2024年も、新年度からもうすぐ一か月が経ちますね~🌸
今回は、日本MMAの未来を担う若い力、「ユース」選手たちを紹介していきます!
「ユース(Youth)」とは、幼少期と成人期との間…大いなる可能性を秘めた青年たちです。
今回の記事においては、15歳~24歳(日本の高校入学前~大学卒業後)のMMA選手たちを「ユース」と定義させて貰います✨
昨今、UFCは、日本MMAの「ユース」選手たちと、どんどん契約を結んでいます。
平良達郎や木下憂朔は22歳で契約、鶴屋怜はさらに若い21歳で契約。
いずれも「ユース」の年齢にある、未知なる可能性を秘めた選手たちです。
PFLでも西川大和は20歳で契約。
国際戦で大きな勝利を手にした鈴木千裕は24歳、高橋誠も23歳です。
20代前半にして、UFCを筆頭に、国際MMA規準で「即戦力」を求められている…!
そんなハードな時代が到来しているのを感じます…。
MMAにおいて、ユースは既に育成選手ではなく、確立した力を求められています!
新たな時代の荒波に敗けず、強い輝きを魅せてくれている日本MMAユース選手たち。
今回は、そんなユース選手たちから、飛躍を観たい13名の新鋭選手を紹介させて頂きます~✨🌸✨
- #1 山内渉(ヤマウチ・ワタル)
- #2 エフェヴィガ雄志(ユウジ)
- #3 宇佐美正(ウサミ・ショウ)パトリック
- #4 須藤拓真(スドウ・タクマ)
- #5 黒井海成(クロイ・カイセイ)
- #6 小崎連(オザキ・レン)
- #7 相本宗耀(アイモト・カズキ)
- #8 宇藤彰貴(ウトウ・アキタカ)
- #9 内田滝琉(ウチダ・タケル)
- #10 矢野晃(ヤノ・アキラ)トミー
- #11 重田星花(シゲタ・ホノカ)
- #12 鈴木崇矢(スズキ・タカヤ)
- #13 秋元強真(アキモト・キョウマ)
- おわりに
#1 山内渉(ヤマウチ・ワタル)
年齢 24歳(1999.6.22)
階級 MMAフライ級
所属 FIGHT FARM 津田沼
「修斗」フライ級チャンピオンシップで、新井丈と一進一退の激闘を繰り広げた山内!
ガッシリと身の詰まったフィジカルを武器に、全力を出し尽くす闘いぶりで好試合を連発。極真空手ベースの右ミドルキックに、左リードのロー&ミドルキック、更には前蹴りと、膝から多彩に変化させる蹴りの使い手であるところが特に魅力ですね~!
MMA選手の重要な資質である「ハードワーク(献身の闘い)」ができる山内の、更なる進化はぜひ観たいですね~。内藤戦や新井戦では定距離の撃ち合いでダウンを奪われており、ポジショニング&フットワークの強化や、それに付随するKOパワーの底上げが出来るかには特に注目していますね~。
山内がアマチュア修斗時代に魅せていた、弾丸のような飛び込みからの右フックが是非また観てみたいです。中距離で真っ向勝負するに留まらず、フィジカルをスピードと爆発力に変えた更なる真価の発現に期待しています!
故郷の福島から千葉へ渡り、MMA選手の道を歩んでいる山内。彼のような「献身」のできる選手が、力強く進化してくれることを願っています✨
#2 エフェヴィガ雄志(ユウジ)
年齢 24歳(1999.10.19)
出身 東京都 練馬区
階級 MMAライト級
所属 TRIBE TOKYO MMA
「COMBATE GLOBAL 66」にて、ゲラルベルト・カスティーリョとの初の国際試合に見事な勝利を手にしたエフェヴィガ!
ボディロックからの崩し投げや、長い手足を活かしたトップコントロールから降らせるパウンド爆撃で尻上がりに調子を上げてカスティーリョに逆転KO勝ちしたのは素晴らしかったですね~!
空道出身のサウスポーであるエフェヴィガは、ボディへ突き刺す左膝蹴りのカウンターも非常に強烈です。これまで試合、劣勢になりかけても絶妙なタイミングで左膝を刺して主導権を勝ち獲ってきています。
カスティーリョ戦ではダウンを奪われており、今後はパンチの攻防でも更なる進化を是非とも観てみたいですね~。スウェー&スリッピング等の防御技術や、リーチを更に活かした打撃の強化にも期待しています!
トーゴと日本、二つの国の系譜を継いでいるハイブリッドファイターであるエフェヴィガ。素晴らしい才能が更に開花してくれるのが楽しみです✨
#3 宇佐美正(ウサミ・ショウ)パトリック
年齢 23歳(2000.5.8)
階級 MMAライト級
所属 BATTLE BOX
破壊力抜群のハードパンチで果敢に斬り込んでいく宇佐美は、23歳という伸び盛りのストライカー!
どのパンチも強烈ですが、なかでも左リードフックの強振は宇佐美の一番光る打撃です。佐々木信治戦ではヘッドスリップから連携して左リードフックで反撃し、レバーショット(肝臓撃ち)にも変化させて主導権を獲っています。
左リードフックという鍵が嵌まることで、佐々木戦では左ジャブ&右ストレートと連結させたコンビネーションが火を噴き鮮やかにKO勝ちしています。ボクシングのルーツを色濃く残す宇佐美の、更なるステップアップに期待しています!
宇佐美だけではなく立ち技出身の日本MMA選手の多くは、腕の「膂力」だけでグラップリングを頑張って凌いでしまう傾向があります。優れた打撃の才能を自由にMMAで発揮する為にも、膂力に頼らないベースの強さを更に増していって欲しいです!
カナダと日本、二ヶ国の系譜を継ぐボクシングルーツのストライカーである宇佐美には、日本MMAの新たな可能性を魅せて欲しいです✨
#4 須藤拓真(スドウ・タクマ)
年齢 23歳(2000.5.25)
出身 神奈川県 横浜市
所属 X-TREME EBINA 大和支部
凄腕のレッグロック使い、「足狩り」須藤も23歳!未知の才能が多く眠っている選手ですね~。
デラヒーバガードやサドルロック、インバーテッド5O/50と凄まじいガードの連携で追い込みヒール&ニーバーで仕留める「足狩り」レッグロックのスピードは鮮やかの一言です!
足緘使いとしてフィジカルにも優れており、左リードハイキックや左右フックの連打など打撃コンビネーションにも光るものを感じます。藤井伸樹戦では足緘を防がれるも、打撃で圧して拮抗できたのは須藤の新たな鉱脈を発見した気持ちでしたね~。
須藤の打撃は散打のようで、これから進化できる可能性を大いに秘めています。テイクダウン&トップからの寝技も強化できれば、大きな飛躍を遂げる選手になってくれるのは!と期待しています!
純柔術チームX-TREMEのプライドを感じさせてくれる須藤ですけれども、MMA選手として、より自由に進化を遂げていって欲しいと願わずにはいられません✨
#5 黒井海成(クロイ・カイセイ)
年齢 22歳(2001.6.21)
所属 BRAVE GYM
👑JAPAN-MMA ROOKIES CUP 2023 フェザー級 優勝
昨年に開催された日本MMAプロモーション共同企画トーナメント「JAPAN-MMA ROOKIES CUP」で、見事に優勝を果たした新鋭ストライカーの黒井!
K-1スタイルのオーソドックス、右ローキック&右ミドルキックの破壊力で試合を掌握するという、純正キックボクサーの強打を走らせることが出来る黒井。腕越しに蹴りのダメージを効かせてKOしてみせた、人見礼王との決勝戦はインパクト大でしたね~!
黒井は純オーソドックスの右の打撃主体の選手、自分の距離を外されたり、寝技狙いでゼロ距離接近されることには苦手な様子が観られます。まだまだ成長途上という若手の輝きが、さらに強度と完成度を増していってくれることに期待しています!
レスリングMMAの総本山、BRAVEからストライカーとして台頭した黒井。日本MMAの新時代を担う選手の一人として、注目しています✨
#6 小崎連(オザキ・レン)
年齢 22歳(2001.12.15)
出身 埼玉県 秩父市
所属 リバーサルジム久喜 WINGS
ふわりと軽やかなフットワークから一発でフィニッシュする、小崎の瞬発力の高いストライキングにも才能を感じますね~!
遠い間合いから右カーフキックで斬り崩し、一気にゼロ距離に飛び込んでパンチのコンビネーションで撃墜します。撃ち合いを誘いながらも、初速の差で撃ち勝つことが出来るのが強みですね~。左リードフックの威力は特に高く、小崎の主砲であると感じます!
小崎のスタイルはフットワークで相手を攪乱できるかが重要なポイントですが、まだ完成には強度を増す必要性を感じています。松澤力也戦でも一発でTDを獲られてしまっていましたね~💦ここから経験を積んで完成度を増していって欲しいです!
…と、書いてるうちに、なんと小崎が「ROAD to UFC」シーズン3へ電撃出場!正直、ちょっと時期尚早の不安は否めませんけれども…この挑戦で大きな飛躍を遂げ、経験を増して更なる進化を魅せてくれることに期待しています✨
#7 相本宗耀(アイモト・カズキ)
年齢 21歳(2001.1.23)
所属 ROOM
ワイルドな攻撃スタイルが光る相本も、日本MMAの注目のユース選手ですね~!
若さ溢れるフィジカルでパンチのラッシュ、飛び膝蹴り等の爆発力のあるコンビネーションを叩き込み、筋肉のバネを腰投げやレッグロック等の組み技でも活かし、フレキシブルに動き続けられるところが良いですね~。
相本はフェイントや挑発など「散らし」の動きで攪乱する等、MMAを自由に闘えているのも良いところですね。これから強豪に当たり苦しい局面に立った時、自由さを失わずに更なる進化を魅せて欲しいと期待しています!
茨城の一室で研鑽を積んでいるという、ロマン溢れるバックストーリーもある相本。多くの壁を持ち前の爆発力で撃ち破って行って欲しいところです✨
#8 宇藤彰貴(ウトウ・アキタカ)
年齢 21歳(2002.5.12)
出身 兵庫県 神戸市
所属 ゴンズジム
凄まじいフィジカルの爆発力を魅せている宇藤は、日本MMAユースで将来性の高い「原石」といえる選手です!
レスリングで培われた強靭なフィジカルのバネに、思い切りフォロースルーしきる強振の一撃で相手を貫通して秒殺KOを連発。リージョンには収まらないフィジカルタレントぶりを発揮しています。
なかでも左ティープ(前蹴り)はかなり印象的。通常は牽制打になる攻撃も、宇藤はしっかりと貫通させきることでプレッシャーの強い闘いが出来ています。一方でディフェンスやポジショニングといった緻密さには、かなり未完成な部分が残っていると感じますね~。
まさに「原石」といったフレッシュな可能性に溢れた宇藤。まだ残る粗さを極限まで削ぎ落し、「原石」をどこまで錬磨できるのか、そこに非常に期待しています!💎
#9 内田滝琉(ウチダ・タケル)
年齢 21歳(2002.9.30)
出身 埼玉県 草加市
階級 MMAフライ級
所属 THE BLACKBELT JAPAN(旧 パラエストラ松戸)
「ROAD to UFC」にてショーン・エッチェルとのグラップリングレースに競り勝ち見事一本勝ちした、日本MMA若手筆頭グラップラーの内田!
どの体勢からもチョークを狙っていくというプレッシャーの強い寝技で一本勝ちの山を築いており、若いフレームの未成熟さでパワー敗けすることはあれど、拘束力の強いグラップリング技術はとても魅力的ですね~!
今後はパワーを付けてグラップリングが更に強化されるのと同時に、テイクダウン(に繋げる攻撃やフェイント)のバリエーションも増やしていって欲しいと感じています。内田の強さは、テイクダウンの力が上乗せされる程にその完成度を増していくでしょう!
埼玉と千葉の県境を往復して強くなったという努力家の内田。今後ますます諸要素を吸収して進化していく姿を是非観たいと思っています✨
#10 矢野晃(ヤノ・アキラ)トミー
年齢 21歳(2002.11.10)
出身 神奈川県 横須賀市
所属 IGLOO BJJ
格闘代理戦争 THE MAX シーズン1 準決勝 中谷優我 vs. トミー矢野 | ABEMA
ブラジリアン柔術の麒麟児がMMAへ電撃参戦!「格闘代理戦争 THE MAX」にて鮮烈な強さが光る矢野!
若く俊敏なフィジカルからの連携サブミッション、柔術の試合ではデラヒーバガード&ベリンボロの使い手という印象もある矢野。MMAにおいてもダブルレッグから次々と技を展開させてパウンドKO&一本勝ちを魅せています!
一回戦の向坂準之輔戦ではプレッシャーパスから圧巻のパウンドKO勝ち。打撃にやや不慣れな強引さを見せながらもデビュー戦で完勝しました。
続く準決勝の中谷優我戦ではダブルレッグをウィザーで防がれるも、即座にドッグファイトに持ち込みエレクトリックチェアーで切り返し、電光石火のニーバーで素晴らしい一本勝ちを極めました!
ブラジルと日本、二国の系譜を継ぐハイブリットファイターの矢野。初戦で前のめり過ぎた打撃も二戦目には早くも構え&距離が修正されてきており、是非ともMMAに本格参戦して飛躍を魅せて欲しい選手です✨
#11 重田星花(シゲタ・ホノカ)
年齢 20歳(2003.10.10)
出身 千葉県 船橋市
所属 THE BLACKBELT JAPAN(旧 パラエストラ柏)
👑PANCRASE女子フライ級王座
PANCRASE 333 第1試合 高本千代 VS. 重田ホノカ | U-NEXT
「PANCRASE」女子フライ級王座を4戦目で獲得し、日本MMA女子ユース選手の中でも今後の成長が楽しみな重田!
女子フライ級で早熟の戴冠、豪快なテイクダウンが注目されている重田ですけれども、私が特に魅力的に感じたのはデビュー戦、高本千代との女子ストロー級で魅せたスマートな闘い方です。
高本戦での重田は、コンパクトな構えで防御を固めつつ、瞬発力のある左ストレートや小外刈で攻めていました。スピードの速さと緩急のある攻め方は、MMAとして魅力を感じていましたね~!今は階級を上げてパワー重視の闘いが中心となっている重田ですが、パワーに裏付けされた「スピードと緩急」にこそ、強さの真価が秘められていると感じています!
重田は次戦に女子ストロー級への再転向を希望しており、女子MMA選手として更なる才能の開花に期待じています✨
#12 鈴木崇矢(スズキ・タカヤ)
年齢 19歳(2004.9.8)
出身 神奈川県 川崎市
階級 MMAフライ級
所属 EX FIGHT
👑JAPAN-MMA ROOKIES CUP 2023 フライ級 優勝
黒井と同じく「JAPAN-MMA ROOKIES CUP」で優勝を果たした、こちらも日本MMAの新鋭ストライカーである鈴木!
鈴木は空手スタンスのサウスポー、右リードローキックで牽制し左ストレート&左ミドルキックの主砲を叩き込む王道の空手ストライキングの持ち主です。運動量の多さや、緩急をつける上手さが特に魅力ですね~!
決勝戦の金井一将戦ではかなり裸絞めで追い込まれながら逆転KO勝ちで優勝しており、ピンチを乗り越える力も良いですね~。他方、ディフェンスやガス欠に怖い面もまだ観られ、ここから完成度を上げて更に進化して欲しいな~と思っています!
「格闘DREAMERS」EX FIGHT直属という、直球の新世代である鈴木。日本MMAに新たなプラットフォームを証明してくれる闘いに期待です✨
#13 秋元強真(アキモト・キョウマ)
年齢 18歳(2006.3.8)
出身 東京都 大田区
所属 パラエストラ柏 → JAPAN TOP TEAM
今回紹介する中で最年少のMMAファイターである秋元は、日本MMAプロスペクトの中でも特筆すべき輝きを魅せてくれている選手です!
左ストレートの高い貫通力を誇り、右ジャブ&リードフック等のコンビネーションも素早く正確です。その上で、相手の攻撃へ素早く反応して防御と回避を徹底し、相手の死角を獲るポジショニングを決して怠らない冷静さが秋元の最も魅力的なところです!
秋元は、18歳という若さにして完成度の高いMMAストライキングの持ち主であると言えます。やや完成され過ぎていると言っても良く、早熟の頭打ちにならずにMMA選手としてバランスの良い進化を遂げて欲しいと期待しています!
今年からはパラエストラ柏からJTTへと所属チームも変わり、新たな環境で秋元がどんなMMAキャリアを積んでいくのかは楽しみですね~✨
おわりに
中村倫也が27歳、風間敏臣が25歳でUFCと契約している通りに、年齢はメジャーMMA契約の絶対規準ではありません。
もちろん、MMA選手としての真価を測るためにも、年齢は様々な構成要素の一つでしかありません。
しかし、少なくともUFCでユース選手たちが重要な「契約対象」であり、かつユース選手たちもUFCで勝てる「即戦力」が求められている…という事実には、少なからずエポックメイキングな感覚を覚えましたね~💦
MMAにおいてユースの選手たちは、既に「長い目で成長を見守る」存在では無くなっているという事実。
20代前半には、UFCで活躍できる選手として「確立」されていなければならない…という事実に、ハードな時代の到来を感じますね~💦
若手MMA選手にもプロフェッショナルとしての力が求められる時代を、力強く切り拓いていって欲しいです!🌸
今回は紹介できなかった日本MMAのユース選手たちの活躍も、大いに注目させて頂いています!
そして、20代後半以降でチャンピオンに戴冠した選手たち、王座を目指して頑張っている選手たちも、もちろん観ています&応援しております~!🔥ファイトー!
MMAに「型」は存在せず。
若き日本MMAユース選手たちの未来は、最も自由な可能性に満ち溢れています!✨🌸✨