イズラエル・アデサンヤ vs. ショーン・ストリックランド!
『UFC』らしいMMAの面白い攻防の末にジャイアントキリングとなりましたね~!👑🔪
MMAの試合は千差万別、十人十色。
二人のスタイルのコントラストがよく出ていた良い試合でした✨
というわけで、面白かったポイントを書いていきます~ノシ
圧力の維持…「とにかく触る」、「しかし防御を怠らない」
ストリックランドが特に良かったのが上の二点。
アデサンヤの左ローをチェック(捕獲)する、左ジャブをパリーする…これらは全て「触る」ことで圧力をかける戦法の一つです。
さらに、アデサンヤのローに対して同時にカット(膝を上げる)を行うことで、実質的に「当たり」に行ってバランスとリズムを崩しに行っていました。
これだけではカウンターの脅威に晒される隙が出来てしまいますが、ストリックランドは常に頭を後方に置くクイーンズベリースタイル&左半身を前に出し顎と右半身を隠すフィリ―シェルスタンスの合わせ技で、カウンターのパンチを被弾しないことを常に意識していましたね~。
常に攻撃に触りに行ってストレスを与えながら、カウンターを防御して空振りさせる…というタフな神経戦を遂行できたのは、一重に王者への徹底した対策の賜物であったと感じます。
リーチと反応差を埋める…ボディへの左前蹴り
ストリックランドは1ラウンドの「ガンファイト」に撃ち勝ってダウンを先取することに成功しましたが、アデサンヤはピンチを耐え切り、冷静に試合の立て直しを図ります。
ストリックランドに依然として逆転負けのリスクが付きまとう中で、比較的リスクの少ない攻撃として効果的な「散らし」に成功していたのが、ボディへの左前蹴りです。
アデサンヤの強さはリーチに依存する部分も大きいですが、ストリックランドの前蹴りがかなり伸びることで、アデサンヤがカウンターを獲りづらくなっていたのが印象的でした。
先日のスターリングもですが、リーチ差を活かして強みを発揮する選手が逆にリーチ差に苦しめられる(経験の無さ故)というのは「あるある」なんですけれども、アデサンヤ程にカウンターの上手な選手に対して効果を見せられたというのは、1ラウンドのダウンを獲ったボクシングの圧力があったからこそでしょうね~。
グレーテストファイト…真髄は2ラウンド前のインターバルにあり
この試合、なんといっても1ラウンド終了後、2ラウンドに向けたインターバル期間にこそ両者の魅力が凝縮されていたと思いますね~!
ストリックランドはダウンを獲って優勢、しかもアデサンヤに対して下馬評を完全に覆す一撃を撃ち込めました。
しかし、ストリックランドは一切の興奮を鎮め、コンセントレーションに努めていたと感じましたね~。
それはつまり、一時の興奮ではない勝利と栄光を得るための、本物の覚悟を以て試合に臨んでいたことの唯一無二の証明でした。
アデサンヤはダウンを獲られ、アンダードッグに完全に一杯食わされた状況になりましたし、前日までの精神的なストレスもありかなり厳しい状況であったと感じます。
しかし、即座にコーナーマンとの状況把握に努め、2ラウンドから冷静な立て直しを図るという、こちらもチャンピオンとして堂々たる姿勢を魅せてくれました。
5ラウンド前のインターバル、ガス欠もみられ精神的な負荷も大きい様子が観られましたが、最後まで勝ちを捨てずにコーナーマンと修正を図っていたことも見事でしたね~。
UFCという鉄火場において、選手はどれだけ脚色しても「地金」を晒される瞬間が訪れます。
そして、その鉄火場に魅せる「地金」にこそ、MMAというスポーツの真価が証明される瞬間であると感じます。
「グレーテストファイト」の称号は、衝撃的なフィニッシュ決着ではない。
両者が常にフィニッシュへの危機に晒されながらも、それでも「地金」を晒した姿が決して崩れることなく闘い切る…
身に着けた技術と戦術、叩き上げてきた鉄の精神をブレずにやり切ること…
そんな闘いの末に両者が根限りに出し尽くした試合にこそ相応しいと思います。
グレーテストファイト!!!!!👏👏👏
ショーン・ストリックランドの入場曲。
映画でもよく使われる、19世紀アメリカの戦歌ですね~💦