)等と併用させた体捌きで相手の懐へ潜り込む近接型ストライカーです。
フック以外ではカーフキック、スーパーマンパンチといった打撃とダブルレッグTDとの連携技を得意とします。TDの防御にやや脆さを見せますが、ウィザーで素早く切り返して窮地を脱しています。今後はよりMMAの選手としてのバリエーションとパワーを向上する事が求められると感じます。
昨年はマゴメド・ムスタファエフとアレックス・ダ・シウヴァに二連勝したリデル。シウヴァ戦では得意の左フックにカウンターを合わせられて苦戦を強いられたものの、後半に巻き返すテクニックの高さを魅せました。今年も厳しい闘いを乗り越えてコンテンダー入りを目指して欲しいです!
"カンフー・モンキー"
#3
ソン・ヤドン
年齢 23歳
所属 チーム・アルファメール/恩波格斗(エンボ・ファイトクラブ)
階級 UFCバンタム級
ソンは少林拳と散打の鍛錬を積んだ中国武術家であり、19歳でUFC契約を果たしました。中国神話の英雄、孫悟空に因んだ「カンフー・モンキー」の異名をとるソンは、東アジアMMAの未来を担う筆頭選手の一人です。
カンフー映画スター、ジェット・リー主演の映画「少林拳」に憧れて、10歳で片親のお母さんの家を離れて少林武術学校に入門したというソン。少林拳に始まり散打の実戦経験に及んだ過酷な修行時代を経て、14歳で中国武術家からMMA選手となる事を決意しました。
ソンは中国MMAの古豪アオ・ハイリンに師事した後、中国MMAの「虎の穴」恩波格斗(エンボ・ファイトクラブ)で鍛錬を積みます。その後は単身でアメリカ合衆国に移住し、ユライア・フェイバーの下でスキルアップに努めています。
ソンは中国武術とブラジリアン柔術の優れた低重心が生み出す旋回打撃を武器とするストライカーです。素早いフットワークでケージを跳び回り、左右のフック連打やホイールキック(回転蹴り)を放つというカンフー・スタイルの持ち主です。なかでも主砲となる右拳の破壊力は素晴らしく、思い切りの良い踏み込みから一撃必殺の右クロス(右オーバーハンド)でKOを狙います。
安定したベースと細かなフットワークにより飛び込み後も姿勢を崩さずに強打を放ち、左ジャブのフェイントから上・中段にホイールキックの打ち分けによる変調など、新世代の散打型MMAストライカーとして既に高い完成度を誇るソン。一方で負けん気の強さから冷静さを欠く展開も見られ、今後は経験値を上げていく必要を感じます。
昨年はマルロン・ヴェラとの一進一退の攻防でギリギリの勝利を掴んだソン。対戦相手のレベルが上がった事で、精神面での揺れがガス欠や試合の単調化に影響していると感じます。ヴェラ戦は特にホイールキック等の蹴り技が少なく、本来の持ち味が消えてしまっていたのは不安ですね~;今年はソン本来の躍動感溢れるシャープな闘い方が観られる事を期待しています!
"ザ・チベッタン・イーグル"
#4
ス・ムダルジ / ソナム・ダルギェ
Mudaerji Su /苏木达尔基 / Sonam Dhargye / བསོད་ནམས དར་རྒྱས་
出生 中国 四川省(アバ・チベット族チャン族自治州) 黒水(トチュ)
年齢 24歳
所属 恩波格斗(エンボ・ファイトクラブ)
階級 UFCフライ級/UFCバンタム級
ソナム・ダルギェ(ダルギャル)は中国のチベット自治州で生まれチベット族の血統を継ぎ、多くは漢姓の「蘇(ス)」を採ったス・ムダルジという名前で呼ばれます。チベット族の伝統衣装であるカタク(礼拝の白いスカーフ)を身に纏い、初のチベット族UFC選手として注目を集める東アジアMMAの新鋭です。
ス・ムダルジは13歳から散打を習い、チベット族の青少年も多く集う恩波格斗(エンボ・ファイトクラブ)に15歳で入団します。上海のUFCパフォーマンス研究機関におけるUFC人材育成プログラムのメンバーにも選ばれ、22歳で念願のUFCデビューを果たしました。
ス・ムダルジはリーチの長さを活かした左ストレートで試合を支配するストライカーです。散打をルーツとするフットワークと蹴り技(サイドキック、ホイールキック等)で攪乱し、狙い澄ました左の長距離砲で一撃KOを狙います。右前拳のトラッピング(相手の腕を払う)で威嚇して距離が離れた時、ス・ムダルジの左ストレートは最大の威力を発揮します。
ス・ムダルジは優れた長距離特化ゆえに近接戦に弱みを持ち、それをカバーする為に右チェックフックを多用します。ピボットによる脱出と迎撃を兼ねたス・ムダルジのもう一つの生命線であり、二つの武器が最大活用できた場合は鮮やかな完封勝ちを観せています。一方で尖った才能と若い精神性により穴を突かれるとパフォーマンスが揺れがちで、今後はより安定できる武器を増やしていく事が必要に感じます。
昨年はバンタム級からフライ級へ階級を戻し、マルコム・ゴードンを戦慄の秒殺KO勝ちで仕留めたス・ムダルジ。フライ級では長いフレームと必殺の一撃が一層脅威となりますし、「チベットの鷲」がトップ戦線へ挑戦する姿を観たいです!
"ザ・ブルート"
#5
ジミー・クルート
出生 オーストラリア ニューサウスウェールズ州 シングルトン
出身 オーストラリア ヴィクトリア州 ベンディゴ
年齢 24歳
階級 UFCライトヘビー級
クルートはオーストラリアの若き重量級MMA戦士です。「拳獣」サム・グレコのキックボクシングとブラジリアン柔術家スティーヴィー・モルデンの寝技を融合させたウェルラウンドな技術を持つ、オセアニアMMAの新鋭です。
クルートは4歳で空手、8歳で柔道を習い、11歳からブラジリアン柔術を習い始めまました。12歳の時にYouTubeで観た「ガブリエル・ゴンザーガ vs. ミルコ・クロコップ」に衝撃を受けてUFC選手になる夢を持ち、22歳でUFC登竜門番組「DW Contender Series」に勝ってUFC契約を足しました。
クルートは屈強な肉体が生み出す力強いキックボクシングの使い手です。右ミドル&カーフキックの連打で相手を中~下段から崩し、接近戦に持ち込んで強振パンチのコンビネーションでKOするハードパンチャーです。右クロスや右アッパーなど、ショートレンジのパンチを多彩に打ち分けられるのが特徴的です。
クルートはプレッシャーの強いグラップリングの名手でもあります。パンチ勝負から素早くボディロックし小外刈り&裏投げへと繋げる柔道の投げ技を得意とします。寝技では相手のガードを潰してポジションを奪うプレッシャー・パサーであり、ハーフサイドで押さえ込みながら肩固め&キムラロックの連続攻撃で制圧するのが必勝パターンです。
優れたハードパンチと重厚なグラップリングで隙の無い強さをみせるクルート。昨年はミハウ・オレクシェイチュクの打撃を封じてキムラで一本勝ち、続くモデスタス・ブカウスカスにも右ストレートで衝撃KO勝ちと、見事な二連続フィニッシュ勝ちを挙げました。戦国時代に突入したライトヘビー級で勝ち残るクルートの更なる挑戦を観たいです!
#6 
ダヴィッド・テイムール
年齢 31歳
所属 オールスターズ・トレーニングセンター
階級 UFCライト級
ダヴィッド・テイムールはスウェーデンに生まれ育ったシリア・アラム移民です。シリア・アラムとは、スウェーデン在住のアッシリア人が古代シリアの「アラム人」を始祖として復興させた民族グループです。兄ダニエル・テイムールとUFCで活躍する「テイムール兄弟」の弟ダヴィッドは、シリア・アラム人のルーツを掲げる中東移民のMMA選手です。
ダヴィッドは15歳からムエタイ選手として活躍し、IFMAのアマチュア・ムエタイ世界選手権などムエタイで40戦以上のキャリアを持ちます。兄ダニエルを追って24歳でMMA選手に転向し、UFC格闘ドキュメンタリー番組「TUF」で準優勝してUFC選手になりました。
ダヴィッドはムエタイ出身ながら、空手の様に低重心のワイドスタンスに構える独特の打撃スタイルの持ち主です。低く遠い間合いから鋭く伸びる左ストレートと左ローキック&ミドルキックは、ムエタイ仕込みの威力を残したまま狙撃できる強力な長距離砲です。ダヴィッドは遠距離から牽制しつつ、飛び込んで来た相手をカウンターで斬って落とす戦法を得意とします。
ダヴィッドはムエタイのルーツを感じさせるタイクリンチと膝蹴りの使い手でもあります。ムエタイ時代から軸を維持するバランス力も高く、バックステップやピボットを駆使して相手のテイクダウンを捌き、前進しながら進行方向を変えてフックの連打を打ち込むシーンも観られます。
ダヴィッドはUFCで5連勝し、一昨年には上位陣のチャールズ・オリヴェイラに挑みました。オリヴェイラの肘打ち&アナコンダチョークの前に無念の一本負けを喫したものの、左ストレートで先制ダウンを奪い熱戦を繰り広げました。残念ながら昨年は試合の無い空白期間となってしまったダヴィッドですが、今年はオクタゴンへの帰還に期待したいです!
#7
ローマ・ルークブンミー/コンラック・スピサラ
Loma Lookboonmee / โลมา ลูกบุญมี / Konlak Supitsara / สุภิสรา คนหลัก
年齢 24歳
所属 タイガー・ムエタイ
階級 UFC女子ストロー級
コンラック・スピサラはムエタイ発祥の地タイ生え抜きの女性ムエタイ戦士で、多くは「ローマ・ルークブンミー」のファイトネームで呼ばれます。 UFC初のタイ人MMA選手であり、新たなMMAの革新をもたらす東南アジアの新鋭です。
ブンミ―・スピサラという元ムエタイ戦士のお父さんの下で7歳からムエタイを習い始めたルークブンミーは、ボクサーとムエタイ戦士を掛け持ちしながら200戦以上の試合経験を積んでいます。ルークブンミーはIFMAムエタイ世界選手権で金メダルを獲得するもムエタイの男女人気の差を痛感し、女性でも男性と並ぶ名声を得られるチャンスを求めて、タイで初めてUFC選手の道を開拓しました。
ルークブンミーは本場オリジナルのムエタイ技術を持ったストライカーです。タイクリンチ(首相撲)のスペシャリストであり、蹴りの間合いから素早くプラム(首のロック)で捕獲すると、膝蹴りの連打で相手の頭を上げさせておいて肘打の追撃狙い撃ちちします。
ルークブンミーは四つ組みで相手を押し込む「投げのクリンチ」ではなく、相手を引き寄せて体幹を崩す「打撃のクリンチ」の使い手です。タイクリンチとピボットを駆使して相手を消耗させ、両脚を連続で払って投げるタイスイープも非常に印象的です。ティープ(前蹴り)も上段・中段に打ち分ける等、技巧的な動きを随所で披露しています。
昨年はアンジェラ・ヒルに敗れ、ジン・ユーフレイに勝利したルークブンミー。ムエタイの強さを魅せる一方、今後はボクシングやグラップリングを更に混ぜてMMA選手として進化を求められると感じます。「東南アジアの神秘」ムエタイ戦士が今年もUFCで熱い試合を魅せてくれると注目しています!
”ザ・プリンス”
#8 

アミール・アルバジ
年齢 27歳
所属 ロンドン・シュートファイターズ
階級 UFCフライ級
アルバジは7歳の時に生まれ故郷のイラクから難民となり、中東各国を転々とした末にスウェーデンに移住しました。15歳の時にスウェーデンを経ちイングランドに定住した多国籍選手のアルバジは、故郷イラクの旗を掲げて闘い続ける中東/アラブMMA期待の新鋭です。
アルバジは10歳の時にUFCをTVで観て、その多様性に惹かれてMMA選手を志します。しかく近場のMMAジムの練習環境に満足できず、14歳でブラジリアン柔術とグラップリングを習います。アルバジは寝技師として数々の大会で優勝し、約400戦を経験しているといいます。その後ロンドンで現在のMMAジムと出会い転向したのでした。
アルバジは相手を寝技の深海へ引き摺り込む生粋のグラップラーです。優れた肉体のコアが生み出すバランス能力を持っており、鋭いレベルチェンジ&レッグダイブで斬り込んで寝技に持ち込み、ハーフライド&バックテイクから裸絞めやキムラロックで捻り上げるのが得意のスタイルです。
アルバジのグラップリングのコアの強さは打撃戦でも活きており、遠距離からレベルチェンジ&スウェーでかわしながらコツコツと削る「寝業師の打撃」ができる選手です。とはいえ負けん気も強く、スウェーからの右アッパーカットやカーフキック等、打撃戦でも「攻める時は攻める」若さも垣間見えます。
昨年はマルコム・ゴードンを見事なシングルレッグTDから鮮やかな三角絞めで仕留めたアルバジ。一度組み付いたら逃さない歴戦の寝技を武器に、今年も更なる成長を遂げて欲しいと願っています!
#9
村田夏南子
出身 日本 東京都 新宿区
年齢 27歳
所属 リバーサルジム新宿ミー・ウィー/コンバット・スポーツ・アカデミー
階級 UFC女子ストロー級
村田は日本の祖父の下で幼い頃から柔道の指導を受け、フリースタイルレスリングのオリンピック育成選手に選ばれた生粋のグラップラーです。現在は日本とアメリカ合衆国の二ヶ国で鍛錬を積み、東アジアMMAの新たな才能として注目を集めています。
村田は3歳から柔道を習い始め、高校時代からはレスリング選手として活躍します。将来のオリンピアン候補として、日本レスリングの最高水準で研鑽を積みました。その後、MMA選手に転向するとアメリカ合衆国のキリアン・フィッツギボンズの下で更なる進化を遂げ、昨年にUFCとの契約を果たしました。
村田は強靭なカーディオと多様なテイクダウン技術を駆使して相手を制圧します。四つ組みからボディロック/ボディフォールド(鯖折り)で相手の体幹を崩し、外掛け&内掛けのコンビネーションで左右にバランスを揺さぶりTDを奪います。オーバーフック(上手)やアンクルピック(足首取り)と連携させて相手のディフェンスを打破するのも得意です。
寝技においては隙の無いピン&スピンでプレッシャーをかけ、ケージ際ではアンダーフック&レッグクランプで脱出を阻止します。相手の上体の自由を奪いながら左右に揺sぶり、パウンド&肘打ちで削りこんで制圧を完遂します。
UFC女子レジェンド、ランダ・マルコスに得意のグラップリングで勝利した村田。今後は大きなフレームの若い選手達に対して、ハイキックやシフトフック等の打撃を含めた更なる進化を求められるでしょう。真価を試される村田の挑戦に注目したいです!
"ファイブ・スター"
#10
トレヴィン・ジョーンズ
出身 グアム モンモン・トト・マイテ村 マイテ
年齢 30歳
所属 ヴィダ・ゼニス柔術
階級 UFCバンタム級
トレヴィン・ジョーンズはオセアニア(ミクロネシア)のグアム島に住む4人目のグアム人UFC選手です。グアム国内のMMAが盛況した2010年代前半から、兄タイロン・ジョーンズと共に「ジョーンズ兄弟」の弟として活躍したグアムMMA筆頭選手の一人です。
トレヴィンのルーツはロバート・ドライスデール門下のマルセロ・ヌネスに師事したブラジリアン柔術です。柔術家に専念するため安定した仕事を退職したというジョーンズは、グアム国内のMMAの盛り上がりの中で国内王座を勝ち取りました。その後グアムMMAはプロモーションが活動休止してしまいますが、トレヴィンは韓国やロシア、日本と世界各地を渡り活躍を続けてきました。
トレヴィンはブラジリアン柔術の組み技をベースに、ムエタイの打撃を混ぜたオーソドックスなMMAスタイルの使い手です。基本的にグラップラーであり、中距離を維持しながら相手の攻撃に合わせてレベルチェンジ&四つ組みに持ち込み、小外掛けや裏投げでTDを粘り強く狙っていきます。
寝技では屈強な肉体を活かしたプレッシャーで押さえてパウンドで削り、裸絞めやギロチンチョークを狙うのを得意とします。打撃戦でも左ストレート&右リードフックの連打を得意として、追撃に飛び膝蹴りを使うことも見られます。
トレヴィンは代役としてUFCに出場し、ティムール・ヴァリエフのボディキックでKO負け寸前に追い込まれます。しかし、持ち前のタフさを活かしてここを逃れると、左ストレートのフェイントから右ルーピングフックで逆転KO勝ちを挙げました。結果は後にマリファナ検査の陽性反応により無効試合となってしまいましたが…(´;ω;`)グアムMMAの灯を絶やさない為にも、「5つ星」ジョーンズの更なる奮闘を願います!
以上、中東とアジア太平洋の選手たちの特集でした~!
UFCにおけるウィテカーやヴォルカノフスキー、ウェイリー達の快挙はMMAの歴史を動かした一歩でしたね~(感涙)UFC王座という最高峰に辿り着くことを諦めず挑戦してきた多くの献身と努力の結実が、大きな壁を乗り越えた瞬間でした。
アジア太平洋の新鋭たちの奮起を促した大きな一歩であったと感じます。中東MMAでもBrave CFを筆頭に着々と進化を遂げていますし、中東からも初のUFC王者が誕生する日が待ちきれません✨😊✨
MMAがより世界的な認知と理解を得られる為に、そして更なるMMAの進化と発展が成される為にも、大いなる可能性を秘めた中東とアジア太平洋の選手たちの最高峰での奮闘を全力で応援していきたいです!!!
今年のUFCもいよいよ始まりましたね!
ホロウェイvs.ケイターも素晴らしい試合でした!(グレート!👊🏻)